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PSソリューションズ、第1回農業IoTアワードを開催、グランプリには匠の技をデータ化し高品質イチゴを栽培するGRAが受賞、ダチョウ倶楽部が最先端農業の可能性に驚く

2017.03.28 19:30 更新

 PSソリューションズは、3月28日に「第1回農業IoTアワード表彰式」を開催した。表彰式では、農作物栽培において、IT/ICTおよびIoTを活用した取り組みを行う団体・組織・企業などがプレゼンテーションを実施し、優れた取り組みに対して表彰を行った。そして、グランプリには、東日本大震災で被災した宮城県山元町で、匠の技をデータ化し、高品質なイチゴの栽培を行うGRAが受賞した。また、発表会には、お笑いトリオのダチョウ倶楽部がゲストとして登場。農業IoTに可能性を感じた寺門ジモンさんが、農業転身を宣言すると、上島竜兵さんと大喧嘩。その後、お決まりのネタで仲直りするなど、ITを活用した農業の素晴らしさをユーモア一杯に表現してくれた。

 「農業従事者の減少や高齢化、さらには担い手不足など課題が山積している。こうした中、最先端の科学と技術を応用し、農業が抱える課題解決に貢献するため、様々な研究を行っている団体や企業を応援するべく、第1回農業IoTアワードを開催する」と、農業IoTアワード実行員会の山口典男委員長が挨拶。「ITやICTおよびIoTを駆使して農業をよくしようとする取り組みを紹介してもらい、さらなる発展に役立ててもらうことを目指している」と、同アワードの主旨について説明する。「素晴らしい事例を発表してもらうことで、ITを活用した農業への多種多様なアプローチを共有できれば考えている」と、多くの事例を持ち寄り、さらなる発展に活かしてほしいと訴えた。

 そして、農作物栽培において、IT/ICTおよびIoTを活用した取り組みを行う9団体がプレゼンテーションを行った。宮城JA栗っこは、「未来を見据えたコメ作り“e-kakashi”の優位性と新たな農業者獲得に向けて」と題したプレゼンテーションを行った。「水稲生産部会において、データによる天候変化の把握と生育状況の確認を行い、e-kakashi設置圃場を含めた巡回検討会を行っている」と、環境データを生育状況について、実際の圃場で確認を行っているとのこと。「e-kakashiとJAの営農指導を両立させることで、将来を見据えたゆるぎない地盤を持った産地形成のために進んでいきたい」と、水稲の生育技術の向上の他、多くの担い手生産者に技術を引き継ぐことにe-kakashiを活用していきたいと話していた。

 GRAは宮城県山元町でイチゴを栽培。この地区は東日本大震災で被災しており、イチゴハウスの95%が津波に飲み込まれたという。発表者は、「2011年に手づくりハウスでイチゴの生産を開始。ITを導入した最先端のイチゴ栽培を導入した。その内容は、匠の技を定量化し、IoTを活用するということ。これによって高品質のイチゴ栽培を成功させた。現在、農業をさらに広げると同時に、新たな人材を育てる研修についてもIoT化し、映像で栽培技術の伝承を行っている」と、農作物の栽培のみならず、農業従事者の育成にもIoTを活用していると話していた。

 伊藤忠飼料は、「U-motionの普及拡大について~牛のライフログで畜産の未来を拓く~」と題したプレゼンテーションを行った。伊藤忠飼料は、農業ITベンチャーのデザミスと業務提携し、デザミスが開発したU-motionを活用し、牛のライフログを取得。U-motionによって蓄積されたデータをクラウドで一元管理しているという。「U-motionを飼育する牛に取り付けることで、疫病を予測したり、牛のライフログまで見える牛乳づくりなどを行う酪農家を支援している」と、U-motionの可能性について言及していた。

 テラスマイルは、“データを活かして、農業経営力の強化や営農指導力を支援、カイゼン・ラボの取り組み”と題したプレゼンテーションを行った。カイゼン・ラボは、農業者や営農集団に対して、質の高い営農支援を行う、普及員や営農指導員を支援するべく、集計・加工データや分析レポートを提供。マーケット分析やベンチマーキング、経営シミュレーション、過去データ・センサー情報の分析などを通じて、農業経営力を強化している。「今後は、人材育成やサービスの体系化を行い、栽培環境の構築や販路、選果場など、産地のボトルネックを解消。普及センターや試験場と連携した強化カルテの作成などに取り組んでいく」と、話していた。

 北海道士幌高等学校は、“最先端農業IoTを活用した次世代担い手育成モデルの構築並びに地域農業ノウハウの伝承”と題したプレゼンテーションをアグリビジネス科の生徒が行った。同校では、技術の継承を農業IoTによって進め、データを活用して栽培を科学的に分析。気象的な特徴を把握して、栽培の差別化を図ることを目的に学習に励んでいるという。「農業IoT学習を導入したことで、栽培育成技術の伝承・継承・共有ができた他、知識や技術の移転、現場への適用、訓練をサポートすることができた」と説明する。「今後は、栽培レシピを作成して、実証実験圃場を設置し、人材育成を行いながら地元農業に貢献していきたい」と、農業IoT学習をさらに昇華させると話していた。

 宮崎県立農業大学校は、「e-kakashiを活用したIoTによるICM技術の確立」と題したプレゼンテーションを行った。ICMとは、植物にとって快適な環境を整えて健全な作物を育てる技術とのこと。データを活用して健全な作物を育てるには、リアルタイムがキーワードになると考え、e-kakashiのデータを活用し、生育調査や病害虫発生調査などを行っているという。「e-kakashiでデータをリアルタイムに取得。講義で学んだことを栽培実習で確認できた」と、学んだ知識を実習で活かせたと報告していた。

 ヤマタネは、「萌えみのり・あきだわらの栽培を通じた産地連携」と題したプレゼンテーションを行った。プロダクトアウト型コメビジネスの限界から、マーケットイン型コメビジネスへの転換を図るべく、新品種「萌えみのり」と「あきだわら」の栽培を通じて、戦略的な生産・販売に取り組んだり、安定取引の促進を進めているという。こうした中、農業IoTによるソリューションを模索。e-kakashi導入により、暗黙知の形式化を図っているとのこと。「今後は、栽培の安定化と技術向上による実需へのフィードバックを進めていく」と話していた。

 京都府与謝野町は、「与謝野町のICT農業取り組みについて」と題したプレゼンテーションを行った。与謝野町は京の豆っこ肥料を生産。お米やキュウリ、トマト、水菜などの肥料として活用している。そして、与謝野町の農作物の栽培にICTを導入。高齢農家から新規就農や技術を短期間で伝授し、自立支援に活用しているという。「現在は、ベテラン農家と若手農家が一緒にワークショップに参加し、e-kakashiを就農への支援システムとして活用している」と、ICT技術を活用して、新たな作物の栽培に着手する農家も現れていると語っていた。

 


 リッスンフィールドは、海外農業IoTについて紹介。英語で「agroAPI」に関する技術的な内容のプレゼンテーションを行った。「agroAPI」では、農業をモニタリングし、指標となるデータを集積し分析。その内容をWEBを通じて提供していると話していた。

 すべてのプレゼンテーションが終了後、審査員が各賞の審査を行っている間、お笑いトリオのダチョウ倶楽部がタキシード姿で登壇。昨今の農業事情などについてトークショーを行った。「今回のアワードには高校生も参加するなど、未来性を感じることができた」と、農業の最先端技術に驚く肥後克広さん。寺門ジモンさんは、「農業IoTに大きな可能性を感じたので、農業に転身したい」と話すと、上島竜兵さんがこれに猛反対。しかし、お約束のネタで仲直りすると、「イタリアなど世界では地産地消が進んでいる。農業IoTによって、日本でも地産地消が一気に進んでいけばと思う」と、その土地でしか楽しめない食材などがたくさん誕生してほしいと話していた。

  


 一方、上島さんは、「昔の人の知識とIoT技術を一緒にしながら頑張ってもらいたい」と、農業従事者にエールを送っていた。最後に肥後さんは、「農業分野では、僕たちと同世代の人たちが第一線で活躍していると思う。体力的にもきつくなる年代なので、農業IoTがこうした点をカバーしてくれることを望んでいる」と、農業に従事する人々の手を助ける技術の登場に期待を寄せていた。

 この後、第1回農業IoTアワードのグランプリを発表。宮城県山元町でイチゴ栽培を営むGRAが受賞した。選考委員の東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授の二宮正士先生は、「すべてのプレゼンテーションに感銘を受けた。学生もこのアワードに参加するなど、若者が農業へ積極的に取り組んでいることを確認することができた」と、これからを担う若者たちが農業に関心を示している現状に目を細めていた。

 PSソリューションズは、第1回農業IoTアワードの開催を通じて、農業が抱える課題解決に資する科学とITを駆使した先進的な取り組みを支援し、周知させることで日本の農業の発展に貢献していきたい考えであるという。【PR】

PSソリューションズ=https://www.pssol.co.jp



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