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矢野経済研究所、自動販売機市場に関する調査、縮小が続く市場の再活性化を参入各社が渇望

2020.12.14 18:39 更新

 矢野経済研究所は、国内の自動販売機市場を調査し、参入企業(自販機メーカー、自販機オペレーター、中身商品メーカー)別や、中身商品別、ロケーション別の動向、将来展望等を明らかにした。その結果、転機を迎える自販機市場において、縮小が続く市場の再活性化を参入各社が渇望していることがわかった。また、自販機はネットワーク化が進み、コロナ禍で非接触・非対面ニーズも高まる

 一般社団法人日本自動販売システム機械工業会によると、2019年末現在の自動販売機(以下 自販機)および自動サービス機の普及台数は、前年比98.0%の414万9100台と400万台の前半まで減少している。全体の約6割近くを占める飲料自販機では、清涼飲料(缶・PETボトル)自販機、牛乳(紙パック)自販機、コーヒー・ココア(カップ式)自販機、酒・ビール自販機のすべてにおいて普及台数減となった。

 そのうち、大多数を占める清涼飲料(缶・PETボトル)自販機においては、ロケーション(設置場所)が飽和状態にあることに加え、自販機オペレーターの収益圧迫や人手不足による、不採算ロケーションの自販機の再構成が進んでいる。その結果、飲料メーカー各社がむやみに自販機台数増を目指さず、方針をシフトさせたことで普及台数減に繋がっている。

 この傾向は当面変わらないものと見られ、また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で新規設置が進んでいないことから、2020年末現在の自販機普及台数は前年比97.6%の405万台と台数の減少幅が拡大する見込みである。それ以降も現在のロケーションの状況を鑑みると、当面は年率で1%前後の台数減が続いていく見通しである。

 自販機市場が減退傾向にある中、1台当たり(パーマシン)の収益性の低下や、人件費、物流費、リサイクル処理費などのコスト負担の増大から、自販機のネットワーク化によって、パーマシンの増加に加えオペレーションの効率化を図り、作業効率や生産性を見直すことで、自販機事業全体の底上げを図ることは、業界全体の共通課題となっている。

 資本力のある飲料メーカーを中心として、メーカー系自販機オペレーターがネットワーク化実施にむけてシステムの構築を進めている。また、飲料メーカーではスマホアプリと連動させた消費者サービスを充実させる動きが先行していたが、近年ではAIなどを導入し、オペレーションの効率化を図る動きも出て来ている。

 これまで不採算機の淘汰と再構成をメインとしていたアウトドアロケーションの自販機においても、新型コロナウイルス感染症の拡大によって再評価が進み、新たなビジネスチャンスの創造の余地があるものと期待されている。しかしながら、依然としてインドアロケーションの収益性や生産性はアウトドアロケーションよりも高く、自販機オペレーターではこれまで通り、インドアロケーションでのパーマシンの収益性向上、新規ロケーション開拓を重視する姿勢は変わらないものと見る。

[調査要綱]
調査期間:9~11月
調査対象:自動販売機メーカー、自動販売機オペレーター、飲料メーカー、菓子・食品メーカー、その他関連団体
調査方法:同社専門研究員による直接面談(Web含)、電話・e-mail等によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
※自動販売機とは、不特定多数の人間が通貨もしくはそれに代替するものを投入することで、対面販売を伴うことなく自動で商品の購入やサービスの提供を受けることが出来る機器である。同調査では、主に飲料自販機(酒類除く)、および菓子・食品自販機を対象とした。
[小売価格]13万円(税別)
[発刊日]11月30日(月)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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