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富士経済、体調・免疫サポート食品およびサービスの国内市場調査、2020年の市場見込は2019年比5.2%増の8823億円に

2020.10.06 19:00 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景に体調管理や免疫力を高める消費者意識の向上によって注目される体調・免疫サポート食品およびサービスの国内市場を調査・分析した。その結果を「体調・免疫サポート市場の最新動向調査 2020」にまとめた。トピックスとして、2020年見込(2019年比)では、消費者の体調管理・免疫対策への意識が高まったことなどから市場が拡大した体調・免疫サポート食品の国内市場が、8823億円(5.2%増)と予測する。メディアやSNSなどで免疫力向上に対する有用性が取り上げられ、需要が急増したビタミンD訴求食品市場は、50億円(2.6倍)と予測した。

 この調査では、体調管理や免疫力向上に関連する成分や素材を配合した体調・免疫サポート食品を基礎栄養、腸内環境、伝統素材、発酵食品に分類し、市場動向を捉えると共に、栄養摂取検査サービス、腸内環境検査サービスなど体調・免疫サポートサービスの市場実態を明らかにした。また、体調管理・免疫対策に関する意識変化を把握するため、消費者アンケート調査を実施した。

 2020年の体調・免疫サポート食品の国内市場場は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景に消費者の体調管理・免疫対策への意識が高まったほか、成分や素材の免疫機能に関するメディア報道の増加を追い風に、特に基礎栄養や腸内環境、発酵食品が伸長し、2019年比5.2%増の8,823億円が見込まれる。

 基礎栄養は2017年以降市場が縮小していたものの、2019年はインバウンド需要を追い風にビタミン・ミネラル複合訴求食品が好調で、拡大に転じた。2020年はインバウンド需要が減退するものの、新型コロナウイルス感染症の影響から免疫対策需要が増加し、ビタミンDやタンパク質訴求食品が大幅に伸長するとみられ、2019年比2.3%増の2,222億円が見込まれる。

 腸内環境は2015年から2016年にかけて、腸内フローラがメディアで取り上げられる機会が増加したことで消費者の腸内環境改善に対する意識が高まり、市場は拡大した。2017年以降市場は落ち着いたものの、2020年は乳酸菌を中心に免疫力向上機能が注目されたことで再び需要が増加し、市場は2019年比6.9%増の4193億円が見込まれる。

 伝統素材は免疫賦活作用のイメージが定着しており、2020年はマヌカハニーなどが免疫対策需要を取り込み伸長しているものの、ダイエットイメージの強い大麦などの苦戦が影響し、市場は縮小が予想される。

 発酵食品は腸内フローラなど腸内環境改善に関する情報の広がりとともに需要が増加してきた。2020年は免疫力を高める食品としてメディアへの露出が増加した納豆やキムチなどが伸長し、市場は2019年比6.5%増の2106億円が見込まれる。

 ビタミンD訴求食品(体調・免疫サポート食品)では、ビタミンDは日光に当たることによって皮膚で合成されるという特性を持つ。しかし、近年は日焼け止めの使用や熱中症対策によって女性や高齢者を中心に日光浴不足からビタミンD不足が指摘されており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大後は外出自粛によって日光浴の機会がさらに減少したことで、消費者の危機感が強まっている。2020年はメディアやSNSなどでビタミンDの免疫力向上に対する有用性が取り上げられ、サプリメントの需要が増加した。また、ヤクルト本社が「ジョア 1日分のカルシウム&ビタミンD」を発売したことで市場は拡大し、2019年比2.6倍の50億円が見込まれる。

 マヌカハニー(体調・免疫サポート食品)はニュージーランドに原生するマヌカ樹木から採取されるはちみつであり、高い抗菌作用が注目されている。ここではマヌカハニー(はちみつ)とマヌカハニー訴求食品を対象としている。はちみつが市場の大半を占め、商品認知度の向上に伴い通販チャネルを主体に需要を取り込み、2015年以降二桁伸長が続いている。2020年はメディアで抗菌作用の高さが取り上げられたことから、はちみつのみならずのど飴などでも免疫対策需要を獲得し、市場は2019年比18.6%増の51億円が見込まれる。今後もリピーター需要を中心に、市場拡大が予想される。

 納豆(体調・免疫サポート食品)は健康志向から購買する消費者が年々増加し、市場が拡大してきた。2019年は前年まで続いていた納豆ブームが落ち着いたことから伸びが鈍化したものの、2020年は納豆菌の免疫力向上作用がメディアで紹介されたことから、新型コロナウイルス対策への期待感が高まり需要が急増し、2019年比4.9%増の1335億円が見込まれる。

 栄養摂取検査サービス(体調・免疫サポートサービス)は、尿検査、遺伝子検査、血液検査や、生体センサーなどを内蔵した機器による診断、健康管理アプリに紐づいたサプリメント販売サービスを対象とする。2017年にユカシカドが尿検査の結果に応じて最適なサプリメントを提供するサービス「VitaNoteFOR」を開始し、本格的に市場が立ち上がった。血液検査や遺伝子検査によるサービスは以前から存在していたものの消費者への浸透はあまり進んでいない。尿検査は手間などの負担が少なく検査時点での健康状態が分析できるため需要が高まっている。2015年から2017年にかけて参入が増加し、2018年、2019年は順調に利用者数が増えたことで市場は拡大した。2020年はファンケルが尿検査の結果に応じたパーソナルサプリメントの販売を開始したことなどからさらに注目され、2019年比33.3%増の4億円が見込まれる。

 消費者アンケート調査(n=3万/複数回答)における免疫力向上に良さそうなイメージのある行動としては、回答者の8割以上が「十分な睡眠」、6割以上が「運動」「発酵食品の摂取」、5割以上が「野菜の摂取」を挙げた。そのほか、「フルーツの摂取」やナッツ、種実などの「栄養価の高い素材食品の摂取」を挙げる回答者も3割以上みられた。消費者が持つ免疫力向上に良さそうな行動としては、健康成分を添加・強化した健康飲料やサプリメントの摂取よりも、健康維持・増進の基本となる運動や睡眠、自然の野菜や発酵食品の摂取が高い傾向となった。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]6月~7月
[消費者アンケート調査]
調査対象:20歳以上の男女3万名
調査方法:インターネット調査
調査期間:7月10日~13日
[小売価格]
書籍版:15万円
PDF+データ版:16万円
書籍/PDF+データ版セット:18万円
ネットワークパッケージ版:30万円
(すべて税別)

富士経済=http://www.fuji-keizai.co.jp/


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