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富士経済、健康志向食品(明らか食品・ドリンク類)の国内市場調査、2020年の健康志向食品市場は前年比0.9%増の1兆4999億円に

2021.01.12 12:29 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、新型コロナウイルス感染症の流行による消費者の感染予防意識の高まりを受け拡大している健康志向食品(明らか食品・ドリンク類)の国内市場を調査した。その結果を「H・Bフーズマーケティング便覧 2021 No.1 健康志向食品編」にまとめた。トピックスとして、2020年市場見込(前年比)では、感染予防意識の高まりから免疫賦活作用などが伸び、市場は拡大し、健康志向食品は1兆4999億円(0.9%増)を見込む。免疫賦活作用は、体調管理に気を遣う消費者が増え需要が高まることから、1406億円(8.9%増)に達する見通しだ。

 この調査では、健康志向食品を整腸効果、生活習慣病予防、滋養・強壮、肝機能改善、免疫賦活作用などの訴求効能別や、成分別に分類し市場を調査・分析した。

 なお、健康志向食品は、健康(Health)や美容(Beauty)に良いというコンセプトをもった商品(H・Bフーズ)のうち、食品(明らか食品)と飲料(ドリンク類)としている。

 2019年は、長らく続いてきた“ヨーグルトブーム”“乳酸菌ブーム”が落ち着いたことで機能系ヨーグルトや乳酸菌配合商品の多くは需要が減少した。また、冷夏であったことから熱中症対策などを中心とした商品にも影響が出たが、脂肪対策やストレス緩和・睡眠サポートを中心に機能性表示食品の新商品が相次いで発売されたほか、ブームの継続によるプロテイン商品の続伸や、エナジードリンクの新ブランドが投入されたことで、市場は拡大した。

 2020年は、外出時の飲酒機会の減少や免疫賦活作用の商品への需要が高まったことによって、肝機能改善や美容効果などは需要が減少するとみられる。免疫賦活作用は、感染予防意識の高まりから需要が急増している。11月には、機能性表示食品で初となる“健康な人の免疫機能の維持をサポート”という機能性を表示した「キリン iMUSE 水」(キリンビバレッジ)など3商品が発売されたことから免疫賦活作用が市場拡大をけん引すると予想される。

 2020年は、明らか食品が4793億円、ドリンク類が1兆206億円と見込まれる。2019年に比べて明らか食品の構成比が高まると予想される。明らか食品は、外出自粛でオーラルケアが苦戦しているものの、内食の増加でヨーグルトの需要が高まっていることで整腸効果が伸びるとみられる。また、コロナ太り対策でダイエット系商品も伸びている。ドリンク類は、自販機やCVSでの販売が苦戦しているものの、機能系ドリンクヨーグルトやプロテイン飲料は需要が増加し、伸びている。

 免疫賦活作用は、β-カロチン、プロポリス、甜茶、高機能乳酸菌など免疫機能の調整を訴求した明らか食品やドリンク類を対象とする。

 2012年に情報番組で「R-1乳酸菌」入りヨーグルトのインフルエンザ予防への効果が取り上げられたことで市場は急拡大し、2016年まで二桁増が続いた。2017年以降は、乳酸菌ブームが沈静化し、市場の成長に歯止めがかかり、2019年には縮小した。

 2020年は、体調管理に気を遣う消費者が増加したことで、「明治プロビオヨーグルトR-1 ドリンクタイプ」(明治)や「ボディメンテ ドリンク」(大塚製薬)、「キリン iMUSE レモンと乳酸菌」(キリンビバレッジ)などの需要が高まっている。さらにキリンビバレッジが既存の商品をリニューアルし、機能性表示食品で初となる“健康な人の免疫機能の維持をサポート”という機能性を表示した商品を11月に発売し、販促に注力していることから需要を獲得するとみられ、市場は前年を上回ると予想される。

 中性脂肪値・コレステロール値改善は、“血中中性脂肪や体脂肪が気になる方に”“コレステロールが高めの方に”などをヘルスクレームとする特定保健用食品、“体脂肪を減らす”などをヘルスクレームとする機能性表示食品を中心に市場は構成されている。

 2019年は、特定保健用食品が前年に続き落ち込んだものの、トマトジュースやビネガードリンクなどの機能性表示食品が好調だったことや、リニューアルによって機能性表示食品となった「お~いお茶 濃い茶」(伊藤園)の実績が加わったことで市場は拡大した。また、機能性ノンアルコール飲料は休肝日やアルコールが摂取できないシーンにおいて“せっかくなのだから少しでもいいものを飲もう”という意識から需要を獲得、上位メーカーが商品を投入したこともあり市場拡大に寄与した。

 2020年は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う人の動きの減少や一部店舗の営業制限などで苦戦を強いられたが、外出自粛や在宅勤務の増加によって脂肪対策商品の需要が増加している。また、持病を抱えている場合や肥満の場合において新型コロナウイルス感染症罹患時の重症化リスクが高まるなどの情報が発信されたことで健康需要が高まり、市場は拡大するとみられる。

 整腸効果は、整腸効果が期待される発酵食品を中心に、食物繊維やオリゴ糖、プルーン、アロエなどを添加し整腸効果を訴求している明らか食品やドリンク類を対象とする。市場はヨーグルトや乳酸菌飲料が中心であり、“ヨーグルトブーム”“乳酸菌ブーム”の到来や沈静化で拡大と縮小を繰り返してきた。近年では、2012年にブームが到来し、2016年まで市場拡大が続いたが、2017年以降は沈静化している。2019年は、上位メーカーが実績を落としたため、市場は縮小した。

 2020年は、新型コロナウイルス感染症の流行による外出自粛に伴い内食が増加したことで、ヨーグルトやドリンクヨーグルトの大容量商品の需要が高まっている。また、健康志向の高まりから乳酸菌飲料は健康に良いということが消費者に再認識されたことで一部メーカーが需要を取り込んでおり、市場は拡大するとみられる。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2020年7月~9月 [体裁]A4判281頁
[小売価格]
 書籍版:12万円
 書籍/PDF+データ版セット:16万円
 ネットワークパッケージ版:24万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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