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GfKジャパン、2020年エアコンの販売動向と購入者動向、販売台数は平年比で5%増、購入理由に「特別定額給付金がある」を挙げた割合は20%に

2020.11.02 12:32 更新

 GfK Japanは、家電量販店における2020年のセパレート型エアコン販売動向(全国の家電量販店約4000店の販売実績を集計した調査に基づく)および購入者動向を発表した。その結果、2020年1~9月期のエアコン販売台数は平年(2009年から2019年における各月の販売台数の平均)比で5%増。例年需要のピークを迎える7月は販売不振となるも、全国的に気温の高かった5、6、8月はいずれも平年比で2桁増を記録した。エアコン購入者のうち購入理由に「特別定額給付金がある」を挙げた割合は20%。給付金が夏場の需要を刺激した。「エアコンがない部屋に取付する必要があると思った」を挙げた割合は21%。取付先は寝室と子ども部屋が60%を占める。

 2020年のエアコン販売は、気温の変化や新型コロナウイルスの影響を受け、例年とは異なる大きな変動がみられた。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって緊急事態宣言が発令された4月の販売台数は平年比18%減となった。外出自粛ムードが醸成されたことや、家電量販店の休業および時短営業が影響したとみられる。その後、全国的な気温の上昇をうけ、5月は平年比55%増、6月は同41%増と大幅に拡大し、両月とも過去11年間で最多の販売台数を記録した。特に6月の平均気温は東日本で平年を1.9度、西日本で1.4度上回る観測史上最高値を記録し(「日本の天候の特徴と見通し」気象庁)、需要期である夏場の販売を押し上げた。しかし、梅雨明けが例年より遅れ、7月の販売台数は平年比47%減と大きく落ち込んだ。東・西日本の日照時間が1946年の統計開始以来最も少なく、平均気温も平年を下回ったことが需要減につながったとみられる。本来、7月に需要のピークを迎えるエアコン市場だが、今年7月の販売台数は夏前の5月を下回り、例年と大きく異なる様相をみせた。7月の不調によって需要期の販売水準は押し下げられたものの、8月は東日本で平年を2.1度、西日本で1.7度も上回る過去最高の平均気温となり、台数平年比39%増と急伸した。9月は北日本や東日本を中心に気温が高く、販売台数も平年比23%増となった。結果として、2020年1~9月期では同5%増と、平年を上回る結果となった。

 エアコンの購入理由としては故障・不調による買い替えが最も多い。今年に関しては、エアコン購入を後押しした別の要因として、特別定額給付金も挙げられる。2020年4~7月のエアコン購入者約4500名に対して8月に実施した調査によると、購入理由として「特別定額給付金がある」と回答した割合は20%となった。給付金の支給が進んだとみられる6月の購入者に絞るとこの割合は24%となり、給付金によるエアコン販売への影響が顕著にみてとれた。

 また、購入理由として「エアコンがない部屋にも取付する必要があると思った」を挙げた割合は21%であった。その設置部屋の内訳をみると、「寝室」が31%、「子ども部屋」が29%、「リビング」が28%、その他は「書斎(仕事部屋)」や「ダイニング」等であった。コロナ禍で在宅時間が増えた家庭も少なくない中、今までエアコンが付いていなかった小部屋への設置が後押しされたとみられる。なお、約4割の世帯がエアコンを1台も保有していない北海道・東北地区では、同理由で「リビング」にエアコンを設置したと回答した割合は52%と過半を占めた。

 これから冬に差し掛かり、新型コロナウイルスに加え、インフルエンザの流行も懸念される。今冬は感染予防のため、例年に比べて外出を控える人が多いと考えられ、暖房器具の使用機会が増えそうだ。また、気象庁は10月、例年に比べ気温が低くなりやすいラニーニャ現象が発生しているとみられると発表し、冬にかけてこの現象が続く可能性が高いと指摘している。在宅時間が増加する中で寒冬を迎えれば、暖房需要は大幅に増加するだろう。エアコン普及率の低い北海道・東北地区では特に販売拡大の余地が大きいといえる。暖房能力の高い寒冷地向けモデルの販売をみると、2019年で数量構成比1%と規模は小さいものの、販売台数では16年から2倍と成長が著しい。ラインナップ増加に伴い今後も需要の伸長が期待される中、今冬のエアコン販売動向に注目が集まる。

ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン=https://www.gfk.com/jp/


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