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消費増税に合わせて「年金生活者支援給付金制度」が10月1日からスタート、給付金をしっかり受け取るためのポイントは? 便乗した犯罪・詐欺にも要注意

2019.09.19 20:08 更新

 国民年金(基礎年金)を受給している人のうち、公的年金などの収入や所得額が一定基準額以下の人を対象とした「年金生活者支援給付金制度」が、消費増税と同じタイミングの10月1日からスタートする。消費増税は、年金生活者にとって大きな痛手になることが指摘されており、なかでも高齢者は、クレジットカードやポイント還元サービスの使い方がわからない人が多い上、地方では、個人商店やタクシーなど、まだクレジットカードが利用できない場所も多いため、増税による支出の増加が生活に大きな影響を及ぼすことが懸念されている。そこで今回、年金生活者の暮らしを支援するべく開始される年金生活者支援給付金制度を理解し、しっかり受け取るためのポイントを紹介する。

 年金生活者支援給付金制度は、消費税率引き上げ分を活用し、公的年金などの収入や所得額が一定基準額以下の人に、年金に上乗せして支給するもの。2019年度の基準額は、年6万円(月5000円)で、給付金は、月5000円を基準額として、保険料の納付済期間や免除期間によって異なるとのこと。また、高齢者だけでなく、障害基礎年金、遺族年金の受給者も対象となっており、給付金の種類は、「老齢年金生活者支援給付金」、「補足的老齢年金生活者支援給付金」、「障害者年金生活者支援給付金」、「遺族年金生活者支援給付金」の大きく4つに分けられる。

 「老齢年金生活者支援給付金」は、65歳以上で、老齢基礎年金を受給している人が対象で、前年の公的年金などの収入金額(障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれない)とその他の所得(給与所得や利子所得など)との合計額が、老齢基礎年金満額相当(約78万円:毎年度、老齢基礎年金の額を勘案して改定)以下であること。また、請求する人の世帯全員の市町村民税が非課税であることが支給要件となっている。

 「補足的老齢年金生活者支援給付金」は、老齢年金生活者支援給付金の所得要件を満たさない人であっても、前年の公的年金などの収入金額とその他の所得との合計額が約88万円までの人に対しては、老齢年金生活者支援給付金を受給する人と所得総額が逆転しないよう、補足的な給付を支給するもの。補足的な給付の額は、所得の増加に応じて漸減するとのこと。

 「障害者年金生活者支援給付金」および「遺族年金生活者支援給付金」は、障害基礎年金または遺族基礎年金を受給している人を対象とし、前年の所得(障害年金・遺族年金などの非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれない)が、462万1000円以下(20歳前障害基礎年金が支給停止となる所得基準と同額となるよう設定。扶養親族などの数に応じて増額)であることが支給要件となっている。

 これらの給付金を受け取るためには、9月上旬から順次対象者に送付される請求書の提出が必要になるという。具体的には、今年4月1日時点で年金を受給している人のうち、給付金支給要件を満たす人には、9月上旬から順次請求書が発送される。今年4月2日以降に新規で年金を受給した人は、年金の新規裁定請求に合わせて給付金の請求を行う必要があるとのこと。なお、来年1月以降に請求した場合は、請求した月の翌月分からの支払いとなり、12月分の給付金は給付されないため、できるだけ早めに請求手続きをすることが推奨されている。また、1回手続きをすれば、要件を満たす限り恒久的に支給されるため、最初の手続きを確実に行うことが重要となる。

 一方で、年金生活者支援給付金の請求手続き開始にあたり、“振り込め詐欺”や「口座番号」「暗証番号」など“個人情報の詐取”といった犯罪・詐欺が起こることも予想されるため、十分な注意が必要だ。CFP、社会保険労務士の井戸美枝氏は、「請求書は、『日本年金機構』から『緑色の封書』で送られてくる。国からの通知がメールで送られてくることはないのと同様に、同制度に関する通知が、電話やメールなどで来ることは絶対にない。また、差出人は『日本年金機構』であり『●●市役所』や『年金事務所』から送られてくることもないため、請求書は、『日本年金機構』からの『緑色の封書』であることを必ず確認してほしい。詐欺の手口に多く見られる『代行業者』も存在しないため、社会保険士・社会労務士を名乗る者から連絡があった際も、対応しないようにしてほしい」と呼びかけている。

 「また、年金生活者支援給付金は、年金と同じ銀行口座に振り込まれるため、受給にあたって、新規の銀行口座は必要ない。万一、口座番号を尋ねられても、絶対に教えないこと。受け取った請求書の内容が少しでも怪しいと感じた際は、請求書に記載されている番号には電話をかけないことが大切だ。請求書自体がニセ物であった場合、被害に巻き込まれる可能性が高くなる。電話をかける際は、必ず請求書とは別の場所で、正しい電話番号を探すこと。家族に相談したり、最寄りの年金事務所に直接行くのも手。詐欺被害を防ぐため、該当する人が親族にいる場合は、正しい情報を知り、教えてあげてほしい」と、わからなければ、自身で解決しようとせずに家族や窓口に相談してほしいとアドバイスしてくれた。

 「1回きりの給付金はこれまでにもあったが、今回の年金生活者支援給付金制度は、受給条件を満たせば、恒久的にもらえるといった部分が大きなポイント。生活の予算設計に組み入れやすいため、生活の一助にしやすい制度かと思う。年金制度と同様、滞納期間などがあるとその期間分の支給がされないため、年金を納めることが難しい場合には免除/納付猶予制度などを活用し、きちんと手続きを行うようにしてほしい」と、受給対象者はしっかり請求手続きを行って、給付金を受け取ってほしいと訴えた。

厚生労働省=https://www.mhlw.go.jp/index.html
年金生活者支援給付金=https://www.mhlw.go.jp/nenkinkyuufukin/index.html
厚生労働省 年金関係=https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/
日本年金機構=https://www.nenkin.go.jp/index.html
わたしとみんなの年金ポータル(厚生労働省)=https://www.mhlw.go.jp/nenkinportal/index.html
年金生活者支援給付金専用ダイヤル:0570-05-4092(ナビダイヤル)
050から始まる電話でかける場合:(東京)03-5539-2216


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