医療最前線

[新型コロナウイルス(COVID-19)関連]タカラバイオ、反応時間が1時間未満の迅速・簡便な新型コロナウイルス検出PCRキットを発売

2020.05.01 17:36 更新

 タカラバイオは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を、検体からウイルスRNAを精製する前処理工程を必要とせず、反応時間が1時間未満で、迅速、簡便に検出可能なPCRキット(製品名:SARS-CoV-2 Direct Detection RT-qPCR Kit、以下、同キット)を、5月1日から販売を開始する。

 新型コロナウイルスのPCR検査では、鼻咽頭ぬぐい液などの検体から、市販のRNA精製キットを用いた、ウイルスRNAの精製を行う工程(約1時間)が必要とのこと。同キットでは、独自技術によって簡便な前処理操作のみで、この工程を省略することが出来るという。さらに、同社の高速PCR技術の採用によって、PCR反応時間が大幅に短かくなり、トータルの検査時間が従来の方法に比べ半分以下の約1時間に短縮できるという。

 また、同キットは、PCR検査に必要な調製済みの全ての試薬(簡易抽出試薬、PCR酵素液、プライマー/プローブ、陽性コントロールなど)が含まれており、煩雑な準備作業が不要とのこと。前処理方法も、簡易抽出試薬を反応チューブに添加し、加熱するだけという非常に簡便な方法を採用しており、ウイルスも不活化されるため、検査現場の負担も軽減され、安定した結果を得ることが期待できる。同社のqPCR装置(Thermal Cycler Dice Real Time Systemシリーズ)のみならず、各社のqPCR装置への適合性を確認しているとのこと。

 さらに、同キットは、同社が開発した検体由来成分による反応阻害を受けにくいPCR酵素を採用しているため、従来法と同じ感度と精度が得られるという。同キットを用いた試験では、“1反応あたり50ウイルスゲノムコピー以下”の検出感度が確認されている。

 同キットは研究用だが、国立感染症研究所によって検査データの精度確認がなされ、ホームページで、「迅速な検査方法(逆転写および遺伝子増幅が1時間未満のもの)」として公開されている(「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019-nCoV 遺伝子検査方法について」(厚生労働省健康局結核感染症課 国立感染症研究所 4月30日版))ので、同キットは、行政検査に使用できるだけでなく、公的医療保険の適用対象ともなる。今後、医薬品医療機器法に基づく体外診断用医薬品として承認取得を目指す計画だ。なお、同キットの製品化にあたっては、群馬パース大学大学院 木村博一 教授(前 国立感染症研究所 感染症疫学センター 第六室長)に監修してもらったという。

 同社では、世界的なSARS-CoV-2のPCR検査需要に応えるべく、月産2万キット(200万反応分)の製造体制を整えている。今後とも、同社技術の実用化を通じて、SARS-CoV-2感染症対策に貢献していく考え。

タカラバイオ=http://www.takara-bio.co.jp/


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