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ICT CONNECT 21(みらいのまなび共創会議)が発足、教育情報化に関わる産・官・学が結集し教育ICT環境の標準化と普及を目指す

2015.02.03 10:27 更新

 一般社団法人 日本教育情報化振興会(以下、JAPET&CEC)を始めとする、教育情報化に関連する企業・団体が発起人となり、日本の教育情報化に関わる様々な企業や団体、有識者が集結し、省庁とも連携しながら議論を深めてビジョンを共有すると共に、標準を策定してその普及を図る協議会「ICT CONNECT 21(みらいのまなび共創会議)」が、2月2日に発足した。同日に行われた設立発表会では、「ICT CONNECT 21」の活動方針や組織体制、ビジョンが説明された他、各ワーキンググループの具体的な取り組みも紹介された。また、西銘恒三郎 総務副大臣と赤池誠章 文部科学大臣政務官が来賓挨拶を行い、「ICT CONNECT 21」の設立によって日本の教育情報化が大きく進展することに期待を寄せた。

 設立発表会では、まず発起人を代表して、白鴎大学教授でJAPET&CECの赤堀侃司会長が挨拶。「近年、子どもたちは、従来の教員による指導だけでなく、インターネット上のデジタルコンテンツやアプリなどを積極的に活用して学習するようになってきた。しかし、デジタルコンテンツには、良い面と悪い面がある。そこで、これからの教員は、教育の専門家であると共に、子どもたちとって最適な学習環境を支援していく役割を担っていくことが重要になる」と、ICT環境の普及にともない教育のパラダイムが大きく変化しつつあると指摘する。「こうした中で、子どもたちが自主的にICT環境にアクセスして、新たな知識を創出し、問題解決していく21世紀型能力を育成する教育モデルを世界各国が探求し始めている。今回、日本においても、教育情報化に関連する企業や団体、有識者が結集し、オールジャパンによる『ICT CONNECT 21』を設立することができた。ぜひ、多くの企業・団体にこの活動に参加してもらいたい」と、「ICT CONNECT 21」が日本の教育情報化をリードしていくのだと意気込んだ。

 次に、発起人代表として、三菱総合研究所 理事長でデジタル教科書教材協議会の小宮山宏会長が挨拶した。「今、世界的に情報革命が起こっており、人々のあらゆる生活環境に影響を及ぼしている。日本においては、企業を中心に情報革命が急速に進んでいる一方で、教育の現場ではなかなか進んでいないのが実状。とくに遅れているのが、小学校・中学校のICT環境である」と、日本の教育界は情報革命から取り残されつつあると訴える。「こうした教育現場の情報革命をスピードアップさせていくためには、日本国内の様々な企業、団体、学校などの協力が必要になる。今回発足した『ICT CONNECT 21』が、その推進役となり、情報革命の流れの中に日本の教育界をキャッチアップしていく」と、教育界における情報革命の旗振り役を「ICT CONNECT 21」が担っていくのだと話していた。

 ここで、西銘恒三郎 総務副大臣が来賓挨拶を行った。「総務省では、平成26年度からICTドリームスクール懇談会での議論を踏まえ、文部科学省とも連携して、先導的教育システム実証事業を進めてきた。同事業では、学習教育クラウドプラットフォームを構築することで、デジタル教材が自由に流通し、誰もがいつでもどこでも学習できる基盤の実現を目指している」と、総務省の教育情報化に関する取り組みを紹介。「そのためには、事業者ごとにデジタル教材がバラバラに機能するのではなく、適切な標準化が行われる必要があるが、『ICT CONNECT 21』の設立によって、今後、デジタル教材の規格の共通化や普及が進んでいくことが期待される。総務省でも、『ICT CONNECT 21』と密接に連携し、学習教育クラウドプラットフォームの構築、および教育の情報化を強力に推進していく」と、学習教育クラウドプラットフォームの構築に向けて「ICT CONNECT 21」との連携を密にしていく考えを示した。

 続いて、赤池誠章 文部科学大臣政務官が来賓挨拶。「技術革新が絶え間なく続く、厳しい国際環境の中を、次世代の子どもたちが生き抜いていくためには、ICTを活用することが必要不可欠になる。そして、子どもたちが自ら課題を発見し、その解決に向けて主体的かつ共同的に探求していくという学習姿勢を育んでいくことが求められる」と、これからの子どもの教育にはICT環境がなくてはならないと力を込める。「一方で、学校の先生にはICT環境の活用指導力が問われることになるが、現在は、地域間による格差が大きいのが実状だ。こうした中で、文部科学省としては、全国的な教育の機会均等を図るべく、ICT環境の整備促進、ICTを活用した教員の指導力向上、先端技術を活用した総務省との連携事業などを強力に進めている。この取り組みをさらに加速させるためにも、『ICT CONNECT 21』が発足した意義は非常に大きいと考えている」と、「ICT CONNECT 21」の活動を政府一丸となって全面的に支援していくと話していた。

 


 この後、「ICT CONNECT 21」の発起人とアドバイザリーボードが紹介されると共に、協議会ロゴを初披露。そして、「ICT CONNECT 21」の会長に、白鴎大学教授でJAPET&CECの赤堀侃司会長が就任したことが発表された。赤堀会長は、「『ICT CONNECT 21』の名称は、21世紀を担う子どもたちを育成するために、ICTに関わる産・官・学がコネクトしていくことを目指してネーミングした。また、日本語名称の『みらいのまなび共創会議』には、予測困難な未来に向かって、子どもたちが力強く学んでいける環境を共創していく会議にしようという想いが込められている」と、「ICT CONNECT 21(みらいのまなび共創会議)」のネーミングに込めた想いを熱く語ってくれた。

 「ICT CONNECT 21」の活動方針については、学研教育総合研究所の栗山健所長が説明した。「『ICT CONNECT 21』は、ネットワークオブネットワークスという考え方に基づき、教育情報化に関わる幅広い団体や企業、有識者が集結し、省庁とも連携しながら議論を深めてビジョンを共有し、『学習・教育オープンプラットフォーム』に関連する標準を策定してその普及を図るための共創の場として活動する。参加する団体や企業には、それぞれのもつ教育情報化のノウハウや知見を、活動の中で反映していってもらう」とのこと。

 「幹事会のもと、ビジョン委員会、技術標準化ワーキンググループ、普及推進ワーキンググループ、アドバイザリーボードなどの組織を設け、関連する省庁や教育機関とも連携して、教育の情報化の進展を目指していく」と、組織体制についても言及。「幹事会は、『ICT CONNECT 21』の組織運営に関する意思決定機関として、対外窓口、各ワーキンググループとの連携、アライアンス加入団体との連携などの調整を行う」と、幹事会の役割を紹介した。

 ビジョン委員会の活動について説明してくれたのは、同委員会の副座長を務めるベネッセ教育総合研究所の新井健一理事長。「ビジョン委員会では、2020年を当面のゴールとして、中長期のあるべき学習・教育環境を検討し、『VISION2020』を策定した。このビジョンに基づき、アクションプランを策定して実現を目指すと共に、各活動とビジョン、ミッションとの整合性を図っていく」と、2020年に向けたビジョンを策定し、その実現のために様々な活動を行っていくという。「『VISION2020』では、民間の協業体制と官学の連携によって、2020年までに、誰もがいつでもどこでもICTを活用して、世界最高レベルの学びに取り組めるような環境を実現する」と、ビジョンが目指す具体的な方向性について示した。

 技術標準化ワーキンググループの座長を務める上智大学の田村恭久教授が同ワーキンググループの活動内容を紹介した。「技術標準化ワーキンググループでは、ICT利用を普及させるべく、利便性を高め、高付加価値、低負担を実現するための技術の向上と標準化を図っていく」と、その役割を説明。「当面の活動としては、国内・海外の関連規格調査マッピングや、あるべき標準化の姿の共有、規格文書案の整備・公開を行う。最終的には、『ICT CONNECT 21』が制定した規格の国際標準化を目指す」とのこと。「標準化を行うことで、競争領域と協調領域の切り分けが可能となり、調達側にとっては、学習者のICT環境およびベンダーの選択肢が拡大し、コスト低減にもつなげられる。さらに、教育システムの国内から海外への輸出も見込まれる」と、標準化することでのメリットを訴えた。

 「普及推進ワーキンググループの役割は、これからの学びにおけるICT利用への正しい理解と世論の喚起を継続的に行っていくことである。さらに、ICTの活用によって新たな学びの可能性を生み出すエコシステムの具体化を図る」と、普及推進ワーキンググループの座長を務める慶應義塾大学の岩本隆教授が説明。「具体的には、協議会および参加企業各社による共同プロモーションと、ビジネス創出・拡大に向けた検討を行っていく」と、主に2つの活動を軸に展開していくと話す。「これらの活動を通じて、2020年に向けて、日本型学習・教育ICTプラットフォームを国内外にアピール・発信し、新たな日本の成長エンジンとして教育産業のさらなる発展を目指す」と、普及推進ワーキンググループの成果イメージについても紹介した。

ICT CONNECT 21(みらいのまなび共創会議)=http://ictconnect21.jp/



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