医療最前線

日本バイオテク協議会、「COVID-19に係る会員企業開発品の早期開発実現に向けた要望書」を厚生労働大臣に提出、新たな助成金制度の導入など9つの要望を記載

2020.06.24 19:25 更新

 一般社団法人日本バイオテク協議会は、世界中で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬やワクチン等の迅速な開発が求められている中、同協議会会員企業各社にCOVID-19に係る開発状況について緊急アンケート調査を実施し、会員企業各社が抱える課題を整理したうえで、要望書として取りまとめ、6月16日に厚生労働大臣へ提出した。6月24日に行われたオンライン説明会では、今回提出した「COVID-19に係る会員企業開発品の早期開発実現に向けた要望書」の具体的な内容について説明した。

 「新型コロナウイルスは、中国を発端として、アジア、欧州、米国など多くの国に感染が拡大しており、世界全体でCOVID-19に対する治療薬やワクチン等の迅速な開発が求められている。そうした中、当協議会では、会員企業各社にCOVID-19に係る開発状況について緊急アンケート調査を実施した。その結果、回答が得られた正会員23社のうち半数にあたる11社が開発に着手しようとしていたが、開発を進めるにあたり、11社とも資金面等何らかの課題を抱えている状況であった。そこで今回、会員企業各社が抱える課題を整理し、要望書として取りまとめた」と、日本バイオテク協議会の山田英会長が、要望書を提出するに至る経緯を述べた。

 要望書の内容としては、「新たな助成金制度の導入」、「新型コロナウイルスに関する開発支援」、「診療報酬」、「パートナー支援」、「情報提供」、「制度改善」、「採血ルール」、「献血推進」、「その他(既存の助成金制度の見直し)」の9つの要望について記載しているという。

 「『新たな助成金制度の導入』の要望では、新型コロナウイルス治療薬開発に係る助成金の新設を提案した。助成金の対象としては、新型コロナウイルスに対するワクシニアベクターワクチン、免疫系細胞の増殖作用薬、変異型も含めたコロナウイルス新薬対応策などを考えている」と、治療薬を迅速に開発するためには、新たな助成金が必要不可欠であると訴えた。「『新型コロナウイルスに関する開発支援』の要望では、迅速にワクチン開発を進めるにあたって、国内製造メーカーとオールジャパン体制を組むための支援を提案した。また、感染症危機対応の診断システムとして、新型コロナウイルスの重症化因子であるマイコプラズマ感染症の診断薬MID Prismの早期薬事承認取得、およびMID Prismを活用した新型コロナウイルス検査体制の強化を提案した。あわせて、新型コロナウイルスの生成された抗原の提供を要望した」と、会員企業各社が必要としている開発支援についても取りまとめたと話していた。

 「『診療報酬』では、オンライン診療において、検査結果をデジタル送信した場合は、外来迅速検体検査加算を準用算定可とするか、検体検査デジタル送信加算(仮称)を新設することを要望した。『パートナー支援』では、新型コロナウイルス治療薬やワクチン開発などを共同で行う企業とのパートナーリングのための体制構築について提案。『情報提供』では、ワクチン開発を迅速に進めるために、動物実験等での効果判定研究機関の紹介や助成金等の支援策の詳細などの情報提供を要望した」と、要望書の提案内容について詳しく紹介。「さらに、『制度改善』として、遺伝子組換えワクチンについて、カルタヘナ対応に長期を要することに対する改善提案を行うと共に、ワクチンの国家検定の廃止を要望した。このほか『採血ルール』では、今回の罹患患者、完治患者からの採血について、平常時のルールを超えた一定の統一ルールの明示化を要望。『献血推進』では、患者血液の必要性から、国からの献血呼びかけなどの推進を要望した」と、ワクチン開発に関連する提案なども行ったと説明した。

 なお、「その他(既存の助成金制度の見直し)」の要望については、医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)における応募条件の緩和、CiCLEにおける担保/債務保証の緩和、医療研究開発革新基盤創成事業(ViCLE)の制度の見直し、CiCLEとViCLEにおける知的財産権取りあげの条件緩和を提案している。

一般社団法人日本バイオテク協議会=http://samurai-biotech.jp/


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