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「第22回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」が東京・お台場で開幕、アート/エンターテインメント/アニメーション/マンガなど多様な表現形態を含む受賞作品を一堂に展示

2019.06.03 17:03 更新

 文化庁による「第22回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」が、東京・お台場の日本科学未来館を中心にフジテレビ湾岸スタジオ、東京国際交流館などで、6月1日から開幕した。開催に先立ち、5月31日に行われたプレス向け内覧会では、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門の全受賞作品と功労賞受賞者の功績など展示内容の全貌が公開された。

 文化庁メディア芸術祭は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門で優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供するメディア芸術の総合フェスティバル。第22回は、過去最多となる世界102の国と地域から4384作品の応募があり、多様化する現代の表現を見据える国際的なフェスティバルへと成長を続けている。6月1日から16日まで開催される作品展では、多様な表現形態を含む受賞作品と、功労賞受賞者の功績を一堂に展示するとともに、シンポジウムやトークイベント、ワークショップなどの関連イベントを実施する。国内外の多彩なクリエイターやアーティストが集い、“時代(いま)を映す”メディア芸術作品を体験できる貴重な機会となっている。

 では、世界102の国と地域の4384作品から選ばれたアート、エンターテインメント、アニメーション、マンガ各部門の受賞作品および功労賞の展示の見どころについて紹介しよう。アート部門の展示は、大賞を受賞したサウンドインスタレーション「Pulses/Grains/Phase/Moire」をはじめ、鑑賞者に作品の意味を問いかけるアート作品を展示する。古舘健氏による大賞作品「Pulses/Grains/Phase/Moire」は、300台を超えるスピーカーとLEDライトを使用した、大規模なサウンドインスタレーション。照明を控えた空間の中で、多様なパターンを持った音と光が複合して有機的な波のようになり、鑑賞者の視覚と聴覚に向かって次々と押し寄せる。

 アート部門の優秀賞は、メディアインスタレーション、バイオアート「Culturing <Paper>cut」(岩崎秀雄氏)、メディアインスタレーション「datum」(平川紀道氏)、ダンスインスタレーション「discrete figures」(真鍋大度氏/石橋素氏/MIKIKO氏/ELEVENPLAY氏)、メディアインスタレーション「Lasermice」(菅野創氏)が受賞した。また、新人賞には、インタラクティブアート「SPARE(not mine)」(Jonathan Fletcher MOORE氏)、メディアインスタレーション「watage」(euglena氏)、メディアインスタレーション「Total Tolstoy」(Andrey CHUGUNOV氏)が選ばれた。

 エンターテインメント部門の展示では、大賞のテレビ番組「チコちゃんに叱られる!」(「チコちゃんに叱られる!」制作チーム)に登場する等身大のチコちゃんなど、写真を撮って楽しめる体験型の作品を展示する。「チコちゃんに叱られる!」は、何でも知っている5歳の女の子という設定のキャラクター「チコちゃん」が、素朴な疑問を明らかにしていく番組。チコちゃんの着ぐるみは複数台のカメラで撮影されたうえで、放映時に頭部を3DCGのモデルに置き換える処理が行われているという。置き換えられる頭部パーツは着ぐるみの頭部を精緻に3Dスキャンしたもので、本当に着ぐるみの顔のパーツが動いているかのような表現を、目や口の形を自在に変えることで実現。3DCGによる頭部パーツは、頭を突然大きくしたり、変顔をするなどのマンガ的な演出も可能にしている。

 エンターテインメント部門の優秀賞作品は、体験型ゲーム「歌舞伎町 探偵セブン」(「歌舞伎町 探偵セブン」制作チーム)、パフォーマンス「Perfume×Technology presents “Reframe”」(Perfume+Reframe制作チーム)、アプリケーション「TikTok」(「TikTok」Japanチーム)、アプリケーション「LINE LENS」(「LINE LENS」制作チーム)。新人賞作品は、ミュージックビデオ「水曜日のカンパネラ『かぐや姫』」(水曜日のカンパネラ「かぐや姫」制作チーム)、映像作品「春」(大森歩氏)、ゲーム「Pixel Ripped 1989」(Ana RIBEIRO氏/Carlo CAPUTO氏/Julia LEMOS氏/Leonardo氏/BATELLI氏/William RODRIGUEZ氏)となっている。

 アニメーション部門の展示では、大賞作品の短編アニメーション「La Chute」をはじめ、その他のアニメーションなど、多様な映像作品を会場で上映する。Boris LABBE氏が手掛けた大賞作品「La Chute」は、ダンテ・アリギエーリの「神曲地獄篇」に着想を得た短編アニメーション。墨汁と水彩絵具による約3500枚の絵をデジタル編集し、そこに弦楽奏の断片的な響きと電子音によるオリジナルの音楽が重ねられる。シーンは、前半の地上と天上、そして後半の地獄界とに大きく分かれている。ルネサンス期のサンドロ・ボッティチェリから、ピーテル・フリューゲル1世、フランシスコ・デ・ゴヤ、ヘンリー・ダーガーまで、西洋美術史を彩る巨匠の作品を参照しながら、循環、変容、堕落と再生という壮大なテーマを描いた作品となっている。

 アニメーション部門の優秀賞は、劇場アニメーション「大人のためのグリム童話 手をなくした少女」(セバスチャン・ローデンバック氏)、テレビアニメーション「ひそねとまそたん」(樋口真嗣氏)、劇場アニメーション「ペンギン・ハイウェイ」(石田祐康氏)、劇場アニメーション「若おかみは小学生!」(高坂希太郎氏)が受賞した。新人賞には、短編アニメーション「透明人間」(山下明彦氏)、短編アニメーション「The Little Ship」(Anastasia MAKHLINA氏)、短編アニメーション「Am I a Wolf?」(Amir Houshang MOEIN氏)が選ばれた。

 マンガ部門の展示では、大賞作品「ORIGIN」の原画など、マンガやアニメーションの貴重な関連資料なども合わせて公開される。また、受賞作品や審査委員会推薦作品を楽しめるマンガライブラリーも設置されており、来場者は自由に作品を閲覧することが可能となっている。大賞を受賞したBoichi氏の作品「ORIGIN」は、西暦2048年の東京を舞台に、限りなく人間に近い外見を持つ超高性能なAIを搭載した殺人ロボットと、主人公のプロトタイプロボット「オリジン」との戦いを描いた作品。20kgを超える炭化タングステン超合金の日本刀を武器に、時には自らの身体の破壊を顧みずに敵に向かっていくオリジンの戦いを、細密な書き込みと高い画力により描写している。細部まで描き込まれたSF設定と、ハードボイルドな世界観が読者を強く惹きつける。

 マンガ部門の優秀賞作品は、「宇宙戦艦ティラミス」(原作:宮川サトシ氏/作画:伊藤亰氏)、「夕暮れへ」(齋藤なずな氏)、「百と卍」(紗久楽さわ氏)、「凪のお暇」(コナリミサト氏)。新人賞には、「黄色い円盤」(黄島点心氏)、「メタモルフォーゼの縁側」(鶴谷香央理氏)、「見えない違い-私はアスペルガ-」(マドモワゼル・カロリーヌ氏/原作:ジュリー・ダシェ氏/訳:原正人氏)が選ばれている。

 日本のメディア芸術界に大きく貢献した人に贈られる功労賞は、アニメーション監督/アニメーション研究者の池田宏氏、評論家の呉智英氏、クリエイティブディレクターの小池一子氏、筑波大学名誉教授の三田村畯右氏が受賞した。展示会場では、各受賞者のプロフィールや代表的な作品など、メディア芸術界の発展に寄与してきた功績が紹介されている。

[「第22回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」開催概要]
会期:6月1日(土)~6月16日(日)※火曜休館
開館時間:10:00~17:00
会場:日本科学未来館、フジテレビ湾岸スタジオ、東京国際交流館、BMW GROUP Tokyo Bay、シンボルプロムナード公園など
入場料:無料

第22回文化庁メディア芸術祭受賞作品展 公式サイト=http://festival.j-mediaarts.jp


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