医療最前線

大塚製薬とネオジャパン、テレワーク時代の睡眠習慣をテーマにしたオンラインセミナーを開催、両社が共同開発した「睡眠改善プログラム」の活用事例についても紹介

2020.09.08 10:48 更新

 大塚製薬とネオジャパンは、テレワーク時代の睡眠習慣をテーマにしたオンラインセミナー「なぜ今『睡眠』が大切なのか? -テレワーク時代だからこそ社員は睡眠で変わる-」を9月4日に開催した。セミナーでは、睡眠研究の第一人者である久留米大学学長/久留米大学医学部神経精神医学講座 教授の内村直尚先生を招き、テレワーク時代でも仕事のパフォーマンスを上げる睡眠習慣について「睡眠リズム×こころの健康」をテーマに講演を行った。また、大塚製薬とネオジャパンが、働く人の健康管理を支援するサービス「健康サポートプラス」を通じて提供している「睡眠改善プログラム」の概要とその活用事例について紹介した。

 「コロナ禍の現在は、コロナストレスやコロナうつ、テレワーク疲れなど、メンタル不調に陥る人が少なくない。心の健康状態が良くないと、仕事でのパフォーマンスも低下するため、企業においては、社員のメンタルケアが重要な関心事になっている。特に、緊張状態の持続は、不眠につながり、不安障害やうつ病、アルコール依存症などの精神疾患を引き起こすリスクもある。そこで、先の見えない時代を乗り切るためにも、良質な睡眠を心がける必要がある」と、内村先生は、コロナ禍での健康維持には良質な睡眠が重要であると説明する。「テレワークでは通勤時間がなくなり、睡眠時間が確保しやすくなったといわれるが、睡眠は時間だけでなく質やリズムも大切になる。テレワークの問題点としては、規則正しい生活リズムを作りにくいことや、朝・昼の光を浴びなくなる、運動不足になる、仕事とプライベートのメリハリがなくなるといった点が挙げられる。また、慣れない新しい働き方やコミュニケーション不足、成果主義が求められることに加えて、コロナ禍によるストレス・不安が常につきまとうことで、睡眠の質が悪化してしまう」と、テレワークは睡眠の質を悪化させるリスクがあると指摘する。

 「最近では睡眠問題を引き起こす原因の一つとして、『体内リズムの乱れ』が注目を集めている。体内リズムを調節する役目を担っているのは体内時計で、25時間周期で動いている。これを24時間にリセットしているが、明暗のリズムや食事のリズム、社会的リズム、環境リズム、運動となる。しかし、テレワークが続くと、これらのリズムがすべて乱されてしまう可能性がある」と、テレワークによって体内リズムが乱れることが睡眠問題の要因の一つになっていると解説。「また、体内時計は、光にも大きな影響を受ける。朝の光は体内時計をリセットし、リズムを前進させるが、夜の光は体内時計を遅らせてしまう。特に、青色を含む夜の光は体内時計に強く作用するため、寝る前にスマホを使うとなかなか眠気が来なくなる。一方、昼に光を浴びると夜にメラトニンがたくさん出て、ぐっすり眠れるようになる。さらに、太陽の光は脳の覚醒を促すセロトニンの分泌を活性化させ、昼間に集中力を高め、仕事を効率よくこなすことができる」と、体内リズムと光との関係についても言及してくれた。

 「ぐっすり眠るためのポイントとしては、就寝前は、音楽やアロマ、軽い読書、入浴なでリラックスして過ごすこと。また、アルコールやカフェイン、喫煙など眠りを妨げるものは控えること。就寝する1時間前から照明を落とし、明るい光を避け、午前0時までには床につくようにしてほしい。朝は、一定の時刻に起床して光を浴びること。そして、規則正しい食事と規則的な運動を心がけることが重要になる。昼食後に20~30分の昼寝をすることも推奨している」と、質の高い睡眠のとるためポイントを紹介。「特にコロナ禍においては、まずは起きる時間を早めて、一定にすることから始めてほしい。起きている間に最大のパフォーマンスを発揮するには、朝のすっきりとした目覚めからスタートするライフサイクルが大切になる。そして、すっきりとした目覚めを得るために、体内リズムを整えることを意識してほしい」と、体内リズムを改善して睡眠の質を高めることは、働き方改革にもつながるとの考えを示した。

 続いて、大塚製薬とネオジャパンが共同開発した「睡眠改善プログラム」の概要について、大塚製薬の出口氏が説明した。「大塚製薬では、個人が主体の健康管理に加えて、社会と個人を主体とした、病気を意識する前からの『ステルスケア』に取り組んできた。『ステルスケア』では、社会やコミュニティが生活者を健康に導く仕組みを目指している。その中で、働く人が毎日利用するグループウェア『desknet's NEO(デスクネッツネオ)』に着目。このグループウェアに健康管理機能を搭載し、企業の健康経営を後押しするサービスとして、『睡眠改善プログラム』を開発した」と、「睡眠改善プログラム」を提供するに至る経緯を紹介。「このプログラムは、企業や部署などの組織単位で利用するサービスで、社員の睡眠状態、労働生産性を見える化することができる。プログラムの実施期間は約1ヵ月で、睡眠コンテンツの視聴(全4回)、当社の機能性表示食品『賢者の快眠 睡眠リズムサポート』(28日分)、睡眠評価アンケート(全3回)を組み合わせて睡眠改善をサポートする。また、企業の経営者・健康管理担当者向けレポートと個人向けレポートを提供し、結果をフィードバックしていく」と、プログラム内容について教えてくれた。

 ネオジャパンの市村氏は、「『デスクネッツネオ』は、ユーザー数400万人を超えるグループウェアで、どんな企業でもすぐに活用できる27のアプリケーションを標準搭載している。その中で、働く人の健康管理を支援するサービス『健康サポートプラス』を通じて『睡眠改善プログラム』を提供している。当社では、従来から自社の健康経営に力を注いでおり、今後、『デスクネッツネオ』の利用企業にも健康という価値を提供しようと考えていた時に、大塚製薬の取り組みに共感し、『睡眠改善プログラム』を共同開発することとなった」と、健康経営をサポートするという方向性が合致したことで大塚製薬との共同開発が実現したのだと話していた。

 そして、実際に「睡眠改善プログラム」を活用したメタフェイズの塩沢彰吾取締役が、プログラムの結果や利用した感想などを語った。「当社はWEB制作を手掛けており、就業時間が決まっていないこともあり、社員の生活リズムや睡眠状態が気になっていた。そこで、『睡眠改善プログラム』を4月から利用することにしたのだが、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が出され、全社員がリモートワークに移行したタイミングでの実施となった」と、働き方の環境が大きく変わる中で「睡眠改善プログラム」を開始したという。「プログラムの結果、睡眠状態については、プログラム前は『不眠症の疑いあり』が41.1%だったが、プログラム後には32.4%となった。また、平日/休日の睡眠リズムのズレであるソーシャルジェットラグ時間は、プログラム前は2時間以上のズレがある社員が14.7%だったのに対して、プログラム後は2.9%まで低減した」と、プログラムに参加したことで社員の睡眠状態や睡眠リズムを改善することができたとのこと。「労働生産性スコアについては、プログラムの前後共に平均スコアを上回っていた。また、労働生産性が損失スコアに換算されて出てくる点が、経営目線としてインパクトが大きかった」と、健康経営の視点からも効果的なサービスであったと述べていた。

大塚製薬=https://www.otsuka.co.jp/
ネオジャパン=https://www.neo.co.jp/
メタフェイズ=https://www.metaphase.co.jp/


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