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矢野経済研究所、国内の飲料受託製造市場に関する調査、2018年度は前年度比102.0%の5870億円と拡大するも2019年度は同97.3%の5710億円と縮小に

2020.10.14 18:26 更新

 矢野経済研究所は、国内の清涼飲料の受託製造市場を調査し、エリア別、製品カテゴリー別の動向、参入企業動向、将来展望等を明らかにした。その結果、ブランドオーナーの継続的な設備投資が続く中、新型コロナウイルスで飲料受託製造企業(パッカー)市場はさらなる苦境に直面。市場の流れをつかみ、自社の強みを前面に出した明確な訴求が必要不可欠であると示唆した。

 飲料受託製造市場規模は受託製造事業者売上高ベースで、2018年度が前年度比102.0%の5870億円と拡大し、2019年度は同97.3%の5710億円と縮小した。

 2018年度は記録的な猛暑で飲料市場自体が拡大したこともあり、飲料受託製造企業(以下、パッカー)の受託売上も拡大したが、パッカーも工場がフル稼働していたため、飲料メーカー(ブランドオーナー)からの追加要請に応えられない部分もあった。反対に2019年度は飲料市場が5年振りに縮小したことが影響した。

 飲料市場の増減の調整弁的な役割を強いられる受託製造市場は、飲料市場が横ばい又は縮小した際には縮小する可能性が高く、飲料市場の拡大・縮小はパッカー自体の売上げに大きく影響してくるのが実情である。2020年度は新型コロナウイルス感染症による外出自粛や行動制限で、実際に飲料市場の平均以上の売上落ち込みを見せているパッカーが多く存在する。

 新型コロナウイルス感染症が拡大し、飲料市場が低迷していることで受託製造市場への影響も大きい。感染が拡大し2020年4月に緊急事態宣言が発出されたことで、ブランドオーナーからの受託がキャンセルされるなどし、生産が計画から大幅に落ち込み、中には生産ラインを一時休止したパッカーも見られた。6月から7月前半は受注が回復してきたもの、冷夏の影響や感染者の再拡大などで再び生産調整なども入り、本来であればフル稼働状態となる夏場のラインに一部空きが生じるなどパッカーへの影響は大きかった。8月以降は猛暑で若干の回復傾向を示したものの、依然として状況は厳しい。

 コロナ禍でプロモーションが十分にできないため、新商品の販売効果が薄いと判断したブランドオーナーが、例年以上に内製化率の高い基幹ブランドへの注力度合いを高めることで販売を確保しようとする動きの中で、パッカーへのしわ寄せが大きくなるという、飲料受託製造市場の弱点が如実に表れる結果となった。

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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