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令和・平成・昭和・大正・明治をイメージした振袖を着用し浜辺美波さん出演の新CMが話題の京都きもの友禅、購買型ビジネスモデルで地場産業や日本の着物文化の保全に貢献

2019.08.09 16:45 更新

 創業51周年を迎える京都きもの友禅は、7月19日から女優の浜辺美波さん出演の新TV-CM「変わらない美しさ」篇を放映中だ。“美しすぎる”とネットで話題となっており、「どの時代の浜辺さんが好きか」というSNS投稿も相次いでいるという。CMでは、普遍的な美しさの象徴である花びらが舞い散る中、令和、平成、昭和、大正、明治をイメージした振袖を着用し、メイクも時代に合わせがらっと変えた、“5人の浜辺美波”がそれぞれ違った美しさを魅せている。

 明治の振袖は、日本古来の「日本髪」や、自然な眉を活かしたナチュラルメイクに代表されるように、振袖も「シンプル」「落ち着きがある大人っぽい柄」が好まれた。明治初期にはグレーや茶色など色味が少ないものが多く、後期にかけては紫やブルーなどが増えていく。柄の面積も増え、柄自体も細かくなっていき、後の大正時代の前兆もうかがえる。

 大正の振袖は、西洋の文化を取り入れ始めたこの時代、ストライプやチェック、洋花などの柄や模様が現れ始める。振袖小物として日傘やレースのグローブなども積極的に取り入れられた。髪型は、毛先を後頭部にまとめた「耳かくし」が流行するなど、現代でも「大正ロマン」として評価されているデザイン性の高いスタイルが誕生した。

 昭和の振袖は、現代でも人気の赤色が多く出始めた時代。花や鳥など一つひとつの模様に意味が込められた「古典柄」が人気だった。メイクは眉をしっかり描き、昭和を代表する「聖子ちゃんカット」が印象的となっている。「昭和レトロ」と呼ばれたこの時代は、カラフル&派手な西洋文化と、古典柄など和文化が融合したスタイルが誕生し、現代にもその影響は強く残っている。

 平成の振袖といえば“盛り”。ギャルという言葉でイメージされるように、色やボリューム、ディティールなど様々な要素に対して個性が求められ、多様化していった時代といえる。メイクでは昭和時代と比べると細い眉が流行した。王道の赤色は残りつつも、大正時代から続く西洋文化の流れも踏まえ、より細かく、より派手に発展していき、柄も古典・レトロ・アンティークなど様々な種類が出揃った。

 令和の振袖は、平成終盤から現在までの変遷を見ると、振袖の柄自体は多様化の流れを組みつつも、ヘアスタイルやメイクはシンプルに落ち着きつつある。髪はシンプルに結った上で、大きな髪飾りなどを合わせたり、メイクもナチュラルな太眉やリップを主張させたりと、シンプルながらもワンポイントを置く、というスタイルが目立つ。

 しかし、若者世代の“着物離れ”によって、着物市場は、1981年の1兆8000億円をピークに、2018年には2700億円にまで縮小した。現在下げ止まりの状態ではあるが、依然として厳しい状況が続いている。振袖売り上げ9年連続No.1(2010年度~2018年度 振袖小売金額ベース 矢野経済研究所調べ 6月現在)を誇る京都きもの友禅においても、売上は減少傾向となっている。京都きもの友禅の服部雅親社長は、「競合他社はレンタルに力を入れており、京都きもの友禅もそれにつられてしまったが、後々その迷いは業績の悪さとして表れてしまった。原点に立ち返り、従来通り物販メイン、かつ、『京都きもの友禅の』良さではなく、『着物そのもの』のすばらしさを伝える点に力を入れていきたい」と、業界全体が浮上できるビジネスモデルを構築していきたいと意気込む。

 同社が近年掲げる理念の一つに「感動振袖」があるという。京都きもの友禅に足を運んでもらえれば、必ず感動できる1着に出会える、というものだとか。豊富な商品知識に基づく的確なアドバイスで、購買につながるよう、社として共通理念の浸透を進めているという。

 新卒社員に対しては、入社後の新卒研修の他、全国の各店舗に配置後も年3回研修を実施。中途社員に関しては、これまではOJTというかたちで業務指導に当たっていたが、新卒と同じく研修を受けられるよう改善がなされているとのこと。また、これまで店舗に任せていた「きもの文化検定」など、資格取得制度を本社主催で実施。管理職に対しても研修制度開始を予定しているなど、企業として筋の通ったメッセージを発信できるよう取り組みを進めているという。

 また、同社は、高品質な振袖をどこよりも安く提供することで、9年連続で振袖売上No.1をキープし続けているとのこと。高価な振り袖を安価で提供できる秘密は、中間業者を通さずに、現金一括でまとめて業者から買い取ることで、1着ごとの単価を下げているのだという。

 同社では、業界トップクラスの、常時2000点以上のアイテム(小物類含む)を取り揃えている他、ハイペースで新作も発表。これまで50万人をこえる消費者の成人式を手伝ってきた盤石なサポート体制と、業界屈指の商品点数で、消費者を迎えることができるのだと指摘する。

 さらに、事前~当日まで、準備の項数がとても多い成人式だが、京都きもの友禅では、成人式当日、各エリアごとに成典会場へアクセスのよい美容室を用意。また、写真館に関してはSNSなどで話題のロケーションフォトのプランも用意しているとのこと。

 一方、日本を訪れる外国人観光客や、“SNS映え”を意識する若者の間で、観光地などで着物を借りる「街着レンタル」需要が拡大しているという。また、結婚式などの式典で利用する訪問着・留袖の「ネットレンタル」も登場した。成人式に振袖を着用した人の半数以上がレンタルをしているのに対し、購入は全体の13%(TeraDox「2019年度:振袖についてのアンケート結果」から)という調査結果も出ているなど、レンタルの需要が高いのは目に見えている。また、振袖レンタル/販売を行う「はれのひ」が成人式当日に倒産をした。この「はれのひ」事件をきっかけに、「ママ振(母親所有の振袖を着ること)」という言葉も広がり始めた。実際に京都きもの友禅に足を運ぶ人もそのほとんどが“レンタル振袖を見せてほしい”という。

 こうした状況の中、同社では、消費者へのサービスの質を保つため、全国49店舗のスタッフすべてを社員で賄っており、アルバイト・パートは従事していないのだという。しかしレンタル専業の形態をとるとなると、スタッフ全員を社員で対応するのは難しくなり、「感動振袖」の提供も必然的に難しくなってくるとのこと。このため、消費者が本当に満足できる1着を提供できるよう、購買型を続けているのだ説明する。また、購買型を続けるうえでの戦略として、なるべく長く、そしてなるべくたくさん振袖(または着物)を着てもらえるよう、着用機会の提案や、着付け教室などの取り組みを積極的に行っているとのこと。

 レンタルの市場が拡大すると、当然のことながら、京都をはじめとする着物の“製造”現場を取り巻く状況は厳しくなっていくと指摘する。同社が購買型を推し進めることは、地場産業の保全、日本の着物文化の保全にもつながっていくのだと訴える。

 レンタルは購入に比べ単価が低く、取引の量が増えたとしても、市場規模はさほど大きく動かないという。ある程度の顧客単価を保証できる購買型を進める企業が業績を上げれば上げるほど、市場も盛り上がる、という構図なのだと語気を強める。

 今年東証一部上場17周年、創業51周年を迎える同社は、日本の女性の美と夢と心のやすらぎを創造することを永遠のテーマとし、人生の晴れ舞台である成人式などに女性が着られる振袖をご縁として、消費者に末永く支持される会社作りに取り組んでいる。振袖でご縁を得た女性、またその家族の幸せのサポートを行うことで、日本の伝統文化である“きもの”を通じて、より幅広い消費者へ京都きもの友禅の輪(和)を広げていくことに邁進していくとしている。

京都きもの友禅=https://www.kyotokimonoyuzen.co.jp/


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