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HAKUBAVALLEY TOURISM、滞在型リゾート推進に向けた観光戦略を発表、訪日外国人の急増に対応しHAKUBA VALLEYをオールシーズン楽しめるマウンテンリゾートに

2019.12.09 20:07 更新

 今年7月に長野県では初となる重点支援広域型DMO(観光地経営組織)に指定された一般社団法人HAKUBAVALLEY TOURISMは、滞在型リゾート推進に向けた観光戦略に関する記者発表会を12月6日に開催した。発表会では、長野県だけでなく日本を代表する世界的な滞在型リゾートの創出のため、地域が一帯となって取り組むべき課題や観光戦略について説明した。

 「HAKUBA VALLEYは、標高3000m級の北アルプスの麓に広がる、長野県大町市・白馬村・小谷村にある10のスキー場で構成されるスノーリゾートの総称となっている。“ジャパウ”と呼ばれる上質なパウダースノーを求めて、毎冬、世界中から多くの旅行者が訪れている」と、白馬村観光局の福島洋次郎事務局長が挨拶。「一方で近年は、スノーリゾートだけでなく、すべての季節で楽しめるマウンテンリゾートとしての訴求にも力を注いでいる。グリーンシーズンのHAKUBA VALLEYには、森、林、山、湖、川、空など、海以外の自然をすべて体感できるアクティビティが揃っている。また、この地域の住民は、身近にある自然を楽しみながら日々の生活を送っている。そこで、こうしたライフスタイルの魅力を世界中の人々に伝え、同じ素晴らしさを味わってもらうべく、滞在型リゾートという新たなグローバルブランディングに取り組んでいく」と、滞在型リゾートを推進する背景について述べた。

 続いて、HAKUBAVALLEY TOURISMの高梨光代表理事が、滞在型リゾート推進に向けたHAKUBA VALLEYの観光戦略を説明した。「白馬10スキー場は、5年前にHAKUBA VALLEYとしてのプロモーションを開始して以来、訪日外国人スキー来場延べ客数が年平均25%増で成長しており、2018-2019シーズンは過去最高の36万7000人に達した。これは、インバウンド市場においてニセコに次ぐ国内2番目の集客となっている」と、HAKUBA VALLEYを訪れる外国人スキー客が急増しているという。「しかし、HAKUBA VALLEYでは、インバウンド集客が拡大する中で、観光資源や設備は未整備・未開発のままになっている。特に、索道リフトの老朽化は深刻で、建築年数が平均30年を超えているのが現状だ。また、宿泊施設も老朽化や後継者不足を理由に大幅に減少しており、4~5スターの施設が少ないことから富裕層離れを起こしている」と、施設面での整備が追いついていないと指摘する。「この他に、冬と夏の特定シーズンに依存していることでの地域全体への悪影響や、日本独特の縦割組織による機能しにくい観光団体構造も大きな課題となっていた」と、日本のスノーリゾート全体が抱える課題についても言及していた。

 「こうした課題を解決するべく、HAKUBAVALLEY TOURISMでは、先行して三市村(大町市・白馬村・小谷村)統合したHAKUBA VALLEY Promotion Boardを中核に、地域連携DMOとして官民共同対応策を構築する。具体的には、三市村内の組織を官民ハイブリッド化により機能面から再編し、観光の三市村統合を目指す。また、実行部隊となる専門委員会を設立し、具体的課題や目標に向けたハード・ソフトの再整備・開発を推進していく」と、三市村をまたいだ観光団体の組織再編を断行し、世界から選ばれる山岳観光地域の構築を目指すと力を込める。「課題解決に向けたHAKUBAVALLEY TOURISMの役割としては、老朽化した施設やインフラ、景観などリゾートエリアとしての課題をとりまとめ、提言していく。例えば、施設面では、世界の著名リゾートであるシャモニーとウィスラーの開発思想を参考に、昔からの伝統的景観・街並みを守るエリアと、ゲレンデ周辺を近代的に再開発するエリアをそれぞれ展開し、交通機関で連結させる構想を進めている」とのこと。「すでに宿泊施設の拡充に着手しており、岩岳では昨年冬までに3軒、今年冬までにさらに3軒の施設を改装し、営業施設としての稼働を再開した。また、街並みも一定のデザインで統一し、マウンテンリゾートとして活性化を図っている」と、宿泊施設の整備を急ピッチで進めていると話していた。

 「サービス面では、この冬から白馬岩岳スノーフィールドで、国内スキー場唯一となるVIP向けサービスパッケージの提供を開始する。また、今夏に八方尾根ウサギ平にオープンしたHakuba Mountain Beachを冬季にも営業し、ジャグジーやサウナによる“にぎやかなリゾート空間”を創出する。さらに、八方尾根スキー場内のグランピング施設を活用したスノーキャンプも実施していく」と、今年のウインターシーズンを盛り上げる新しいサービスについても紹介。「来年4月には、白馬山麓エリアで野遊びを体験できる『スノーピーク ランドステーション白馬』を開業する。この施設には、スノーピークを始め、スターバックスコーヒーや石かわ監修のレストラン、観光局ビジターセンターなどが入居する予定となっている」と、オールシーズン対応の滞在型リゾート推進に向けた切り札となる施設を来春に開業すると意気込んだ。

 次に、長野県観光部 山岳高原観光課の塩原一正課長が、長野県のHAKUBAVALLEY TOURISMに対する重点支援について説明した。「長野県では、外国人観光客が増加する中で、市町村域を越えた広域的な地域のストーリを持ち、『稼ぐ』観光地域づくりを実行する広域型DMOの形成・確立が重要となっていた。そこで、『長野県観光戦略 2018』において、一定の基準を満たした法人を重点支援広域型DMOに指定し、地域や市町村の取り組みと合わせて、ハード・ソフト両面から支援していくことを決定した」と、世界的な視点での魅力発信や外国人観光客の受入体制の整備に向けて、広域型DMOの形成が急務となっていたという。「そして、6月20日に、HAKUBAVALLEY TOURISMを重点支援広域型DMOの第一弾として指定した。HAKUBAVALLEY TOURISMは、『稼ぐ観光地域づくりのかじ取り役』を担っていくことが明確であることに加え、計画にSDGs(持続可能な開発目標)の観点を採用していた。また、広域型DMOの形成・確立を通じて、新しい自治の形成に取り組むことが明確であったこともポイントになった」と、第一弾としてHAKUBAVALLEY TOURISMを指定した理由について言及。「今後、北アルプスエリアの観光地域づくりに向けて、HAKUBAVALLEY TOURISMへの重点支援を行っていく。これにより、世界から選ばれ続けるスノーリゾート、および通年で観光客を呼び込めるマウンテンリゾートを実現し、先進的な広域型DMOモデルへと発展させていきたい」と、HAKUBAVALLEY TOURISMへの期待を述べた。

 最後に、自由民主党衆議院議員 スキー議員連盟の務台俊介事務局長が挨拶した。「私は、スキー議員連盟の事務局長として、北アルプス地域の振興を図ることが政治上の使命であると考えている。4年前には、『山の日』を国民の祝日にするための議員立法を制定したが、雪に着目した地方創生をどう進めていけばよいのか思い悩んでいた。その中で、HAKUBAVALLEY TOURISMが長野県の重点支援広域型DMOに指定され、様々なアイデアが具現化されようとしている。この取り組みをいかにバックアップしていくかが、我々の重要な役割であると感じている」と、HAKUBAVALLEY TOURISMの観光戦略に賛同の意を示した。「実際に先般、老朽化したリフトやゴンドラ、スノーマシンに対して法的支援をしてもらえるよう官房長官に強く要請した。今後、訪日外国人がさらに増えることで、出国税の財源も大幅に増加することが予想される。この財源の多くをスノーリゾートに充てられるよう尽力していく。さらに、スキー合宿を学校教育の過程に位置付ける取り組みも進め、若者のスキー離れを食い止めていきたい」と、日本のスノーリゾート活性化に向けて、行政の立場から全力でバックアップしていくことを誓った。

HAKUBA VALLEY=https://www.hakubavalley.jp/


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