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富士経済、加工食品の市場調査、2020年市場見込では袋めんが前年比9.4%増の1275億円・シリアルフーズが同11.6%増の695億円に

2021.01.25 18:39 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、内食や備蓄向けに需要が増加するめん類や米飯類、健康志向の高まりから需要が増えるヨーグルトといったチルドデザートなどの市場を調査した。その結果を「2021年 食品マーケティング便覧 No.3」にまとめた。トピックスとしては、2020年市場見込(前年比)では、袋めんが1275億円(9.4%増)、シリアルフーズが695億円(11.6%増)との見通しだ。2021年市場予測(前年比)では、袋めんが1260億円(1.2%減)、シリアルフーズが720億円(3.6%増)と予測する。

 この調査では、チルドデザート13品目、フローズンデザート7品目、ドライデザート6品目、米飯類10品目、めん類16品目、その他ステープル14品目の市場の現状を把握し、将来を予想した。

 袋めん(めん類)は、袋入りのインスタントめんを対象とする。近年袋めん市場は、2011年から2013年に「マルちゃん正麺」(東洋水産)のヒットによって、また、2018年に“冷やして食べる”や“リゾットとして食べる”などの、レシピ提案によって拡大したが、その他の年は冷凍中華めん、麺やスープの本格化が進んだチルドめん、デリカめんなどに需要が流れていることから、縮小が続いている。

 2020年は新型コロナウイルス感染症の発生で、備蓄向けなど、急激に需要が増加した。学校休校、テレワーク化の普及による内食需要の増加や経済的で野菜など具材のアレンジもできる商品価値が再認識され、市場は前年比9.4%増の1275億円が見込まれる。

 今後はノンフライめんの健康性やアレンジによって野菜が摂取しやすい栄養面での評価が浸透、また、家庭でもラーメン店の味を味わえるような麺やスープを訴求した商品が増えるとみられ、2020年の特需以降も、市場は2019年並みの堅調な推移が予想される。

 シリアルフーズ(その他ステープル)は、コーン、麦、米などを主原料にフレーク状、パフ状などに加工した商品や、オーツ麦に牛乳などを加えて粥状に炊き上げたオートミールを対象とする。

 グラノーラを中心に朝食需要を獲得し市場は拡大してきたが、2017年にはインバウンド需要が減少、2018年には国内需要も減少したことで縮小が続いた。2019年はカルビーから新商品が相次いで発売されたことやメディアで取り上げられたことでコーンフレークが注目され、市場は拡大した。

 2020年は健康性や利便性の高さなどから巣ごもり需要の獲得が進み、朝食のみならず間食にもと、食シーンに広がりがみられたことで市場は大幅に拡大し、前年比11.6%増の695億円が見込まれる。

 今後は間食のような朝食以外の食シーンの開拓が進むほか、腸管免疫を含む“腸活”で注目される食物繊維や免疫力向上が期待されるビタミンなど幅広い栄養素の摂取ニーズが高まっており、健康需要の獲得に向けた高付加価値商品への注力度が高まるとみられる。

 手作り風デザート(チルドデザート)は、要冷蔵(0℃~10℃)の消費期限が一週間以内の商品で、ケーキ、シュー、カップデザートなどを対象とする。

 近年はフルーツを多く使用した商品や本格的な味わいの商品に対する需要が高まり、高単価商品が定着するなど市場拡大が続いた。2019年は「バスチー」(ローソン)がヒットし、ボリューム感や質感にこだわった商品が多くみられたことから市場は拡大した。

 2020年は新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛などから利用客数が減少したCVSが、一時的に伸び悩んだが、外食店が休業したことで量販店を中心に自宅でデザートを味わう巣ごもり需要を獲得していることから、市場は前年比6.0%増の2046億円が見込まれる。

 CVSの高付加価値なオリジナルスイーツが再評価され、リピート需要も獲得していることから、今後もCVSでは活発な商品開発・投入が行われ、市場の活性化が続くと予想される。

 ヨーグルト(チルドデザート)は、乳等省令で定める「はっ酵乳」で、乳に乳酸菌や酵母を混ぜて発酵させて作る無脂乳固形分8.0%以上、乳酸菌1000万個以上のものを対象とする。

 2012年にメディアでヨーグルトの機能性や健康性が取り上げられたことから、ハードヨーグルトを中心としたプロバイオティクス商品が伸長し、市場は大幅に拡大した。2019年は健康志向の高いユーザーを中心にプレーンヨーグルトとハードヨーグルトの喫食頻度が高まった一方で、ソフトヨーグルトの苦戦が続き、市場は横ばいとなった。

 2020年は新型コロナウイルス感染症の影響から家庭内での喫食頻度が増加しているほか、免疫機能の向上を中心とした健康意識がさらに高まり、市場は大きく拡大し、前年比4.2%増の3191億円が見込まれる。

 今後も健康需要を取り込むことで市場の拡大が期待できるほか、メーカーによる美容面などヨーグルトの様々な可能性を訴求した商品の積極的な展開が市場の拡大につながると予想される。

 2020年見込として、チルドデザートでは、手作り風デザートが主要CVSにおける積極的な商品展開によって、巣ごもり需要をとらえているほか、ヨーグルトが新型コロナウイルス感染症の流行を背景とする健康志向の高まりから、プレーンヨーグルトやハードヨーグルトを中心に好調で、市場は拡大するとみられる。

 フローズンデザートでは、外出自粛による在宅時間の増加でアイスクリームがファミリー向けのマルチパックアイスクリームを中心に好調な一方、冷凍ケーキがホテルでのビュッフェ中止などの影響を受けていることから、市場は縮小するとみられる。

 ドライデザートでは、デザートベース(レトルト)および(粉末、他)がデザートの手作り需要が増加し大幅に伸びているほか、和風デザートのようかん、しるこ・ぜんざいが保存性や経済性の良さから買い置き需要が増え僅かに伸びていることなどから、市場は微増するとみられる。

 米飯類では、無菌包装米飯・レトルトライスが新型コロナウイルス感染症の感染拡大の危機意識から内食需要と備蓄需要が増え好調であることから、市場は前年比5.4%増が見込まれる。

 めん類では、業務用冷凍めんが外食産業の大幅な実績減少の影響を受け低迷するものの、市販用の袋めんや冷凍めん、チルドめんが野菜などの具材追加で栄養面も補えるため備蓄需要が急拡大し、内食志向も続いていることから好調で、市場は前年比4.6%増が見込まれる。

 その他ステープルでは、シリアルフーズが健康性の高さや喫食の手軽さから巣ごもり需要を獲得したほか、パンがコロナ禍で食パンやテーブルパン、ロングライフパンなどを中心には需要を取り込んでいるものの、菓子パンや惣菜パンがオフィス街や学生街などを中心にCVSの売り上げが減少していることから、市場は微減するとみられる。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2020年9月~11月
[体裁]A4判 335頁
[小売価格]
書籍版:10万円
書籍/PDF+データ版セット:14万円
ネットワークパッケージ版:20万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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