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ナイキ、フットボール スパイクの「ナイキ エア ズーム マーキュリアル」を発表

2020.02.13 10:21 更新

 ナイキは、フットボール スパイクのナイキ エア ズーム マーキュリアルを披露した。連結されたフルレングスのズームエアバッグをソール全面に搭載し、これまでにない足の下の感覚とより優れたエネルギーリターンをもたらす。スパイク内側のシャーシ部分は、プレートに移行することで足とズームエアバッグの間にあるソックライナーだけを残して効果を最大限に高めている。

 ナイキフットボールチームが、エアバッグの実験を始めたのは何十年も前だが、技術の進化と応用方法の発達を鑑み、デザインチームは今回のスペシャルプロジェクトにエアバッグの再活用を検討したという。ズームエアを機能性のためだけに使用するだけではなく、スパイクの外見にも活用することを思い描いたのだとか。

 「フルレングスのズームエアバッグを元に、エアバッグが大きくなってスパイクを包み込むまでになったらどうなるだろうと思い描いた」と、ナイキフットボールのジョンウー・リー シニア デザイン ディレクターは話す。「これが透明感のあるアッパーの開発と、内側にあるソックライナーの色を変えることでスパイクの外見も大きく変えるアイディアにつながった」とコメントしている。

 今回、フットボールでは初めて、ナイキ フライプリントのアッパーを採用しているとのこと。フライプリントは、ナイキ初の競技用シューズ向けの3Dプリント繊維のアッパーで、マラソンのエリウド・キプチョゲ選手が着用したナイキ ズーム ヴェイパーフライ エリート フライプリントとして初登場している。

 ナイキ フライプリントのアッパーは、固形堆積モデリング(SDM)と呼ぶ、コイル状になっているTPUの繊条組織を解き、それを溶かし、層に重ねるプロセスによって作られる。フライプリントの製法を用いることで、デザイナーはアスリートのデータから繊維の形状を導き出すことができるようになるとのこと。これはデジタルを用いたテキスタイル開発の進歩であり、ナイキ ハイパーヒューズ、フライワイヤーやフライニットなどでも行ってきたように、機械に独自の方法で修正を施す(手を加える)という伝統を踏襲するものにもなっており、それまで想像できなかった機能を生み出すソリューションが実現した。

 従来の平面的な素材と比べた時に3D素材がもたらす長所の一つに、フライプリントが素材を融合させて作るという性質から、縦糸と横糸の交差以上にダイナミックな素材の連動を実現できるという点があるという。例えば、通常の編み物や織物の素材では、絡み合った糸(縦糸と横糸)の間に摩擦抵抗が生まれるが、3Dプリントした素材の場合、素材の交点が融合しているため、より正確に足を支えられるようになるとのこと。さらにこれまでの素材に比べて軽く、通気性も高く作ることが可能で、さらには悪天候対応のためにACC(オール・コンディションズ・コントロール)コーティングでの仕上げもしている。

 ナイキのコンピュータを使ったデザインによって、アッパーの必要な部分を補強したフットボール専用のフライプリントのパターンを開発している。またナイキエア ズーム マーキュリアルには、さらに構造とサポートを強化するためにフライワイヤーを組み入れている。

 しかし、昔の実験の目的とは異なるとはいえスパイクの一番の特徴は4.5mmのズームエアバッグとのこと。新しくなったこのフットボールのエアは、クッション性に比べて反発性が重視されている。

 「これまではかかとのクッション性が重視されていたが、マーキュリアル プレイヤーはそれほどかかとを使うことがない」とリー シニア デザイン ディレクターは話す。「前足をつかってフルスピードでダッシュを繰り返す、そのようなプレイヤーを念頭にデザインしている。だからこそ、薄いフルレングスのズームエアバッグで出来るだけ弾むような感触を出している。沈み込む間もなく、足が前に押し出される」と説明する。

 ズームエアバッグは、目に見え、足の下の一部分は露出されており、触ることもできるという。ズームエア誕生20年を記念して、かかとには「20 Zoom」の文字が記されている。エアは、ナイキとして画期的なイノベーションであると同時に、とても環境持続性のある素材とのこと。2008年以降に作られたナイキエアソール イノベーションのすべては、生産過程での廃棄物を再製原料として最低50%含んでいる。フライプリントもまたサステナブルな生産方法であることから、スパイクの甲部分には“Structure printed as a single strand = Zero Waste.”(一本の糸でプリントされた構造=廃棄物ゼロ)と記されている。

 「ナイキ エア ズーム マーキュリアルは、未来への第一歩であり、これからの私たちの道しるべになる」とリー シニア デザイン ディレクターはまとめる。「現在活用できるエアやフライプリント、さらには現在開発中のイノベーションを用いることで、フットボールスパイクがこの先どうなるのか、未来に限界はない」とコメントしている。

ナイキジャパン=https://www.nike.com/jp/


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