医療最前線

日本フアイア研究会、キノコ由来の生薬「フアイア(顆粒)」に肝臓がんの延命率で有効性があることを確認

2019.11.12 20:10 更新

 日本フアイア研究会は、10月24日~26日に福岡で開催された「第57回日本癌治療学会学術集会」において「フアイア(顆粒)」の抗がん作用に関する中国における研究結果が紹介され、多くの反響があったことから、11月7日にセミナーを開催した。セミナーでは、がん治療に一石を投じる可能性がある「フアイア」の最新情報、「GUT」や「日本癌治療学会学術集会」で紹介された研究結果など、日本フアイア研究会の学術担当理事で西洋医かつ漢方医でもある新見正則先生から、「エビデンスレベル」の解説を交えながらわかりやすく説明してもらった。

 「まず、漢方薬・生薬で、悪性腫瘍の生存率改善を最終目標にした1000例規模のランダム化大規模臨床試験は存在するのか。漢方薬・生薬では存在しない」と、新見先生は指摘する。「では、エビデンスが高い薬はどういうものになるのか。DBRCTやRCTとなり、動物試験はヒトではどうなのかという疑問が存在するため、低くなる」と、エビデンスレベルについて解説。「漢方薬については、直接がん細胞を根絶させることなどはできないが、がん治療のサポート治療として活用することをお勧めしている」と、漢方薬は、がん治療の補完的な役割を担う薬として活用されているという。

 「しかし、フアイアという漢方薬は、英文誌GUTという権威ある医療雑誌に、肝がん手術後の無発生存率に有意差があると紹介された」と、フアイアはがん治療の補完的な漢方薬でなく、抗がん作用が期待できる漢方薬として紹介されているとのこと。「臨床試験中の副作用は下痢だけだった」と、副作用もほとんどない漢方薬なのだと説明していた。「この結果から、米国の国立がん研究所のホームページにはフアイアは抗がん作用の可能性があると記載されている」と、GUTで掲載されたエビデンスをもとに米国の研究所でもフアイアについて紹介されていると述べていた。

 「フアイアとは、えんじゅの老木に生えるキノコ。1970年代末に、末期の発生肝臓がん患者がフアイアを服用して完治したとの報告を受け、中国衛生部がフアイアの研究をスタート。10年以上の歳月をかけて、フアイアエキスが1992年に漢方第一類抗がん新薬として認可された」と、中国では昔から抗がん治療薬と認識されていたのだという。「活性成分は多糖タンパクで、6種の糖と18種のアミノ酸が結合したタンパク質。現在フアイアは、フアイアの菌糸体の培養から製造しているので、すべて工場内で製造が完了する。また、成分は均質で、永続的な製造が可能となっている」と、キノコなので、工場でも栽培が可能なことから、安定的に供給できると教えてくれた。「現在、フアイアは乳がんに対するプラセボ対象群を用いたダブルブラインドランダム臨床試験が進行中だ」と、エビデンスランクが最も高いDBRCTによる試験を行っているとのこと。

 「中国ではフアイアは肝臓がん、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がんで医療保険が適用されている。肝臓がんでは手術後6ヵ月医療保険が適用されている。一部地域では、フアイアは膵臓がん、前立腺がん、膀胱がん、甲状腺がんにも医療保険の適用になっている」と、中国ではフアイアは保険適用になっているという。「フアイアは2018年までエビデンスがなかった。それだけに、今あるもので近い将来、エビデンスを獲得するものもあるかもしれない。和漢の生薬や漢方薬からもフアイアと同じような抗がんエビデンスを獲得するものが登場してほしい」と、フアイアに続くエビデンスを有した漢方薬の登場に期待を寄せていた。「一方、フアイアについては医療用医薬品を目指すべきであると思っている」と、がんの治療に役立つ薬として利用されるように努力していく必要があると訴える。「今後としては、まずフアイアの製造販売後臨床試験を行っていきたいと思う」と、医療機関の協力を得ながら第IV相臨床試験を行う予定であると教えてくれた。

日本フアイア研究会=https://huaier.org


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