医療最前線

チャーム・ケア・コーポレーション、認知症改善プログラムの一環として第一回「チャーム・カレッジ」を開催、健康で自立して生活するための秘訣について講義

2019.08.22 18:41 更新

 首都圏・近畿圏を中心に介護付有料老人ホームを運営するチャーム・ケア・コーポレーション(以下、チャームケア)は、同社が主催する認知症改善プログラムの一環として第一回「チャーム・カレッジ」を、8月9日にチャームプレミア グラン 松濤(東京)で開催した。

 「チャーム・カレッジ」は、介護の質を向上させるためにチャームケアが取り組んでいる「認知症改善プロジェクト」の一環で、東北大学スマート・エイジング学際重点研究センターの村田裕之特任教授が監修を務めている。第一回となる今回は、村田特任教授を講師に迎え、「健康で自立して生活するための秘訣」について講義してもらった。当日は、入居者や入居者の家族をはじめ、総勢28名が参加。受講者は約1時間にわたる講義に真剣に耳を傾け、講義後の質疑応答の際には笑いも起こりつつ、和やかな雰囲気の中、スマートエイジングの重要性について理解を深めた。

 講義の初めに、「スマート・エイジング」について、村田特任教授が説明した。「平均寿命が年々伸び続け、人生100年時代といわれる現代、日本は高齢化率が世界一の“超々高齢社会”となっている。高齢化が進むことで、同時に認知症高齢者数も増え続け、2020年で631万人に達すると予想されている。認知症による社会的コストは、日本においては年間約14兆円かかるといわれており、内訳としては、介護費が医療費を大きく上回っている。そんな中、介護従事者は不足し続けているため、『健康寿命の延伸』だけでなく、『要介護時間の最小化』が重要な課題となってきている」と、日本が抱える認知症介護の課題について指摘。「単に長生きするよりも、『いかに』長生きするかが問われる時代、そこで重要になるのが『スマート・エイジング』の考え方だ。年を取ることは退化である、年を取ることは醜い、という従来の加齢に対する不のイメージではなく、『加齢とは人間の発達であり、いくつになっても人間は成長できる』というのがスマート・エイジングの考え方となっている」と説明し、スマート・エイジングを実現するために必要な条件として、(1)身体を動かす習慣、(2)脳を使う習慣、(3)バランスのとれた栄養習慣、(4)人と積極的にかかわる習慣の4条件を挙げてくれた。

 「要介護になる原因の一番は認知症、二番は脳卒中だが、認知症の原因の約30%が脳卒中といわれており、脳卒中の予防が介護予防のために非常に重要となる。脳卒中の原因は生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)であり、生活習慣病の予防には『有酸素運動』が適している。1日30分程度、ウォーキングや軽いジョギングを行うことが効果的だ。さらに、有酸素運動によりBDNFというたんぱく質が脳内に分泌され、この状態で『脳トレ』を行うと、脳機能がより改善されると期待されている」と、認知症予防として有酸素運動を推奨していた。村田特任教授のおすすめの運動時間は、朝起きてから朝食を取るまでの間とのこと。「朝にリズミカルな運動を行うことで、セロトニンという神経伝達物質も脳内で分泌され、鬱病の予防にも効果的。ただし、寝ている間に体内から水分が抜けてしまっているため、運動前には十分な水分補給を行うことが大切だ」と話していた。

 「介護が必要になった原因を男女別でみると、男性は脳卒中、女性は認知症、骨折・転倒、関節疾患が上位を占めている。女性の20歳と80歳時の推定筋肉量を比較すると、下肢の筋肉量の減少率が著しい。有酸素運動として効果的なウォーキングだけでは下肢や体幹部の筋肉はつかないため、『筋トレ』が必要となる。筋トレを行う際には、とくに『大腰筋』『大腿四頭筋』『お尻の大臀筋・腹筋・背筋』といった加齢の影響を受けやすい筋肉を鍛えることが重要になる。自宅でも開眼片脚立ちやスクワットを行うことで、これらの筋肉を鍛えることができる」と、体幹部と下肢の筋肉を鍛える「筋トレ」も毎日の習慣にしてほしいと述べていた。

 「加齢により、頭の回転速度が落ちる、記憶できる量が減るなど、脳の機能は低下していく。これらは、『前頭前野』という脳の司令塔の働きを担う部分の機能低下とされている。そこで、前頭前野を活性化させることで、機能低下を防ぎ、認知症予防につながると考えている。例えば、音読や手書き、簡単な計算が前頭前野を活性化させることが科学的に検証されている。自宅でできる手軽な脳トレとしては、『一日一回、800字程度の文章を大きな声で音読する』こと。声を響かせながらメリハリをつけて、リズミカルに読める文章が最適だ」と、脳の前頭前野を活性化させる「脳トレ」が認知症予防のカギであると力説していた。「脳トレ」についても、おすすめの時間帯は午前中だとか。「有酸素運動と筋トレを行った後に行うことで、より効果を得ることができる。時間は長くても15分程度で十分。長すぎると脳が疲労してしまい逆効果になる」と、効果的な「脳トレ」方法を教えてくれた。

 「壮年期から中年期においては栄養過多が寿命を縮めるが、高齢期においては栄養不足が心身機能を衰弱させる原因になる。栄養不足によって、筋肉量の減少、身体機能の低下=サルコペニアを招く。生活習慣病やサルコペニアを防ぐためには、『スーパー和食』が最も効果的。スーパー和食とは、米のごはんを中心に、魚介類、豆類、海藻類など腹持ちのよい食品を多く、それに少し欧米化したメニューが入っているものを指す」と、サルコペニア予防のために、「スーパー和食」を摂取してほしいと語る村田特任教授。「スーパー和食は、消化吸収のスピードが遅く血糖値が上がりにくいため、体内の代謝が活発になる。また、マウスの実験により、がん発症率が現状の4分の1、糖尿病発症リスクが5分の1、認知症発症リスクが4分の1に低減したというデータが出ており、内臓脂肪を減らす効果もあることから、体への負担が少ないことがわかっている」と、「スーパー和食」の健康効果について解説してくれた。

 なお、第二回「チャーム・カレッジ」は、10月18日にチャームプレミア永福(東京)で開催する。次回は、脳科学者の瀧靖之先生を招き、「脳科学から見る脳の発達と加齢」「脳の発達」などについての講義を実施する予定。【PR】

チャーム・ケア・コーポレーション=http://www.charmcc.jp/


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