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[アニバーサリー特集]サカタのタネ、革新的な花と野菜の種で世界に躍進、100周年記念品種も続々発表

2013.05.15 15:49 更新

 「坂田農園」として創業して以来、花と野菜の優良品種の開発に一貫して取り組んでいるサカタのタネ。2013年7月に創業100周年を迎える同社 は、現在、花の種で120?130品目1200?1300品種、野菜の種で約40品目400品種にも及ぶラインナップを揃えている。そして、一般消費者向 けには「実咲シリーズ」として、約1000品種の花と野菜の種を販売展開している。

 また、同社は、国内にとどまらず、海外19ヵ国に ネットワークを構築し、営業拠点はもとより、研究農場や研究施設を設置するなど、世界各地で様々な品種の研究開発に力を注いでいる。「もともと当社は、欧 米向けに苗木の輸出を行うことから事業がスタートした。種苗業界では、創業100周年という歴史はけして長いものではなく、100年以上続いている老舗企 業もいくつかある。しかし、海外への販売をメインに創業した種苗企業は数少ない」と、創業当初から世界を相手にビジネスをしてきたと話すのは、サカタのタ ネの清水俊英 広報宣伝部長。「その中で、種苗企業としての“サカタのタネ”の名を世界に知らしめたのが、完全八重咲きのオールダブルペチュニア『ビクトリアス ミックス』だ」と力を込める。

 当時、ペチュニアには、一重咲きと八重咲きのものがあり、100%八重咲きになるものはなかったという。そこで、同社では、完全八 重咲きのペチュ ニアを 目指して開発を進め、ついにオールダブルペチュニア「ビクトリアス ミックス」を完成させた。この品種は、世界初の完全八重咲きペチュニアとして、1934年に「オール アメリカ セレクションズ」で銀賞を受賞。世界各国から注文が殺到し、一時は末端価格で金の20倍の超高値で取り引きされたこともあったのだとか。

  完全八重咲きを実現したオールダブルペチュニアの開発成功によって、一躍、世界のひのき舞台に躍り出たサカタのタネだが、「花の種に大きな注目が集まり、 野菜の種については認知度を得られずにいた」と清水広報宣伝部長は話す。この状況を打破するべく、1962年に発表されたのが「プリンス」メロンだ。「当 時、日本では、メロンといえば“ネットがある”高級なものが主流で、一般の消費者はなかなか手に取ることができなかった。そこで、おいしく手ごろなメロン を 1人でも多くの人に味わってもらいたいとの想いから、試行錯誤を重ねた末に『プリンス』メロンが誕生した。この品種によって、幅広い人が手ごろな価格でメ ロンのおいしさを味わえるようになった」と、清水広報宣伝部長は胸を張る。ちなみに、同社は後にネットメロンの新品種「アンデス」もリリース。こちら もロングセラーとなり、今や日本の大衆メロンの代表品種となっている。

 「プリンス」メロンに続く、野菜のヒット品種が1971年に発売 したスイートコーン「ハニーバンタム」。それまでのトウモロコシは、甘みがすぐになくなってしまうのが一般的だったが、「ハニーバンタム」は甘みが強い上 に、収穫から数日経っても、その甘みが持続するのが特徴。当時は、トウモロコシの革命児とも呼ばれ、人気を博した。

 

  このほかに、サカタ のタネでは、ブランド名は認知されていなくても世界中に広がっている品種を複数もっている。その中の一つがホウレンソウ。とくに、1972年に発表された 「アトラス」は、ホウレンソウの重要病害である“べと病”に対する抵抗性をもたせた画期的な品種で、殺菌剤なしで無病のホウレンソウが収穫できるという。 そして、同社が世界中でもっとも多くの種を販売しているのがブロッコリー。世界シェアで50%以上を占める(同社調べ)。

 また、花の種では、トルコギキョ ウが世界シェアで70%(同社調べ)を誇る。同社では、それまで鉢物需要が中心だったトルコギキョウを、切り花を代表する花へと進化させ、その普及に大き く貢献している。

  さて、2013年7月に創業100周年を迎えるにあたって、同社では今年3月に、100周年を記念するロゴマークを制 定するとともに、新たなグループスローガンとして「PASSION in Seed」を掲げている。「このグループスローガンには、創業から続く『品質・誠実・奉仕』という社是をベースに、新しいサカタのタネを体現する言葉とし て、“私たちのつくり出すタネは100年にわたる情熱の結晶”という意味を込めた。さらに、『PASSION』の7文字には、それぞれPeople= 人々、Ambition=野心、Sincerity=誠意、Smile=笑顔、Innovation=革新、Optimism=プラス思考、Never give up=不屈の精神という思いが表現されている」と、清水広報宣伝部長は新たなグループスローガンのもつ意味を説明してくれた。

 

  そして、この記念ロゴマークとグループスローガンの発表を機に、同社は「100周年記念品種」を続々リリースしている。まず、4月2日に、国内では民間初 となる「単為結果性」の大玉トマト「パルト」を発表。単為結果とは、受粉・受精が行われなくても果実ができる性質のことで、ホルモン処理やマルハナバチを 使った交配作業が不要なため通常のトマト栽培に比べ労力やコストを大幅に軽減できるという。続けて、4月16日には、おいしさを追求したミニトマトの新品 種「キャロルパッション」を発表。酸味と甘みのバランスがよく、果皮は薄く果肉が厚いため食味に優れているほか、現在の丸玉系ミニトマトにはない、斑点病 への抵抗性をもっている点が特徴だ。

 

  さらに、5月17日に、ブロッコリーの新品種「グリーンキャノン」をリリース。近年、被害が深刻化 している根こぶ病に耐病性をもつ品種で、10数年の歳月をかけて開発したという。凸凹のないきれいなドーム形になるので、根こぶ病耐病性品種でありながら 高品質な青果を収穫できる。10月9日には、トルコギキョウの新シリーズ「フルフル」2品種(バイオレット、ローズ)を発表。極小輪では世界初となるバラ 咲き品種で、バラと見まがう花径約4cmの極小輪の花を咲かせるとのこと。「来年に向けて、記念品種のラインナップを順次増やしていく予定なので、今後の 展開にも期待して欲しい」と清水広報宣伝部長。創業100周年にふさわしい新品種が、まだまだ登場してきそうだ。

  また、サカタのタネ は、これからの100年を見据えて、環境問題の取り組みにも力を注いでいる。その一環として開発したのが、美しくて環境にもよい環境浄化植物「サンパチェ ンス」だ。同品種は、従来品種に比べて高い二酸化窒素(NO2)やホルムアルデヒド(HCHO)を浄化する能力、二酸化炭素を吸収する能力をもち、さらに 裸地に打ち水する場合に比べ、効果的かつ持続的に温度を下げる打ち水効果があることが実証されているという。同社では、「サンパチェンス」のコンテストを 開催するなど、“一家に一鉢”を目指し、積極的に普及活動を推進している。

 なお、同社では、創業100周年を記念した特別サイトを6 月 1日にオープン。「これまでの100年、これからの100年」をコンセプトに、100年の歴史を振り返る年表とともに、野菜と花の代表的な品目について、 わかりやすく紹介している。さらに、次の100年に向けたメッセージやビジョンなどを、今後このサイトを通じて消費者に伝えていく予定だ。サカタのタネ は、次の100年でどんな花や野菜を私たちに届けてくれるのか、これからの取り組みにも目が離せない。

サカタのタネ=http://www.sakataseed.co.jp/
100周年記念サイト=http://www.sakata100th.jp/


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