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国際協力NGOジョイセフ、チャリティランニング大会「WHITE RIBBON RUN 2019」を全国で開催、"女性のエンパワーメント"に関するアンケート調査結果も発表

2019.03.08 17:55 更新

 国際協力NGOジョイセフは、3月2日、3日に国際女性デー(3月8日)に向けたイベントとして、チャリティランニング大会「WHITE RIBBON RUN 2019」を全国で開催した。また、同イベントにあわせて参加者を中心に行った“女性のエンパワーメント”をテーマにしたアンケート調査の結果を発表した。調査では、約80%の女性が日本に男女格差があると感じていることがわかった。

 現在、世界では1日約830人の女性が妊娠・出産・中絶が原因で命を落としているといわれている。「WHITE RIBBON RUN」は、その事実を多くの人に知らせ、支援の輪を広げるためのファンランイベントとなっている。4年目となる今年は、3月2日と3日に全国38拠点で開催され、個人で走る「どこでも誰でもバーチャルラン」を加えた総参加人数は過去最多の3208人に達した。参加費の半分は、世界の女性たちの命を守るための活動に充てられ、今年はケニアとザンビアでの女性支援活動に使われることになったという。

 また、3月8日の国際女性デーを迎えるにあたり、同イベントの参加者のほかSNSで呼びかけて“女性のエンパワーメント”に関するアンケート調査を実施した。まず、「日本に男女格差はあると思うか(単一回答)」と質問したところ、「とても思う」と回答した人は40%、「思う」と回答した人は43%となり、実に83%以上の人が男女格差を感じていることが判明した。その理由を尋ねたところ、「世の中の動きは格差を無くそうとしているが、会社のトップに立つような年齢の方々には、格差があることが当たり前の環境でやってきた自負もあり、やはり格差は存在すると思う」「男尊女卑の思想がとくに高齢者に根強い」などの理由が挙げられた。

 「どちらともいえない」と回答した人は16%、「思わない」は1%、「まったく思わない」は0%という結果となり、日本における女性活躍に関する政策が進められている中、まだまだ実感できていない人が圧倒的に多く、一人ひとりの意識を変えていくさらなる取り組みが必要であることがうかがえる。

 「日本において、女性は自分の人生を、自分の意思で選択しやすい状況だと思うか(単一回答)」という質問に対して、「いいえ」と回答した人は44%という結果となった。また、その理由を尋ねたところ、「女性だからこうでなければならない・・・のような考えが強く残っていると思う」、「“こうあるべきである”という意識が強い国民性だと感じる。人と違う価値観や行動に対して攻撃的な文化があり、とくに女性に対してはその縛りが強いと思う」などが多く挙げられ、日本においては“女性はこうあるべき”という考え方がまだまだ根強いようだ。

 また、「自分の人生・キャリア・健康などについて、どのような権利・選択肢を持っているのか、それを学び考える機会が少ない」、「こうしたイベントに積極的に参加し、理解を深めることは大いに意味があることだと思った」などのコメントも寄せられた。一人ひとりの意識を少しでも変えていくため、同イベントのような取り組みが必要であることがわかった。

 「今の日本において、避妊・妊娠や性感染症の予防など、性に関する情報や知識を得やすい状況にあると思うか(単一回答)」という質問に対して、69%が「いいえ」と回答。次いで「どちらともいえない」が17%、「はい」が14%という結果となった。また、「いいえ」と回答した人に理由をたずねたところ、「学校での性教育が消極的」「家庭で教育するべきと思うが、昔からそれをタブーとする風潮があり、また学校教育でも不十分であると思う」といった回答が目立った。学校や家庭などで、大人から子供に向けて、正しい情報や知識が伝えられていないことが浮き彫りとなった。なお、この設問のみ「WHITE RIBBON RUN 2019」参加者以外の人に質問している(回収サンプル数83名)。

 3月2日に開催された「WHITE RIBBON RUN 2019」の東京会場では、ジョイセフアンバサダーを務めるモデルの冨永愛さんやモデルでヴィーガン・ペイストリー・アーティストの長谷川理恵さんらによるスペシャルトークショーが行われた。

 トークショーでは、はじめに、2012年にファッション誌の「VOGUE」が展開し、冨永さんと長谷川さんが日本を代表する女性モデルに選ばれた「ザ・ヘルス・イニシアティブ」プロジェクトを取り上げた。これはモードの世界が健康を損なってまで痩せた女性や、未成熟な若いモデルを「女性の理想のボディ」と思わせるような発信をやめ、「美と健康は不可分である」という信念に基づく紙面づくりや健康的な食習慣を推進するプロジェクトとなっている。

 同プロジェクトの開始から7年経った現状について、冨永さんは、「若すぎたり摂食障害があったりするモデルを使わない一方で、ビッグサイズのモデルや90歳のモデルなど多様性を反映したモデルが採用され、“不健康に痩せている人がきれいだ”というイメージを変えようとしている」と語った。長谷川さんは、「かつては私自身も食べないで痩せるという選択をしていたが、テレビの企画でマラソンに参加し、走る楽しさに目覚めるとともに、食べることの大切さに気づき、野菜ソムリエの資格を取るなど、食と運動を取り入れるようになった」と振り返った。

 その上で、普段の生活習慣について、「見た目を保つ必要がある仕事をしているので、普段から運動を心がけている。運動すると体が何かを欲しがったり、逆に何かを食べると体調が悪くなると気付いたりすることがある」と話す冨永さんに対し、長谷川さんは、「2000年に初めてマラソンを走って以来、運動・食事・睡眠のバランスに気をつけている」と明かしていた。

 なお、トークショー後の取材では、冨永さんと長谷川さんに国内外における現在の妊娠や出産事情についてコメントを寄せてくれた。

 冨永さんは、「“以前、アフリカのタンザニアを訪問したとき、当時の自分と同じ28歳の女性と出会った。12歳で結婚し、10人の子どもを産んで、そのうち2人は死産だったとのこと。出産場所は家の土間で、むき出しの土の上なので、衛生も悪く、とても危険な出産であり、短い間隔で出産することはお母さんの体にも負担になる。ジョイセフは、子どもがたくさん生まれ、避妊の考えが普及していないこうした国々で活動していますが、実は日本も避妊については語りづらい環境だ。先日、中学生の息子にコンドームの話をしたら、『お母さんからそんな話をされるなんて』とショックなようだったが、とても大切だから、きちんと伝えていきたい。ジョイセフ アンバサダーとして、日本でもきちんとそうしたことを話せる環境づくりに貢献していきたいと思う」と述べていた。

 長谷川さんは、「東日本大震災を機にチャリティランを始め、自分にできることは走ることだけだと思って走り続けている。女性の体について、私自身も若い時を振り返ると相談できる相手がおらず、産婦人科にも行きづらかったと感じる。日本社会も少しずつ変わりつつあるが、今よりもっとオープンに女性の体のことを話せる社会になって欲しいと思う。また、世界では1日に830人の女性が妊娠・出産を原因として亡くなっているという事実は、私も今回初めて知り、驚いた。そのことを知り、女性たちのために走ることを通して、世界の女性を支える活動が広がって欲しいと思う」と語った。

 このほか、広島会場でのバーチャルランイベントでのトークステージに参加した歌手/俳優のダイアモンド✡ユカイさんも、「私はセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの認知度を高めるI LADY.キャンペーンのアクティビストとして、また埼玉こうのとり大使として、不妊治療の経験を高校や大学で話している。妊娠・出産に関することは女性だけの問題と捉えられがちだが、私が経験した不妊治療は男女両方にとって同じだけの重みがある課題だと思う。男性だから、女性だからと分けて捉えるのではなく、ジェンダーを超えたところでお互いに考えていくべきではないか。また、日本では自然災害が多く、私たちはいつ、どこで自分が被災するか予想はできない。だからこそ、お互いに支え合い、小さなことでもいいので、自分にできることに取り組んでいく必要があると思う」とコメントを寄せてくれた。

[「WHITE RIBBON RUN 2019」開催概要]
開催日:3月2日(土)、3月3日(日)
会場:東京・有明、大阪城公園ほか全国38拠点/「どこでも誰でもバーチャルラン」45都道府県/世界13ヵ国以上

[アンケート調査概要]
調査期間:3月4日(月)~3月6日(水)
調査対象:「WHITE RIBBON RUN 2019」参加者及び「国際協力NGOジョイセフ」のSNSフォロワー(※20歳以上の女性)
回収サンプル数:112名(一部設問は83名)
調査方法:オンラインでのアンケート調査

WHITE RIBBON RUN 2019公式ホームページ=http://wrun.jp


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