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桜咲く東京・上野でクラシック音楽の祭典「東京・春・音楽祭2019」を開催、15回目の節目では200を超える過去最大規模の公演を披露

2018.10.30 14:52 更新

 東京・春・音楽祭実行委員会は、桜咲く春の東京・上野を舞台にした国内最大級のクラシック音楽の祭典「東京・春・音楽祭2019(以下、音楽祭)」を、2019年3月15日から4月14日まで開催する。10月29日に行われた説明会では、15回目の節目にふさわしい2019年の公演プログラム発表の他、公演の見どころと共に、15年の変遷を踏まえ、音楽祭の今後の展望について発表した。

 「来年の開催で15年目となる音楽祭は、開催当初は聴衆者がまばらであったり、2年目は小澤氏が体調を崩し公演が払戻しを行うなど、紆余曲折があった。しかし、継続していくことが重要と考え、公的資金に頼らず、上野の地域の人々に支えられて、今回、15回目という節目の音楽祭を開催できることをうれしく思う」と、東京・春・音楽祭実行委員会の鈴木幸一実行委員長が挨拶。「この音楽祭は、演奏者と聴衆の出会いもさることながら、演奏者同士の新しい出会いがある点も魅力の一つとなっている」と、音楽祭によって集う人々とのつながりも素晴らしい部分なのだと訴える。「また、東京・上野という地域で様々な広がりをもたせて音楽祭を盛り上げてきた」と、地域の人々と共に作り上げてきた音楽祭とのこと。「2019年の音楽祭では、様々なことにチャレンジしていきたいと思っている。とくに屋外での公演も増やしていきたい」と、桜が満開の季節に、上野の木々の息吹と一体になって行う演奏に注目してほしいとアピールする。「15年目という節目の時期だけに、世界に発信できる音楽祭にしていきたい」と、世界中の音楽ファンを満足させる音楽祭に昇華させていくと意気込んだ。

 次に、音楽祭との取り組みについて、東京文化会館の樋口桂副館長が挨拶した。「開館から57年目となる東京文化会館は、音楽の殿堂として、昨年は586回の公演を行い、延べ48万人の人々が来館した」と、国内の音楽公演の拠点であることをアピール。「東京文化会館にとっても音楽祭はなくてはならない存在となっており、15年という月日を通じて東京・上野に着実に定着してきた」と、開催時期は、上野の森の桜が満開の時期であり、これに合わせて街全体がピンクにラッピングされる華やかな演出は、春の上野の風物詩になっているという。「来年はラグビーW杯、再来年は東京2020大会があり、そして2021年は東京文化会館が開館60周年を迎える。15回目の音楽祭をきっかけに芸術機運が高まることを期待している」と、音楽に触れ合う機会になればと語っていた。

 上野の山文化ゾーン連絡協議会 会長代行で東京藝術大学の澤和樹学長が挨拶した。「毎年上野では、秋に文化ゾーンフェスティバル、春に音楽祭を開催し、芸術の魅力を発信している。15回目の音楽祭では、当校の卒業生など多数が参加予定となっている」と、上野に校舎を構える大学として、音楽祭を盛り上げていきたいとのこと。「音楽祭は、個人や企業の支援によって支えられてきた。これまで他に類を見ない取り組みであり、これからのモデルケースになっていくものと考えている。今後も音楽祭の発展にかかわっていければと考えている」と、音楽祭を地域一体となって支えていきたいと話していた。

 上野観光連盟の茅野雅弘事務総長が挨拶した。「当連盟は、上野を愛する民間の組織となっている」と、上野で生まれ育った仲間たちが集まって組織された観光連盟なのだと説明する。「江戸以来、上野は文化の中心であった。そして東京に代わってから150年の間、西洋の波にさらされても、見事に新たな文化を取り入れながら昇華させてきた。世界的に見てもこれだけ文化が集積している地域は上野しかないと自負している」と、文化の発信拠点のみならず、文化が集まり、新たな文化を生み出す地域なのだと断言する。「上野から改めて世界に発信する音楽祭に全力で協力していく」と、観光連盟が一体となって15回目の音楽祭を盛り上げていくと約束した。

 公演についてNHK交響楽団の西川彰一演奏制作部長が挨拶した。「NHK交響楽団にとって素晴らしい指揮者と共演できる音楽祭は、とても重要な公演と位置付けている」と、世界の音楽家たちと演奏できる機会が得られる音楽祭は、NHK交響楽団にとって大切な舞台なのだと力説する。「一流の指揮者や素晴らしい歌手たちと共演する機会は、技量のアップにもつながっている」と、演奏者の力量を高めることにも役立っているという。「NHK交響楽団にとって、良いことしかない音楽祭は、今後も参加し続けていきたい舞台であると思っている」と、音楽祭との関係を今後も続けていければとの考えを示した。

 東京都交響楽団の赤羽朋子常務理事・事務局長は、「東京都交響楽団が音楽祭に参加するのは今回で8回目となる。素晴らしい指揮者などと演奏ができるため、とても感謝している」と、東京都交響楽団にとってかけがえのない体験ができるのが音楽祭なのだと説明する。「2019年は15周年にふさわしい曲で出演する。演奏時間が1時間にも及ぶ大曲だけに、期待してほしい」と、演奏会で披露されることが少ない曲を演奏すると教えてくれた。「地域をあげて開催される演奏会に参加できるのはとても名誉なこと。これからも微力ながら協力できればと思っている」と、今後も音楽祭との絆を深めていきたいと語っていた。

 読売日本交響楽団の津村浩常任理事・事務局長は、「前回は2011年に参加した。今回はGalaコンサートを行う。この音楽祭で読売日本交響楽団の力量を高めていければと思っている」と、久しぶりに音楽祭に出演するだけに、並々ならぬ想いを語る。「室内楽にも出演する予定になっているので、ぜひ期待してほしい」と、様々な公演に参加すると意気込んだ。

 最後に、東京・春・音楽祭実行委員会の芦田尚子事務局長が挨拶した。「上野公園の東京文化会館、各美術館、博物館などを拠点に、国内外の一流のアーティストによるオペラ、オーケストラ、室内楽、無料のミニ・コンサートなど、200を超える過去最大規模の公演を行う」と、音楽祭の概要について紹介。「リッカルド・ムーティ氏による『イタリア・オペラ・アカデミー in 東京』がスタート。2015年から毎夏イタリアのラヴェンナで開催している若い音楽家のためのアカデミーで、今回、東京で展開される。すでにアカデミーへの応募を開始しているが、国内外から多数の応募が寄せられている」とのこと。「また、バイロイト音楽祭との提携で『子どものためのワーグナー』が上演される。さらに、カタリーナ・ワーグナー氏監修のもと“さまよえるオランダ人”を演奏する」という。「この他、フィリップ・オーギャン氏指揮による読売日本交響楽団のGalaコンサートや、ダーヴィト・アフカム氏指揮NHK交響楽団による『東京春祭ワーグナー・シリーズ』から“さまよえるオランダ人”を上演する。音楽祭のフィナーレには『東京春祭 合唱の芸術シリーズ』を披露。エリーザベト・クールマン氏がバンドと共に来日し、様々な音楽を演じる。台東区とウィーン市第1区イネレシュタットの姉妹都市提携30周年の公演も行う。この他にも、国内外の一流アーティストの演奏による上質なクラシック音楽や音楽祭ならではの個性的なシリーズ企画を予定している」と、見どころや聴きどころについて解説してくれた。

[「東京・春・音楽祭2019」開催概要]
期間:2019年3月15日(金)~4月14日(日)
会場:東京文化会館、東京藝術大学 奏楽堂(大学構内)、旧東京音楽学校奏楽堂、上野学園 石橋メモリアルホール、国立科学博物館、東京国立博物館、東京都美術館、国立西洋美術館、上野の森美術館、東京キネマ倶楽部、他
主催:東京・春・音楽祭実行委員会
共催:東京文化会館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
助成:公益社団法人企業メセナ協議会2021芸術・文化による社会創造ファンド

東京・春・音楽祭2019=http://www.tokyo-harusai.com


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