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[アニバーサリー特集]「キリン 午後の紅茶」が発売30年目で大幅リニューアル、日本の国民的飲料を目指して新たなステージへ

2015.04.10 16:27 更新

 日本初のペットボトル入り紅茶飲料として1986年に誕生した「キリン 午後の紅茶」(以下、「午後の紅茶」)が、2015年に発売30年目を迎えた。“日本にもアフタヌーンティーの習慣を根付かせたい”という想いのもと、発売以来、常に日本の紅茶市場をリードし続けきた「午後の紅茶」は、今やペットボトル入り紅茶飲料のトップブランドとして不動の人気を獲得している。そして今年、発売30年目の節目に合わせて大幅なリニューアルを実施。より香り豊かな味わいの“茶葉の香りの味”がする本格アイスティーへと進化した。紅茶の飲用シーンをさらに拡大し、日本で最も飲まれる飲料にするべく、新たなステージに向かう「午後の紅茶」の取り組みを紹介する。

 いつでも手軽に飲めるペットボトル入り紅茶飲料として、“午後ティー”の愛称と共に多くの人に親しまれている「午後の紅茶」。しかし、「午後の紅茶」が誕生する以前の日本には、ペットボトル入りの紅茶飲料は存在せず、紅茶を飲む時にはティーバッグを使うのが一般的だった。そのため、紅茶の飲用シーンも非常に限られたものになっていたという。もちろん、缶入りや紙容器入りの紅茶飲料はあったものの、本格的な紅茶とはいえない味わいで、売れ行きもイマイチだったのだとか。

 「こうした市場環境の中で、本当においしい、リーフティーの本格紅茶を、手軽に楽んでもらうためにはどうすればよいのか。さらには、紅茶のある豊かな暮らしをもっと身近なものにできないかと考え、日本初のペットボトル入り紅茶飲料の開発がスタートした」と、「午後の紅茶」の開発経緯を語るのは、キリンビバレッジ マーケティング本部 マーケティング部 商品担当の田代義法主任。「今ではペットボトル入りの紅茶飲料は当たり前で、作るのも簡単と思われがちだが、実は、開発にあたっては大きな課題を克服する必要があった。それは、温かい紅茶を冷やすと、液色が白く濁ってしまう『クリームダウン現象』が生じることである」と、開発は一筋縄ではいかなかったと話す。

 紅茶には、独特の色や渋み、コクを出す成分としてカテキンが含まれているが、このカテキンは冷えると濁りができる性質があるという。これが「クリームダウン現象」の原因で、ペットボトルに入れるために紅茶を冷やそうとすると、どうしても液色が濁ってしまうことになる。中身が見えない缶入りや紙容器入りの商品ならばまだしも、透明のペットボトルに濁った紅茶を入れた飲料を商品化するのは許されることではなかった。

 そこで、キリンビバレッジでは、冷やしても透き通って美しい紅茶本来の色を再現するべく、茶葉の選定から、抽出や製造方法などまで、あらゆる工程で試験を行い、何度も試行錯誤を繰り返したという。そして、ついに「クリームダウン現象」を克服する画期的な新技術「クリアアイスティー製法」を開発。これによって、冷やしても濁らず、液色がクリアなまま、ペットボトル入りの本格紅茶飲料を商品化することが可能になったのである。「商品化にあたっては、紅茶の本場イギリスの“アフタヌーンティー”の習慣を日本にも根付かせたいという想いを込めて、ブランド名を『午後の紅茶』と命名。1986年に初代商品『キリン 午後の紅茶ストレートティー』(1.5L)をリリースした」と、田代主任はネーミングの由来についても教えてくれた。

 日本初のペットボトル入り紅茶飲料として華々しくデビューした「午後の紅茶」は、瞬く間に人気を集め、ブーム的な盛り上がりを見せる。これはすなわち、日常生活の中で紅茶を楽しむ習慣が日本に浸透し始めた瞬間であったといえるだろう。1996年には、持ち運びがしやすい500mLサイズのペットボトルが解禁となり、その勢いにさらに拍車がかかる。プロモーション展開としても、1995年から歌手・女優の小泉今日子さんをイメージキャラクターに起用したプレゼントキャンペーンを実施。とくに、プレゼント賞品の「コイズミトランク」は各方面で大きな話題となり、「午後の紅茶」ブランドが全国の消費者に広く浸透するきっかけとなった。

 ここまで、順風満帆に成長を続けてきた「午後の紅茶」だが、2000年前後になると紅茶市場全体に逆風が吹き始める。緑茶を中心にした“無糖茶ブーム”が到来したのだ。「健康志向の高まりにともない、無糖茶飲料が人気を集めるようになった。これにともない、紅茶飲料は、甘くてカロリーが高く、ヘルシーではない飲み物というポジションに位置づけられるようになってしまった。販売量も年々落ち込み、非常に苦しい状況であった」と、“無糖茶ブーム”の裏側で、「午後の紅茶」は最大の危機に直面していたと振り返る。

 こうした状況を打破するべく、キリンビバレッジでは、「午後の紅茶」のヘルシーさを全面に打ち出したプロモーションを展開。「ストレートティーは低カロリー、レモンティーは無着色、ミルクティーは低脂肪というヘルシーイメージを訴えた」という。さらに、フレッシュで健康的なイメージで人気を集めていた歌手の松浦亜弥さんを新イメージキャラクターに起用し、「午後の紅茶」をゴクゴク飲むTV-CMをオンエア。「このプロモーション展開がきっかけとなって、より生活に密着した飲み物として紅茶飲料が再認識された。これを転機に、『午後の紅茶』もV字回復を遂げ、近年では5年連続で過去最高の販売数量を更新している」と、大きな苦境を乗り越えて30年目を迎えることができたのだと、田代主任は目を細めていた。

 「午後の紅茶」が好調に販売を伸ばしている一方で、日本の紅茶市場全体は微減傾向が続いているのが実状だ。「ペットボトル入り紅茶飲料のトップブランドである『午後の紅茶』は、紅茶市場全体の活性化をけん引していく使命があると自負している。発売30年目を迎え、これからの『午後の紅茶』は、紅茶をさらに身近な飲み物にするために力を注いでいく」と、田代主任は、発売30年目を機に「午後の紅茶」のブランド展開が新たなステージに入ったことを強調する。

 その一環として、今年3月には、「午後の紅茶」としては初となる大幅リニューアルを実施した。今回のリニューアルでは、茶葉を輸入してから国内でカットする「フレッシュカット茶葉」を使用。淹れたての紅茶を急速に冷凍することでおいしさを封じ込め、より香り豊かな味わいの“茶葉の香りの味”がする本格アイスティーへと進化した。さらに、このリニューアルに合わせて、イメージキャラクターも一新。女優の早見あかりさん、歌手の大原櫻子さん、モデルの李葉さんというフレッシュな女性タレントを起用し、TV-CMや宣伝広告、試飲イベント(神奈川、広島、大阪、札幌)などを通じて、新たに生まれ変わった「午後の紅茶」の魅力を印象的に伝えていく考えだ。

   


 また、紅茶飲料のカテゴリー拡大も推進していくという。例えば、無糖茶カテゴリーに向けては「午後の紅茶 おいしい無糖」、コーヒーカテゴリーに向けては「午後の紅茶 エスプレッソティー」をリニューアルして投入。さらに、果汁飲料カテゴリーに向けては、4月28日にフレーバーティーの新シリーズ「午後の紅茶 こだわり素材のピーチティー」をリリースする。同品は、ペットボトル入り紅茶飲料で日本初となるカフェインゼロ、カロリーゼロを実現しており、フレーバーティーの新たなヘルシー価値を提案するとのこと。

 この他、発売30年目の取り組みとして、主力工場であるキリンビバレッジ湘南工場の見学施設を、「午後の紅茶」ツアーにリニューアルし、4月1日から一般を対象とした見学の受け入れを開始した。この見学ツアーでは、“「午後の紅茶」のおいしさの秘密を探ろう!”をテーマに、キリンビバレッジ特別調査委員会の調査委員として、ツアーに参加してもらうという。「見学ツアーを通じて、『午後の紅茶』のおいしさの秘密を体感してもらうと共に、当社のものづくりへのこだわり、安全・安心な品質管理を伝えることで、紅茶飲料への理解をさらに深めていきたい」としている。

 さらに、発売30年目の大きなエポックとして見逃せないのが、5月5日が「午後の紅茶の日」として正式に記念日認定されたこと。3月29日に神奈川・グランツリー武蔵小杉で行われた記念日登録証の授与式に出席したキリンビバレッジの佐藤章社長は、「世界で最も飲まれている飲料は紅茶だが、日本では、紅茶はナンバーワンの飲料にはなっていない。しかし、日本には、様々なシーンで紅茶飲料の潜在ニーズが眠っていると確信している。この記念日認定をきっかけに、コーヒーや緑茶と並ぶ国民的飲料として、紅茶を日本で最も飲まれる飲料へと引き上げたい」と、紅茶飲料の潜在ニーズを積極的に開拓していくと意欲を見せていた。

 “日本の国民的飲料を目指す”という新たな使命のもと、発売30年目を迎えた「午後の紅茶」は、日本にどんな紅茶ムーブメントを巻き起こしてくれるのか。今後の取り組みにも注目していきたい。

キリン=http://www.kirin.co.jp/
午後の紅茶ブランドサイト=http://www.kirin.co.jp/products/softdrink/gogo/



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