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自転車ロードレース「2018 JAPAN CUP CYCLE RODE RACE」を開催する宇都宮、観光・グルメ・アクティビティなどの魅力も発信

2018.10.04 21:18 更新

 アジア最高峰の自転車ロードレース「2018 JAPAN CUP CYCLE RODE RACE(以下、ジャパンカップ)」がいよいよ開幕する。10月19日から21日の3日間、世界のトップチームが集い宇都宮の森林公園内と市街地を疾走する(19日はチームプレゼンテーションを開催)。今年は、昨年に比べて大幅増となる全21チーム126名(昨年全14チーム69名)の出場が予定されており、手に汗握る白熱した自転車レースが繰り広げられるものと期待される。このジャパンカップを盛り上げるべく、宇都宮市が音頭をとって大会期間だけでなく、それ以外でも幅広い世代が楽しめる観光やグルメ、アクティビティなどを用意し、同市の魅力を発信中だ。

 ジャパンカップは、1990年に行われた世界選手権自転車競技大会のロードレース部門を宇都宮で開催したことがきっかけで、1992年からUCI(国際自転車競技連合)公認のレースとして毎年行われるようになった。2010年からは「JAPAN CAP CYCLE RODE RACE」の他、「JAPAN CAP CRITERIUM」も開催。警察の全面協力のもと、大通りを全面通行止めにして行われたことから、当時としては画期的な大会として注目を集めたという。ジャパンカップの開催を機に、自転車を愛用する市民も増加。国内最大規模の自転車レーンを市内の主要道路に設けたり、ロードレースの会場でもある宇都宮市森林公園までの案内ポールを設置するなど、市内外のサイクリストに配慮した街づくりも行われている。

 10月20日に行われる「2018 JAPAN CAP CRITERIUM(以下、クリテリウム)」は、宇都宮市大通りを周回する市街地で行われるレース。今年で9回目を迎えるクリテリウムは、1周2.25kmと短く高低差がほとんどない周回レースのため、最高速度は70kmを超える。昨年は、台風接近による悪天候で4万8000名の来場者にとどまったものの、宇都宮の目抜き通りを世界のトップ選手が駆け抜けていく姿は圧巻だ。それだけに今年は昨年を大幅に超える来場者が見込まれる。また、カーボンホイール独特のブレーキ音やシフトチェンジ音をはじめ、選手の息遣いまでも間近で感じることができるレースとなっている。

 翌日の21日に行われる「2018 JAPAN CAP CYCLE RODE RACE(以下、ロードレース)」は、標高差185mの古賀志林道を含む宇都宮市森林公園周回コースを疾走するレースとなっている。ロードレースは、現在ワンデイレースとしてはアジアで唯一、UCI(国際自転車競技連合)から最上位カテゴリーであるオークラス(超級)に認定された、世界のトップクラスの選手たちの走りが楽しめる本物のロードレースとなっている。このロードレースの魅力について語ってくれたのが、今年のジャパンカップへの出場が決まっている宇都宮ブリッツェン所属の小坂光選手。「スタート直後に急な上り坂があり、120名を超える選手が一気に標高を120m近く駆け上がる」と、トップ選手でもスピードに乗ったまま駆け上がることが困難な急坂が、コース最大の特長とのこと。「全身を使って坂を駆け上がる選手を間近で応援できる古賀志林道の頂上付近での観戦がおすすめ」と、選手の息遣いや汗が感じられる古賀志林道頂上付近は、レース観戦のベストポイントであると教えてくれた。

 「ロードレースは、選手同士の駆け引きだけでなく、チーム戦略もポイントとなる」と、同じチームの選手をトップでゴールさせるため、ある選手は前半から飛ばしてライバルチームのスタミナを奪ったり、同一チーム選手の体力を温存させるべく、風よけなどチームプレーに徹する選手など、チーム同士で様々な駆け引きが行われている点にも注目してほしいと話していた。古賀志林道頂上付近が観戦スポットではあるものの、約2kmの坂を自力で上る必要があるため、体力的に自信がないという人は、「田野町交差点や萩の道入口での観戦をおすすめする」と、小坂選手。「細かいアップダウンが連続するので、選手の腕も試される」と、ライバル選手の前に出たり、下りのスピードを利用して上りを駆け上がる選手など、自転車レースの醍醐味を味わえるポイントなのだと語っていた。

 「ジャパンカップで宇都宮を訪れた人は、レース観戦だけでなく、市内観光も楽しんでほしい」と語る宇都宮市総合政策部広報広聴課の田谷浩之課長。せっかく訪れた宇都宮をさらに満喫してもらうべく、おすすめスポットやグルメ、アクティビティも楽しんでほしいとのこと。では、どんな観光が楽しめるのか、代表的なスポットやグルメなどを紹介しよう。

 宇都宮は石の里と呼ばれ、「大谷石」と共に発展した街としても知られている。大谷石は、新生代第三紀中新世(今から1500万年前)の流紋岩質角礫凝灰岩の総称。大正11年に米国の建築家、フランク・ロイド・ライトの設計による東京の旧帝国ホテルに大谷石が利用されたことでも有名だ。この大谷石の地下採掘場跡を見学できる「大谷資料館」にはぜひ足を運んでおきたい。広さは、約2万平方メートル(140m×150m)、深さは平均30mもあり、最深の部分は地下60mにも及ぶ。壁面には、手掘り時代のツルハシのあとが残り、ずっしりと年輪の重さを感じさせる。第二次大戦中は、地下倉庫や軍事工場として、戦後は、政府米の貯蔵庫としてお米を預かっていたとのこと。なお、坑内の平均気温は8℃前後で、地下の大きな冷蔵庫といった感じとなっている。

 大谷資料館周辺には、大谷石むき出しの岩肌や垂直に切り立った岩壁が連なる大谷景観公園があり、国の名勝にも指定されているという。また、自然の岩壁に彫られた高さ27mの平和観音や日本最古の磨崖仏、天然の洞窟の中にすっぽりと包まれた大谷寺など、自然と文化が奏でる大谷を楽しむことができる。

 


 この大谷石を使った建造物は、宇都宮市内の至る所で見学できる。まず、市の中心部にある、設計者のマックス・ヒンデルが故郷のグロスミュンスター大寺院を思いながら設計した「カトリック松が峰教会」に足を運んでみては。わが国では数少ない双塔を持ち、大谷石外壁にロマネスク様式の装飾が施されているのも必見だ。教会の内部には、柱の装飾や教壇などに大谷石が使われている。

 


 東武宇都宮線南宇都宮駅近くには、大谷石で作られた倉庫をカフェやレストラン、フォトスタジオに改造した場所もあるので、旅の疲れを癒しに訪れてみるのも良いだろう。

 大谷資料館敷地内にあるカフェ&セレクトショップ「OYAMUSEUM ROCKSIDE MARKET」は、観光客だけでなく、地元の主婦がランチやドリンクを楽しむ場所としても人気のスポットとなっている。店内には、県内を拠点に活動するメーカーや作家の工芸品なども揃えている。

 そして、宇都宮のパワースポットといえば二荒山神社。市の中心の高台に位置しており、武徳の神社として、徳川家康も崇敬したと伝えられている。創建は約1600年前とされており、宇都宮の始祖、豊城入彦命が祭られている。

  


 戊辰戦争で社殿が焼けてしまったのだが、明治時代に再建され、徳川家康が寄進した本殿勾欄擬宝珠など文化財も多数祀られている。二荒山神社の「明神の井」は、今でも清らかな水が汲み上げられており、水質検査で「適合」との判定が下されたことから、名実ともに宇都宮の名水とされている。

 宇都宮のグルメといえば、なんといっても「宇都宮餃子」。宇都宮駅西口には大谷石でできた「餃子像」が設置され、宇都宮餃子を市のシンボルとしてアピールしている。市内では、300店舗を超えるお店が餃子を提供しており、このうち約80店舗が協同組合宇都宮餃子会に加盟している。

 「宇都宮の市民は、週に数回は餃子を食べる」と話すのは、宇都宮餃子会事務局の鈴木事務局長。「毎年11月の第一土日には、宇都宮餃子ファンへの感謝を込めて、“宇都宮餃子祭り”を開催している。昨年は2日間で約15万人の来場者を迎え、連日行列ができるほどの盛況だった」と、餃子を愛する人々への感謝の気持ちを込めて、利益度外視で餃子を振舞うイベントなのだと教えてくれた。

 「宇都宮を訪れた際には、焼き、水、揚げなどの種類だけでなく、店舗ごとに異なる皮や餡、たれなど、店主こだわりの餃子を食べてほしい」とのこと。「様々な店舗の餃子を少しずつ味わいたいという人には、宇都宮餃子会が運営する宇都宮市馬場通りの『来らっせ本店』に足を運んでほしい」とアピール。

 「飲食スペースは、5店舗が集まる常設店舗ゾーンと、32店舗が日替わりで8~10店が出店する日替わり店舗ゾーンに分かれている。日替わり店舗ゾーンでは、5店舗分の餃子が一皿に集結したメニューを提供。餃子の食べ比べができるため、連日人気のメニューとなっている」と、宇都宮餃子を満喫できるスポットについても紹介してくれた。

 宇都宮を訪れたら、自転車を活用したアクティビティを楽しんでほしいとのこと。宇都宮市では「自転車のまちうつのみや」の実現に向けて、自転車利用者のための施設「宮サイクルステーション」を、JR宇都宮駅西口に設置。市内外の人々にロードバイクなどのレンタルサイクルを用意している。1日1020円で自転車のレンタルが可能なので、市内観光の足として使えるだけでなく、ジャパンカップのコースにチャレンジしてみるなど、自転車を使った様々な体験が楽しめるような施設となっている。

 とはいえ、初めての土地で、中・長距離のサイクリングを楽しむには、水分・糖分補給などができたり、トイレや簡単な修理などを行える場所がないと心細い。そこで、地区市民センターなどの他、観光施設やコンビニエンスストアの協力を得て、市内30ヵ所に「自転車の駅」を設置。自転車の駅では、自転車の簡単な修理に対応できるような修理工具や空気入れポンプ、スポーツバイク用の駐輪ラックを設けるなど、安全・快適な自転車利用が可能になっている。また、「宮サイクルステーション」では、自転車のレンタルだけでなく、地元の自転車チーム「宇都宮ブリッツェン」と連携した事業も展開。選手が講師となって、上りや集団走行のテクニック、ペース配分などをレクチャーしてくれる講習会なども定期的に開催しているとのこと。「宮サイクルステーション」を、宇都宮を楽しむベース基地として活用しても良いのでは

宇都宮市=http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/
2018 JAPAN CUP CYCLE RODE RACE=http://www.japancup.gr.jp/
宇都宮餃子会=http://www.gyozakai.com/
宮サイクルステーション=http://miya-cyclestation.jp/


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