データ・リポート

富士経済、機能志向食品(サプリメント)の国内市場調査、2020年市場見込は前年比0.6%増の9483億円に

2021.02.19 17:42 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、消費者の感染症予防意識の高まりを背景に注目を集めている機能志向食品(サプリメント)の市場を調査した。その結果を「H・Bフーズマーケティング便覧 2021 No.2 機能志向食品編」にまとめた。2020年市場見込(前年比)では、生活習慣病予防や免疫賦活作用などで特需がみられ、市場拡大した機能志向食品(サプリメント)は 9483億円(0.6%増)に達した。新型コロナウイルス感染症の流行以降、セルフメディケーション意識が高まり、需要増加した生活習慣病予防は1185億円(4.0%増)となった。“家トレ”に励む人が急増、需要が増加し市場拡大したスポーツサポートは713億円(19.0%増)に達した。

 この調査では機能志向食品を滋養・強壮、スポーツサポート、骨・関節・筋肉サポート、生活習慣病予防などの訴求効能別や、成分別に分類し市場を調査・分析した。なお、機能志向食品とは、健康(Health)や美容(Beauty)に良いというコンセプトをもった商品(H・Bフーズ)のうち、機能性を重視した商品設計を行い、一般用医薬品等との競合が予想される商品(サプリメント)とした。

 機能志向食品(サプリメント)市場では、2019年は、景品表示法違反に起因した酵素商品のマイナスやフルーツ青汁の落ち込みによりダイエットが縮小した。また、中国新EC法の施行以降、インバウンド需要が減少し美容効果やグリーンチャージなども縮小した。一方、プロテイン需要の増加により好調だったスポーツサポートや脂肪低減などをヘルスクレームとした生活習慣病予防が大幅に伸びたことで、市場は拡大した。

 2020年は、訪日客の減少によるインバウンド需要の落ち込みで、美容効果などは苦戦しているものの、新型コロナウイルス感染症の流行を受け、疾病予防・セルフメディケーション意識が高まり乳酸菌関連やビタミン・ミネラルなど免疫作用に関わる成分や訴求に注目が集まったことで、整腸効果、免疫賦活作用、マルチバランス、生活習慣病予防などを中心に特需がみられた。また、運動不足解消ニーズを捉えたスポーツサポートが好調であり、市場は前年に続き拡大すると予想される。

 生活習慣病予防は、生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症、動脈硬化など)対策を訴求した商品を対象とする。2019年は、上位企業が新聞広告やTVCMの投下など積極的なプロモーションを継続したことで新規顧客の獲得が進み、市場は拡大した。

 2020年は、新型コロナウイルス感染症の流行以降、病院での受診を控える動きや高血糖などの基礎疾患によって新型コロナウイルス感染症が重症化する恐れがあるとの報道の影響からセルフメディケーション意識が高まっており、市場は拡大するとみられる。

 2020年の動向としては、中性脂肪値・コレステロール値改善は、消費者のセルフメディケーションへの意識が高まったほか、“コロナ太り”によって脂肪対策商品の引き合いが強まり上位企業が好調なことから、前年を上回るとみられる。血糖値改善は、高血糖などによって新型コロナウイルス感染症が重症化する恐れがあるとの報道もでたことが追い風となったほか、“コロナ太り”のニーズも獲得するなど好調で、前年比15.6%増が見込まれる。高血圧予防は、上位企業が積極的な広告投下などから好調であり、伸びると予想される。認知機能サポートは、認知機能低下への予防意識の高まりから需要が増加しており、伸びるとみられる。

 スポーツサポートは、1980年代にプロテインなどが発売され、プロのアスリート、ボディビルダーなどごく限られたトップ層のみを対象として市場は形成されてきた。2000年代以降は徐々に一般消費者の需要を取り込んだことや、ランニングブームなどを背景としたスポーツ人口の増加によって幅広い層のユーザーを獲得している。2019年は、近年参入した企業が大幅に実績を伸ばしたため市場は拡大した。2020年は、外出自粛によるコロナ太りなどを解消すべく自宅で運動を行う“家トレ”に励む人が急増し需要が増加しているため、市場は拡大するとみられる。健康寿命延伸のために政府がスポーツを推進していることから長期的にスポーツ人口は増加していくとみられ、今後も市場拡大は続くと予想される。

 ストレス緩和・睡眠サポートは、ストレスの低減、睡眠の質の向上・改善などを訴求した商品を対象とする。1998年にハーブ類の規制が緩和され、セントジョーンズワートやバレリアンを成分とした商品が相次いで発売されたことによって市場は本格的に形成された。2015年の機能性表示食品制度の開始以降は、新商品が増加し、新聞広告などのプロモーション活動も積極的に行われてきたことから市場は拡大が続いている。2019年は、既存の商品が好調だったほか、新商品が相次いで発売され市場が活性化し、拡大した。2020年は、新型コロナウイルス感染症の流行による生活の変化や不安感から、ストレスを感じたり、睡眠の質を気にする消費者の需要を獲得しており、市場は拡大するとみられる。

 免疫賦活作用は、2019年は、上位企業の実績が停滞したため市場は縮小した。2020年は、新型コロナウイルス感染症対策として免疫力を高めることの重要性が広く認識され、乳酸菌類、プロポリス、エキナセアなどが大幅に伸び、市場は拡大するとみられる。また、2020年11月に「iMUSE プラズマ乳酸菌 サプリメント」(キリンホールディングス)が、12月には「免疫サポート」(ファンケル)が発売された。両商品は、免疫機能に関するヘルスクレームで届出が受理された機能性表示食品であり市場の拡大に寄与するとみられる。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2020年8月~11月
[体裁]A4判 287頁
[小売価格]
書籍版:12万円
書籍/PDF+データ版セット:16万円
ネットワークパッケージ版:24万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


このページの先頭へ