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富士経済、量販店・ドラッグストア・CVSなどでの中食・惣菜の国内市場調査、2023年市場予測では量販店が2兆3260億円・ドラッグストアが192億円

2020.10.19 16:53 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、共働き世帯や単身・高齢者世帯の増加といった社会構造の変化による家庭での調理機会減少を背景に需要を獲得している中食・惣菜の国内市場を調査した。その結果を「中食・惣菜市場のメニュー×チャネル徹底調査 2020」にまとめた。トピックスとして、2023年市場予測(2019年比)では、ターゲットを明確にした商品の販売を強化、顧客獲得を図り市場拡大する量販店が2兆3260億円(5.0%増)に、惣菜導入店舗の増加によって、量販店やCVSなどから需要を獲得するドラッグストアが192億円(65.5%増)に達すると見込まれる。中食・惣菜市場全体では6兆1371億円(0.4%減)と新型コロナウイルス感染症の流行によって2020年は落ち込むが、デリバリーなど新たなサービスが広がり回復へ向かうものとみられる。

 この調査では、量販店、CVS、弁当・惣菜店、テイクアウトずし店、おにぎり専門店、百貨店、駅ナカ・駅ビル、ドラッグストアといったチャネルを対象に中食・惣菜市場を調査し、弁当類、米飯類、麺類、ホットデリカ、スナック類、コールドデリカ、サンドイッチ・調理パンといったメニューカテゴリー別の分析などを加え、今後を予想した。

 量販店(小売ベース)は、食料品・衣料品・住関連を揃えた総合スーパーのほか、食料品専門スーパーを対象とする。

 2019年の市場は、弁当や丼ものなどの弁当類が単身者や有職主婦の需要を獲得し好調だったほか、から揚げやコロッケなどのホットデリカも堅調に伸び拡大した。また、きんぴら煮やひじき煮などのコールドデリカがシニア層の需要を獲得したことや、10月の消費税増税による消費者の外食控えや節約志向の高まりも市場の拡大に寄与した。2020年の市場は、3月から5月にかけて在宅時間が長くなったことで家庭での調理機会が増えたことから生鮮食品や日配へ需要が流出した。また、量販店各社は営業時間を短縮したほか、ホットデリカのバイキング形式販売の中止や、夕方から夜時間帯の販売を控えた。しかし、家飲みを想定したおつまみメニューの提案や個食からファミリー向けまでそれぞれに対応する容量パックの展開などが奏功し、市場は拡大するとみられる。2021年以降は、社会状況や生活環境を踏まえ、ターゲットを明確にした商品の販売を強化することで需要を獲得し、市場は拡大していくと予想される。

 ドラッグストア(小売ベース)は、医薬品やヘルスケア・美容関連商品、化粧品などを取り扱うセルフサービス方式の店舗を対象とする。

 ドラッグストアは、一部の上位チェーンを中心に商品の拡充が行われ、中食・惣菜の購入チャネルとして認知度が高まっており、市場が拡大している。また、医薬品や化粧品、トイレタリー用品とともにワンストップで購入できる点が支持されている。2020年の市場は、新型コロナウイルス感染症の流行で家庭での調理機会が増え、乾パスタや即席めん、調味料などの内食材料へ需要が流出しているものの、新規出店が続いており拡大するとみられる。現状は、おにぎりなどの米飯類を主体に販売するチェーンが多いが、今後は中食・惣菜を販売する店舗が増え量販店やCVSなどから需要を獲得していくとみられ、市場の拡大が続くと予想される。

 CVS(小売ベース)は、弁当類・惣菜、カウンターファストフード(カウンターFF)を対象とする。

 2019年の市場は、上位企業がいずれも伸びたため拡大した。2020年の市場は、新型コロナウイルス感染症の流行による外出自粛によって繁華街や駅前、オフィス街の需要が大幅に減少した。緊急事態宣言解除後は徐々に需要は回復しているものの、おにぎりなどの米飯類やサンドイッチ・調理パンなど通勤・通学時の購入を中心とするメニューは苦戦している。また、7月の天候不順によって冷やしメニューを中心とした麺類の需要が減少しており、市場は縮小するとみられる。新型コロナウイルス感染症の流行で来店客数が減少していることから、2021年以降は来店客数の回復に向け、短い時間で買い物を終わらせたいなどの需要を他のチャネルから獲得していくとみられる。

 駅ナカ・駅ビル(小売ベース)は、駅構内・駅に隣接した施設や駅と一体となった施設内の中食・惣菜店を対象とする。

 市場は、鉄道利用者数の影響を受ける。2019年までは新幹線を主体とした長距離の利用者増加を背景に、新規開店や既存店のリニューアルなどを行ったことがプラスとなり市場は拡大してきた。2020年は、新型コロナウイルス感染症の流行によって鉄道利用者数が減少に転じ、特に、これまで増加していた新幹線の利用者は緊急事態宣言が発出されて大幅に減少した。また、テレワークの増加によって在来線利用者が減少したことも影響し、市場は大幅に縮小するとみられる。今後は、郊外駅の店舗を中心にデイリーユースに対応したメニューの強化やターミナル駅では弁当の予約販売の実施などの動きが活発化していくとみられる。

 国内中食・惣菜市場(小売ベース)は、中食・惣菜市場は、共働き世帯や単身者の増加による家庭での調理機会減少を背景とした内食からの需要流入、消費者の節約志向の高まりによる外食からの需要シフトなどにより拡大してきた。しかし、2020年は新型コロナウイルス感染症の流行により消費者の在宅率が高まり、家庭での調理機会が増加していることで内食に需要を奪われている。また、内食との競合以外に、外食店がテイクアウトやデリバリーサービスを開始したことから、外食へ需要が流出しており、市場は縮小するとみられる。2021年以降は、CVSや駅ナカ・駅ビル、弁当・惣菜店の回復が期待される。中でも、弁当・惣菜店ではモバイルオーダーシステムやデリバリーの導入など、新たなサービスが広がっている。

 チャネル別にみると、量販店とCVSが市場をけん引している。近年は、CVSが各チャネルから需要を獲得し伸長してきたが、2020年は新型コロナウイルス感染症の流行によりオフィス街や駅前立地の売上が低迷しており、ラインアップが豊富で価格訴求力のある量販店に需要がシフトしている。弁当・惣菜店やテイクアウトずし店は、2020年は、百貨店や駅ナカ・駅ビルなどの都心部や主要ターミナル駅に出店している店舗では人通りの減少により大きく需要が落ち込んでいる。一方、住宅街の店舗や郊外の百貨店などについては影響が小さく、特に住宅街の店舗は売上を伸ばしている。ドラッグストアは中食・惣菜自体の取り扱いが少ないものの、ワンストップショッピングという点で日用品やグロサリーの購入とともに中食・惣菜をついで買いできるという利便性が支持され、主に量販店からの需要を獲得し、二桁の伸長が続いている。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]6月~8月
[小売価格]
書籍版:15万円
PDF+データ版:16万円
書籍/PDF+データ版セット:18万円
ネットワークパッケージ版:30万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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