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矢野経済研究所、トイレタリー市場に関する調査、2020年度は前年度比5.5%増の2兆974億3000万円の見込

2021.01.14 16:49 更新

 矢野経済研究所は、国内のトイレタリー用品、主要50品目の市場を調査し、市場規模や品目別動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。その結果、インバウンド減速顕在化も、新型コロナウイルス感染症予防ニーズ拡大で複数商材の需要が大幅拡大し、2020年度のトイレタリー市場規模は、前年度比5.5%増の2兆974億3000万円を見込む。

 2019年度のトイレタリー市場規模(メーカー出荷金額ベース、5分野50品目)は前年度比103.6%の1兆9877億300万円となった。市場全体の傾向では、国内人口が少子高齢化による自然減へとシフトし、量的販売から質を高めた高付加価値・高単価製品の販売を強化することで、数量ベースの伸び悩みを購入単価アップでカバーする収益確保の戦略にシフトしている。

 また、2019年10月から実施されている消費増税の駆け込み需要とも連動するなど、市場拡大に作用している。加えて、2020年初頭から発生している新型コロナウイルスの感染を危惧する生活者が、家庭用マスクや手指消毒・除菌系商材を買い求めてスーパー・ドラッグストア、コンビニエンスストア等小売り店舗に殺到するなど複数の特定トイレタリー商材を中心とした大量購入が発生したことも市場拡大の後押しとして作用した。

 これまで、中国人をはじめとしたインバウンド(訪日外国人客)需要が国内トイレタリー用品の消費底上げ要因の一つとして寄与していたが、2019年1月から中国EC法が施行されたことで大口顧客である中国人観光客を中心とするインバウンド需要が大幅に減少した。特にベビー用紙おむつなど、現地での転売で利ザヤを得てきた中国人ソーシャルバイヤーが淘汰され、訪日動機を失うなど需要は減少している。

 日本のトイレタリーメーカーでは中国市場に進出し、現地消費者向け販売を本格化させている。中国大手ECサイト「アリババ」をはじめとする主要ECサイトに出店し、越境EC戦略にもとづく日本製トイレタリー製品の現地消費者向け販売強化に取り組む企業が増加している。他方、2019年3月に勃発した香港抗議デモは鎮静化から現在も政情不安の状況下にある。さらには2018年から続く米中貿易摩擦による中国国内の製造業や国内景気への影響等も重なり、中国での日本製トイレタリー用品の販売拡大には不確定要素を孕んでいる。

 女性の社会進出拡大やライフスタイル・価値観の多様化によって、インターネット上で24時間いつでもどこでも製品を注文することが可能なパソコンやモバイル端末を駆使したEC・オンラインによる購入スタイルが浸透してきた。世代間に差異はみられるが、世代変遷にともない今後さらにEC・オンライン購入が増加することが想定され、メーカー各社は自社オンラインサイト構築のほか、外部インターネットモールへの出店を進めている。

 さらには、今般の新型コロナウイルスの感染拡大で店頭の有人店舗販売における対人接触や三密をさけるための生活雑貨品の購入法として、EC・オンラインによる購入にシフトする生活者が増加、ウィズコロナ・アフターコロナにおける生活スタイル・消費スタイル、マルチチャネル化の具現事例として加速していくものと見込まれる。

[調査要綱]
調査期間:2020年10月~12月
調査対象:トイレタリーメーカー、その他関連企業等
調査方法:同社専門研究員による直接面談(Web含)、郵送アンケート調査ならびに文献調査併用
[発刊日]2020年12月25日(金)
[体裁]A4 267ページ
[小売価格]12万円(税別)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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