睡眠・リラクゼーション

第2回「目覚め方改革プロジェクト」メディアセミナーを開催、働き方改革は体内リズムの改善からをテーマに目覚めと体内リズムや企業が取り組むべき睡眠課題など紹介

2019.02.21 16:57 更新

 睡眠の重要性の認知を高め、健康的で活動的な毎日を過ごせる環境を作ってほしいという想いから、睡眠や体内リズム研究の専門家が集まり設立した「目覚め方改革プロジェクト」の第2回セミナーを2月19日に開催した。同セミナーでは、世界睡眠デー(3月18日)、春の睡眠健康週間(3月11日~25日)を前に、“働き方改革”は体内リズムの改善からをテーマに、「目覚め方改革プロジェクト」プロジェクトリーダーである久留米大学 医学部神経精神医学講座 教授 内村直尚先生が体内リズムの重要性について講演を行った他、特定非営利活動法人健康経営研究会の岡田邦夫理事長が働き方改革における睡眠の課題とその対処法について解説した。また、JR東海 総合技術本部 技術開発部の清水紀宏担当部長が実際の取り組み事例を紹介した。

 「目覚め方改革プロジェクトは、睡眠の重要性の認知を高め、健康的で活動的な毎日を過ごせる環境を作ってほしいとの想いから設立。スッキリした目覚めは、睡眠のリズムと深く関わっており、日々のパフォーマンス向上や、自分の時間の創出につながる。そして起きている時間を有意義に過ごし、イキイキとした毎日を送ってもらうために、『目覚め方と体内リズムの重要性』に関する情報を発信していく」と、同プロジェクトの趣旨について説明する内村先生。「当プロジェクトでは、リリースなどの情報発信だけでなく、WEBサイトを通じて毎月コラムを掲載するなど、睡眠や体内リズムの研究の専門家の意見を伝えている」と、同プロジェクトの活動内容について言及した。

 「起きている時間に最大のパフォーマンスを発揮するためには、『朝のスッキリとした目覚め』からスタートするライフサイクルを意識することが重要となる」と、寝ることだけでなく、スッキリとした朝を迎えられるかが、日中の活動に多大な影響を与えるのだと説く。「体内リズムとは、人間の身体は、睡眠や起床といった行動や、体温や血圧、尿などの生理活動が、1日およそ24時間のリズムで変動していることを指す。睡眠問題を引き起こす原因のひとつとして、“体内リズムの乱れ”が注目を集めている」と、体内リズムに注目が集まっているとのこと。「睡眠は、脳・身体の休養、疲労回復の他、脳の過熱を防ぐための体温下降や、エネルギーの保存、身体の成長(成長ホルモン分泌)、免疫機能増加、記憶の固定といった役割がある」と、睡眠が私たちの身体にとっていかに重要なのかを解説する。「しかし、日本は最も睡眠時間が短い国といわれ、5人に1人が睡眠の問題を抱えている」と、日本人の睡眠には多くの問題があるのだと指摘する。「睡眠せずに17時間行動した場合は、ビール1~2本程度、日本酒1~2合程度の血中アルコール濃度が発生する。24時間寝なかった場合は、酒気帯び運転と同じ、酩酊状態になってしまう」と、睡眠不足は、アルコールを飲んで酔った状態と同じ血中アルコール濃度を示すとのこと。「それだけに、しっかりとした睡眠を確保しなければ、大変なことを起こしかねない」のだと警鐘を鳴らしていた。

 「今年は、4月後半から5月前半にかけて大型連休を控えている。この間、体内リズムは乱れやすくなる。そのため、例年よりも5月病が増えるものと予測する。5月病に陥らないためにも体内リズムを整え、心身ともに健康になる必要がある」と、説明する。「体内リズムの整え方として、眠りの3要素『リズム』『質』『量』を意識して、よりよい眠り・目覚めのために体内リズムを整えることが大切であると思われる。リズムが乱れがちな週末も、まずは起きる時間を一定にすることから始めてほしい。そして、昼間、イキイキと過ごすために、朝、すっきり目覚めてほしい」と、朝の光を上手に活用するなどして、朝方のリズムを整えるようにしてほしいと訴えた。

 岡田理事長は、「ビジネスパーソンが取り組むべき睡眠課題」をテーマに講演を行った。「日本は世界で2番目に睡眠時間が短く、世界で2番目に週50時間以上働く国でもある。しかし、労働生産性は世界22位で、熱意ある労働者の比率は、139ヵ国中132位となっており、自社を信用していない労働者の出現率は世界第1位となっている」と、日本の労働生産性について言及。「睡眠不足は経済的な損失を招くことから、労働生産性と健康度の関連性を調査研究した。その結果、健康度も高く、労働生産性も高いエンゲージメント群、健康度は高いものの労働生産性が低いプレゼンティーズム群、労働生産性は高いものの健康度が低いワーカホリック群、健康度も労働生産性も低いアブセンティーズム予備軍の4つのタイプに分類されることがわかった」と、労働者のプレゼンティーズム評価とストレスチェック結果との関連性を調べたという。

 「さらに細かく分析した結果、エンゲージメント群は、他の群に比べて睡眠リスクが低いことがわかった」と、十分な睡眠がとれていたり、就業時間に眠気を感じることが少ないことが明らかになったという。「それだけに、睡眠が十分にとれることで、会社へ行くのが億劫でなくなり、通勤の疲労感も軽減され、家族も不安なく出勤を見守ることができるようになる。もちろん会社でも元気に挨拶することができる」と、睡眠をしっかり確保することで、目覚めのよい朝を迎えて、一日頑張ることができるのだという。「これが、働き甲斐のある職場ややりがいのある仕事、上司・同僚とのコミュニケーション、家族の支援につながると思われる」と、睡眠の充実が、仕事や家族との関係などを良好なものにしていくと述べていた。

 JR東海の清水担当部長は、「睡眠自己管理プログラムの活用による仕事のパフォーマンス向上」について講演を行った。「当社は、安全安心な輸送の確保は、鉄道事業の原点であり、安全は、輸送業務の最大の使命でもある。そのためには、安全な設備、より良い仕組みと共に、社員一人ひとりの力によるところがとても大きいと感じている」と、鉄道事業者の基本を解説。「しかし、早朝から深夜にわたり不規則・不定型の勤務体系であるため、勤務中の睡眠時間が不足しがちとなっている。そこで、未然に眠くならないようにすることが大切と考え、日々の睡眠管理を行うべく、睡眠自己管理プログラムを導入した」と、国立精神神経センター 教授の白川修一郎先生と共同で、睡眠の履歴や睡眠状態の評価を行うことで、改善のためのアドバイスを表示するといったプログラムを開発したのだという。

 「このプログラムは、新幹線と在来線の全乗務員職場と主要駅に展開し活用している」と、ほぼすべての乗務員が利用できるようになっていると説明する。「プログラムを導入したことで、生体リズムが改善され、作業能力も改善された」と、仕事のパフォーマンス向上につながり、安全・安定輸送の提供に一役かっているのだと教えてくれた。「プログラムのほかに、仮眠設備の整備を進めるなどしている」と、仮眠時間は20分以内、リクライニングの角度は60度に設定することで、仕事のパフォーマンス向上につながる短時間仮眠を推奨しているのだと述べていた。

 最後に、大塚製薬 ニュートラシューティカルズ事業部 ソーシャルヘルス・リレーション部の只野健太郎課長が、体内リズムを整える食品素材の研究について紹介した。「当社では、体内リズムに注目し、アスパラガス由来の成分を研究している。アスパラガスは、ポリフェノール抗酸化やルチン毛細血管保護、アスパラギン疲労回復といった健康効果が期待されている。このほかに、アスパラガスの未利用部位を加熱し酵素処理を行うことで、アスパラプロリンを含む粉末にすることができる。アスパラプロリン含有粉末には、自己回復たんぱく質HSP70を増加させることが明らかとなっている」と、アスパラガス由来の成分で、体内リズムを整えることができるのではないかと考え研究を行っているという。

 「20~49歳の夜型生活者に、アスパラプロリンを含む食品またはアスパラプロリンを含まない食品を2週間摂取させ、睡眠の質と日中の作業効率を比較検討した」と、夜型生活者の睡眠とパフォーマンスの改善について試験したとのこと。「寝つき、中途覚醒、早期覚醒、睡眠時間、睡眠の質、日中の気分、日中の活動、日中の眠気の質問について4段階で回答してもらった結果、アスパラプロリンを含む食品を摂取した群の方が、摂取しなかった群に比べて、睡眠がよくなっていくことがわかった」と、夜型生活者の睡眠を改善することが明らかになったと訴える。「体内リズムの重要性を理解し、目覚めを意識したライフスタイルの実践には、体内リズムを整える食品素材の活用も有効なのではないかと思われる」と、健康で活動的に働くためにも、改善効果が期待できる食品の活用もポイントになるのではないかと話していた。

目覚め方改革プロジェクト=https://mezame-project.jp/


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