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「胃腸の日」に向けて胃の不調に関する実態調査、4人に1人が「ピロリ菌」自体を知らない時代に、コロナ禍で胃の不調を訴える人は41.3%、専門医が胃の不調を乗り切る秘訣を伝授

2020.12.07 13:45 更新

 生活者の“健康と暮らし”に関する情報を発信するポータルサイト「マイライフニュース」を運営するヒューマン・データ・ラボラトリは、12月11日「胃腸の日」に向けて、 “胃の不調”の実情を知るため、全国の男女2000名を対象にアンケート調査を実施した(実施時期:10月15日~19日)。

 新型コロナウイルス感染症の影響により、人々の生活環境は大きく変化し、ニューノーマル(新常態)時代を迎えつつある。こうした中、コロナ禍において「胃の不調を感じている」と回答した人は41.3%と、4割以上を占める結果となった。年代別の傾向を見ると、男性の20代が最も多く、若年層で胃の不調に悩まされていることがわかった。また、胃がんの最大の危険因子とされるピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の除菌治療について聞いたところ、「ピロリ菌はいたことがないので除菌治療はしていない」と63.1%の人が回答した一方で、「ピロリ菌自体が何かわからない」という人も23.1%おり、約4人に1人がピロリ菌のことを知らない実態が明らかになった。そこで、今回の調査結果について、胃・腸の専門医であるファミリークリニックひきふね院長の梅舟仰胤先生に話を聞いた。

 アンケートでは、まず、新型コロナウイルスの感染拡大により今年4月に緊急事態宣言が発令されて以降、胃の不調を感じることがあるかを聞いたところ、41.3%の人が「胃の不調を感じている」と回答した。男女別にみると、女性42.8%、男性39.8%と女性の方が男性をやや上回った。一方で、年代別で最も多かったのは男性20代で51.5%、次いで女性30代の51.0%となった。コロナ禍では若い世代で胃の不調を抱える傾向にあるようだ。

 胃の不調を感じていると回答した人に、自分の性格について、「気が長い/短気」、「楽観的/心配性」、「おおざっぱ/几帳面」、「のんき/せっかち」、「素直/頑固」、「自分のやりたいことをやる/周りの目が気になる」、「気が強い/気が弱い」、「個性を持ちたい/協調性を持ちたい」の8項目で、それぞれどちらに近いかを聞いた。この結果、コロナ禍で胃の不調を感じている人の主な性格は、短気・心配性・几帳面・せっかち・頑固・気が弱い傾向にあることが浮かび上がった。

 胃の不調を感じている人に、自身の体型について聞いたところ、38.7%の人が「太っている」(「かなり太っている」4.2%+「太っている」10.1%+「やや太っている」24.7%)と回答していた。これは、「普通」、「痩せている」の割合を上回っており、胃の不調を抱えている人は肥満傾向にあることがわかった。普段の食生活で食べすぎていることも胃の不調に影響しているものと推察される。

 一日の中で、胃の不調を感じやすい時間帯を聞くと、「夜」が最も多く35.7%、次に「夕方」の28.6%、「朝」の27.1%と続いた。また、不調の程度を、時間帯別に見てみると、「朝に重い」と感じる人が最も多く、74.9%(「重い」46.2%+「やや重い」28.7%)に達した。次いで、「夜に重い」と感じる人が64.0%(「重い」26.9%+「やや重い」37.1%)となった。

 コロナ禍において、胃の不調以外に、どんな不調を感じているのかを聞いたところ、最も多い回答は「肩こり」(51.6%)という結果となった。胃の不調を感じている人は、同時に「肩こり」を抱えている可能性もあることが浮かび上がった。また、「肩こり」に次いで、「目の疲れ」(47.9%)を感じている人も多く、リモートワークやリモート学習などでパソコンの画面を長時間見続けていることの影響も考えられる。

 ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃潰瘍や胃がんなど胃の病気に深く関わっており、除菌治療を行うことで病気の発症リスクを低減できるとされている。そこで今回、ピロリ菌の除菌治療をしたことがあるかを聞いてみると、「ピロリ菌はいたことがないので除菌治療はしていない」と回答した人が63.1%を占めた。「除菌治療をした」という人は9.9%だった。一方で、「ピロリ菌自体が何かわからない」と23.1%が回答しており、約4人に1人はピロリ菌のことを知らないという実態が明らかになった。

 ピロリ菌の「除菌治療をした」と回答した人に、除菌後に定期的に検査を行っているかを聞くと、約6割(56.9%)の人が「行っていない」と回答した。ピロリ菌を除菌してしまえば、定期検診をしなくても大丈夫と考えている人が多いと思われる。

 また、除菌治療をした人に、ピロリ菌を除菌した後も胃がんのリスクが残っていることを知っているかを聞いてみたところ、45.7%と約半数の人が除菌後胃がんの存在を知らないことがわかった。

 この調査結果を受けて、ファミリークリニックひきふね院長の梅舟仰胤先生は、「今回の調査では、短気・心配性・几帳面・せっかち・頑固・気が弱いといった性格の人や肥満傾向の人が胃の不調を感じやすいことがわかったが、このほかにも、完璧主義や責任感が強い人、マイナス思考の人、ストレス対処がうまくできない人、運動習慣がない人、食生活が乱れている人なども、胃の不調に注意する必要がある。特に今年は、コロナ禍でリモート生活になり、生活習慣が急に変わったことで、運動不足や食生活の乱れ、さらにはストレスも溜まりがちとなって、胃の不調をきたす人が増えていることは間違いない」と、コロナ禍による生活環境の変化が、胃の調子に大きな影響を及ぼしていると指摘する。

 「調査では、『夜』に胃の不調を感じる人が最も多い結果となったが、朝、昼、夕と1日3食食べてきて、夜は一番胃が疲れている時間なので、もともと症状が出やすい時間帯でもある。そのうえ、夜はもう寝るだけなので、夕飯は本来多く食べなくても大丈夫なのだが、会食などでガッツリ食べる人も結構多く、それがきっかけとなって胃の不調を発症するケースが多い。特にアルコールは胃の働きを弱めてしまうため、夜お酒を飲んだりすることもダメ押しとなる。さらに、本来であれば寝ている間に胃が休まることで日中の胃の疲れがリセットされるわけだが、胃が弱っていると食べ物が胃の中に残っている状態で寝てしまうこととなり、胃に大きな負担がかかってくる。そうすると、翌朝に強い胃の不調を訴えて目覚めることになる。これが、朝方に最も症状が重いと感じる人が多い理由となる」と、胃の不調の感じ方が時間帯によって異なる理由を説明した。

 「胃の不調と肩こりの関係性については、首回りには自律神経に影響を及ぼす大事な神経が多く走っており、肩こりが起きると首回りの血流が低下し、これらの自律神経の機能を低下させることが知られている。自律神経は、胃腸の働きの制御も司っており、肩こりによって自律神経の働きが低下することで胃の働きも低下し、最終的に胃の不調を引き起こすと考えられる」と、胃の不調と肩こりを同時に抱えている人が多い理由について解説してくれた。

 「胃の不調を感じたら、まずは食事をせずに胃を休めること。お腹がすく場合には、固形物は摂取せずに、果物やヨーグルト、スープやゼリーなどを口にするとよい。適度な運動も胃の動きを良くするのでおすすめ。あとは、お腹を冷やさないように気をつけてほしい。ストレスをなるべく感じないようによく休むことも大事。また、寝る時に胃の中に食べ物が残っていると胃に負担をかけてしまうので、夕飯はなるべく早めに、そして量は少なめに。理想は寝る4時間前までに終えていると最高」と、胃の不調を感じた際の対処法をアドバイスしてくれた。

 「調査では、『ピロリ菌のことを知らない』と4人に1人が回答していた。ピロリ菌は胃がんの最大の危険因子であり、除菌治療を行うことで胃がんのリスクを確実に減らすことができる。しかし、除菌により胃がんのリスクはあくまでも1/3程度に減少するだけで、決してゼロになるわけではない。したがって、除菌後も1~2年ごとに定期的に胃カメラを受けることが推奨される。そうすれば、万が一胃がんが見つかったとしても、必ずや内視鏡治療できるような早期の段階で見つかるはず。残念ながら、『除菌すればもう胃がんにはならない』と誤解している人もまだ多く、除菌後胃がんの存在についてもっと啓蒙活動が必要だと考えている。当院では、除菌後は基本的に1年ごとの胃カメラをルーティンとして行っており、除菌後胃がんの存在についても十分な情報提供を行っている」と、ピロリ菌の除菌治療後も定期的に検査を行うことが重要であると訴えた。

[調査概要]
調査名:胃の不調に関する実態調査
調査方法:インターネット調査
実施期間:10月15日(木)~10月19日(月)
調査対象:全国の20歳~60歳以上男女2000名

マイライフニュース=http://www.mylifenews.net/


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