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富士経済、菓子類・スープ類など加工食品市場の調査、キャンディ類は2020年見込が2074億円・2021年予測が2137億円、即席みそ汁は同見込が797億円・同予測が797億円に

2020.11.10 18:37 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、新型コロナウイルス感染症の流行によって新しい生活様式が定着し、その変化に応じた提案が求められている加工食品27カテゴリー412品目の市場を6回に分けて調査・分析する。

 このうち、テレワークの導入拡大でオフィスでの間食需要が減少する菓子やスナック菓子、家庭でのストック増がみられるスープ類、災害対策としての備蓄需要も期待できる育児用液体ミルクなど育児用食品の市場を調査した。その結果を「2021年 食品マーケティング便覧 No.1」にまとめた。

 この調査では、菓子31品目、スナック菓子9品目、スープ類13品目、育児用食品4品目の市場の現状を把握し、将来を予測した。その結果、菓子は縮小、スープ類は拡大(2020年見込)した。注目市場では、キャンディ類の2020年市場見込(前年比)が2074億円(5.7%減)、2021年市場予測(前年比)が2137億円(3.0%増)となった。即席みそ汁の2020年市場見込(前年比)が797億円(3.5%増)、2021年市場予測(前年比)が820億円(2.9%増)に達した。

 チョコレート(菓子)は、チョコレート、準チョコレート、チョコレート菓子、準チョコレート菓子などを対象とする。

 2010年代中盤は、健康志向の高まりによるハイカカオ商品の好調などで市場が活性化し、2014年には3000億円を突破した。2018年はハイカカオブームが落ち着いたことで市場は縮小したものの、2019年はチョコレート菓子でロングセラーブランドのテコ入れが図られたことで拡大した。

 2020年は、巣ごもり消費の増加により小分け包装の大容量商品を中心にチョコレート菓子が好調で、板チョコレートも製菓用途として需要が増加している。しかし、ハイカカオ商品の需要減少が続いていることに加え、外出自粛やテレワークの導入拡大によるCVSでの高単価なパーソナル商品や、インバウンド需要を獲得していた抹茶フレーバー商品の需要減少、需要が高まるバレンタインの時期にダイヤモンド・プリンセス号の新型コロナウイルス感染症関連報道が急増し盛り上がりに欠けたことから、市場は前年比3.0%減の3,217億円が見込まれる。

 キャンディ類(菓子)は、ハードキャンディ、ソフトキャンディ、グミキャンディ、キャラメル、口中清涼菓子を対象とする。

 2013年以降、グミキャンディや口中清涼菓子でオフィスシーンでの間食やリフレッシュなど、大人の需要を獲得したことで市場は拡大を続けてきた。

 2020年は、テレワークの導入拡大などで喫食シーンのメインであるオフィス需要が減少し、前年比5.7%減の2074億円が見込まれる。特に高い伸びが続いていた口中清涼菓子は在宅時間の増加によってエチケットとしての需要が減少したことから前年比二桁減になるとみられる。

 2020年は大容量タイプや免疫効果が期待される商品などの需要が増加しており、2021年以降も伸びるとみられるが、テレワークへのシフトも継続的に進むことでオフィス需要は緩やかながら減少していき、長期的には市場縮小が予想される。

 ポテトチップス(スナック菓子)は、2014年に1000億円を突破して以降、2016年、2017年と原料となるジャガイモの不作によって縮小したものの、値ごろ感もあり市場は拡大している。

 2020年は、在宅時間の増加により喫食機会が増えたことに加え、コロナ禍でのストック需要を取り込んだ。外出自粛が進んだ3月頃から売上げを大きく伸ばした商品もあったが、緊急事態宣言の解除後はその反動もみられ、通年では前年比1.4%増の1123億円が見込まれる。スナック菓子の中でも幅広いフレーバーと値ごろ感が支持されており、今後も底堅い需要が予想される。

 インスタントスープ(スープ類)は、個食化の進展やそれに伴う商品ラインアップの広がり、需要が低迷する夏季の冷製スープの提案による需要創出などによって2010年代は拡大を続けてきたが、2018年、2019年は最需要期である冬が暖冬だった影響で縮小した。

 2020年は、緊急事態宣言を受け、家庭でのストック需要を獲得した。また、小中高等学校の休校やテレワークの増加によって家庭での消費が増えたことに加え、スープとして喫食する以外にもホームページなどに掲載されたレシピを参考にパスタソースやシチューなどに使用するユーザーも増えたことから市場は前年比3.7%増の907億円が見込まれる。

 今後も需要は冬季の天候に左右されるものの、上位メーカーが生産体制を強化し拡販に注力していることから、緩やかに市場は拡大していくとみられる。

 即席みそ汁(スープ類)は、単身世帯や高齢化世帯の増加など一世帯当たりの人数減少によって、フリーズドライやカップ入り商品を中心に需要獲得が進み市場は拡大を続けている。

 2020年は、単身世帯の需要は堅調だが、小中高等学校の休校やテレワークに伴う家庭での食事回数の増加によって、生みそを使用したみそ汁の調理機会が増加しており、例年と比較し市場の伸びは落ち着き、前年比3.5%増が見込まれる。

 フリーズドライみそ汁は需要の増加に加え、メーカーも収益性の高さから生産体制を強化する動きもみられ、市場は拡大が続くとみられる。

 2020年見込では、菓子は、買い物時間や買い物頻度を少なくするために、ビスケット・クッキーやチョコレート菓子などでロングセラー商品の徳用サイズの人気が高まっている。また、在宅時間の増加などから家庭での手作り頻度が増加し、製菓材料用途でチョコレートやドライフルーツの需要増加がみられる。一方、CVSを主体としたパーソナル商品は苦戦している。これまでオフィス需要を取り込んでいたキャンディ類やガムが、テレワークの導入拡大などによって喫食機会が減少している影響も大きく、全体としても縮小するとみられる。

 スナック菓子はポテトチップスが全体をけん引しているほか、健康的な素材に注目が集まっていることで野菜・その他スナックが好調である。しかし、外出自粛によって携帯性に優れたカップ入りスナックが苦戦し、土産需要を獲得してきたエリア限定商品も不振なことから、全体としてはほぼ横ばいが予想される。

 スープ類はインスタントスープ、即席みそ汁を中心に家庭でのストック需要を獲得している。インスタントスープの中ではカップ入りスープがシニア層など需要の広がりがみられ好調である。一方、即席みそ汁は生みそを使用したみそ汁の調理機会が増えたことで伸びは鈍化するとみられる。今後については、フリーズドライを中心に、上位メーカーが製造ラインの増強や拡販に積極的なことから好調な推移が期待される。

 育児用食品では、外出自粛の影響からベビーフード菓子や液体飲料、カップ容器入りのベビーフードが苦戦している。2019年に市場が形成された育児用液体ミルクは、哺乳瓶に移し替えずに容器に取り付けることでそのまま飲用できる専用アタッチメントが展開されたことで、災害備蓄需要も獲得している。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]7月~9月
[小売価格]
書籍版:10万円
書籍/PDF+データ版セット:14万円
ネットワークパッケージ版:20万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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