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富士経済、掃除・洗濯、芳香・消臭、キッチン関連の生活用品(トイレタリーグッヅ)の国内市場調査、2020年の家庭用手袋は前年比24.1%増の175億円に

2020.11.19 15:47 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、新型コロナウイルス感染症流行による衣類や家の中の除菌・抗菌や衛生、清掃に対する意識の高まり、また、外出自粛による家庭での調理機会の増加などから拡大している生活用品(トイレタリーグッヅ)の国内市場を調査した。その結果を「トイレタリーグッヅマーケティング要覧 2020 No.1」にまとめた。トピックスとしては、家庭用手袋の2020年国内市場見込(前年比)では、衛生意識の高まり、家庭での調理機会や掃除頻度の増加によりディスポを中心に需要が急増し、175億円(24.1%増)に達するものとみられる。

 この調査は、生活用品の市場調査シリーズ第1弾で、今回はランドリー・ファブリックケア用品8品目、芳香・消臭剤3品目、ハウスホールド用品13品目、クッキング用品9品目、殺虫剤・忌避剤5品目の市場を調査・分析した。

 家庭用手袋は、ビニールやゴム(天然/合成)、ポリエチレン製などで、ドラッグストアなどの一般ルートで流通する家庭向けの商品を対象としている。綿やウール製などの作業用手袋や軍手は対象外としている。家庭用手袋は、2000年以降は炊事や洗濯、掃除などに加え、衛生意識の高まりから介護や清掃、ペットの世話、ガーデニングなどへも使用用途が広がっている。2011年には東日本大震災の復興特需で市場が大幅に拡大し、その後も使用用途の広がりや使用頻度の増加などにより拡大が続いている。近年では機能性に加え、デザイン性や手肌のケアなどを訴求した高付加価値タイプが発売されており、市場は安価なディスポーザブルタイプと二極化している。

 2018年は耐油・耐薬品・耐久性に優れるニトリル製ディスポーザブルタイプが伸びたが、天然ゴム製やビニール製が落ち込み、市場は微減となった。

 2019年は前年に引き続きニトリル製を中心とした極薄のディスポーザブルタイプが伸長、ビニール製が微増に転じたが、10月以降消費税増税による買い控えの影響を受け市場はわずかな拡大にとどまった。2020年は衛生意識や家庭での調理機会、掃除頻度が高まり、ディスポーザブルタイプを中心に需要が急激に増加していることから、市場は大幅に拡大するとみられる。

 衣料用消臭スプレーは、衣類を中心に寝具など布製品の消臭や香り付け、花粉やダニなどのブロックや除去を訴求した商品を対象とする。柔軟仕上剤を中心とした“香りブーム”を契機に香り付け訴求商品が需要を獲得してきたが、2015年頃から“防臭”や“除菌”など、衣料用消臭スプレー本来の機能を訴求した商品にも需要が回帰している。

 2019年は自然な香りや、昨今のオーガニック・ボタニカルブームに乗じて植物由来成分・ボタニカルエッセンスの配合を訴求した新商品「ファブリーズ ナチュリス」(P&Gジャパン)や「リセッシュ除菌EX フレグランス」(花王)が需要を獲得し、市場が拡大した。2020年は新型コロナウイルス感染症の流行から”除菌”や”抗菌”を訴求した商品が、参入各社による外出後の衣類への使用啓発などによって急速に需要を獲得しており、市場は大幅に拡大するとみられる。

 衣料用消臭スプレー市場を消臭や香り付けを主訴求とした商品(衣料用消臭商品)と、花粉やダニなどのブロックや除去を主訴求とした商品(アレルゲン除去商品)に大別してみると、2019年の衣料用消臭商品市場はナチュラル訴求の高付加価値商品が投入されたことから単価がアップし、また、アレルゲン除去商品市場は合成洗剤ブランド「アリエール」(P&Gジャパン)のダニよけ効果を訴求した新商品が注目を集め、ともに横ばいから拡大に転じた。2020年は衣料用消臭商品市場が前年比二桁増、アレルゲン除去商品市場が同1.5倍になるとみられる。

 台所用洗剤は、家庭向けに販売されている食器洗い用途の洗剤を対象とする。市場は1990年代に各社から投入された本体容量300ml未満のコンパクトタイプ(濃縮液体タイプ)が主流となっている。2016年以降はスプレータイプや速乾タイプなど、高付加価値商品の投入が進んだが、特大サイズの詰め替え用へのシフトもあり単価が下落している。その影響を受け、2017年と2018年の市場は縮小した。

 2019年はスプレータイプの商品や、香り・ボトルデザインで高付加価値を訴求した商品が投入されたことで市場は活性化し、拡大に転じた。消費税増税前の駆け込み需要も市場拡大を後押しした。2020年は家庭での調理機会が増加したことで使用頻度が高まり、市場は拡大するとみられる。

 ランドリー・ファブリックケアは市場の7割強を占める合成洗剤と柔軟仕上剤がけん引している。それらの使用率はほぼ上限に達していることから、新しい機能やコンセプトの商品投入によって洗濯する物に応じた使い分け提案が行われており、所持商品数の増加による伸長が期待される。また、2020年は衣料用消臭スプレーや衣料用漂白剤で“除菌”や“抗菌”を訴求した商品の需要が急速に増加している。

 芳香・消臭剤は「ファブリーズ」(P&Gジャパン)の壁・床の消臭・防臭、防カビなどの抗菌機能を訴求した商品のヒットが市場拡大に貢献している。また、デザイン性や香りなどを訴求した商品と無香タイプの併用、または使い分けが需要を取り込んでいる。今後は抗菌などの機能追加、併用や使い分けの積極提案が市場拡大に寄与するとみられる。

 ハウスホールドは家の中の衛生や清掃、除菌に対する意識が高まったことから、2020年は多くの品目が伸びるとみられる。新型コロナウイルス感染症の流行が収束すれば、品目によっては2019年以前の需要規模に戻るが、近年顕在化した“時短”“手軽さ”“効果の持続性”に対するニーズに合致した商品の伸びは続くとみられ、ヘビーな汚れやカビに対してつけ置きすることで直接触れず、こすらず落とせる商品などはバリエーションの拡充も期待される。なお、ティシュペーパーやトイレットペーパーについては価格是正や高単価商品への需要誘導、家庭用手袋については商品供給力が課題となっている。

 クッキングは家庭での調理機会の増加により、2020年はほぼ全ての品目が伸びている。2021年にはその多くは伸びが落ち着くものの、ペーパータオルや食品保存用品は使用シーンが広がっており、伸長を維持するとみられる。また、形状的に洗いにくいものに対応したスプレータイプの台所用洗剤、除菌・抗菌機能を高めた商品が家事負担の軽減などから今後も伸長すると予想される。

 殺虫剤・忌避剤は在宅時間が増えたことで各品目とも害虫駆除のトライアル需要を取り込んでおり、2020年の市場は大幅に拡大するとみられる。

 20歳から69歳の1000名を対象に、新型コロナウイルス感染症流行後の生活や意識、生活用品の使用頻度、購買行動などの変化、今後の生活用品の使用意向などについて、インターネットサーベイを実施した。

 新型コロナに対する感染予防(回答数。N=1000/SA)では、選択肢とした10項目のうち、新型コロナウイルス感染症の感染予防として「重視(やや重視)」の回答が多かった項目は、「手洗い」「マスクをする」「手指消毒」「うがい」「触るものの除菌・消毒」の順である。上位5項目すべてで、ほぼ年齢層が高まるにつれて「重視(やや重視)」の回答が多くなった。また、男性に比べて女性で「重視(やや重視)」の回答が多かった。

 新型コロナ流行後の使用頻度変化(回答数。N=1000/SA)では、選択肢とした生活用品15品目すべてで、「変わらない」の回答が最も多かった。なお、その中で「増加(やや増加)」の回答が多かったのが「住居用クリーナー(使い捨てタイプを含む)」「洗濯用洗剤」「家庭用手袋」「衣料用消臭スプレー」「トイレ用洗浄剤」の順である。

 台所用洗剤の選択要因(回答数。N=974/SA)では、台所用洗剤について、選択肢とした13要因のうち、「重視(やや重視)」の回答が多かったのが「洗浄力」「価格」「抗菌・除菌」「すすぎやすさ、泡切れ」「手肌にやさしい」の順である。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データ
ベースを併用
[調査期間]7月~8月
[アンケート調査]
調査対象:20歳から69歳の1000名(性別・年齢層別に100サンプル×10セル)
調査方法:インターネットサーベイ
調査期間:7月31日~8月1日 [小売価格]
書籍版:15万円
書籍/PDF+データ版セット:18万円
ネットワークパッケージ版:30万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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