医療最前線

日本イーライリリー、肝細胞がん治療における「サイラムザ」の位置づけについてセミナーを開催、点滴製剤の「サイラムザ」は用量強度を保ちながら治療することが期待可能

2019.08.06 19:23 更新

 日本イーライリリーは、今年6月に、「がん化学療法後に増悪した血清AFP値が400ng/mL以上の切除不能な肝細胞癌」に対する治療薬として、抗悪性腫瘍剤「サイラムザ点滴静注液100mg、同500mg」(一般名、ラムシルマブ「遺伝子組み換え」以下、サイラムザ)の承認を取得した。サイラムザは、これまでに胃がん、結腸・直腸がん、肺がんの治療薬として認証されているが、肝細胞がんについても、新たな治療選択肢として期待されている。8月1日には、近畿大学医学部 消化器内科学 主任教授 工藤正俊先生を招き、肝細胞がん治療の現在と今後の展望についてセミナーを開催した。

 肝臓がんの罹患数(2015年、全国推計値)は、4万164例で、死亡推定数は2万7114例だという(2017年度、国立がん研究センターがん情報サービス)。肝細胞がんは、肝臓がん全体の85~90%を占めており、その予後は不良とのこと。とくに腫瘍マーカー検査(がんの血液検査)でAFP(アルファ・フェトプロテイン)と呼ばれる腫瘍マーカーが高い患者の場合、一次治療後の生存期間は3~5ヵ月と予想されているという。こうした中、日本イーライリリーは、今年6月に、「がん化学療法後に増悪した血清AFP値が400ng/mL以上の切除不能な肝細胞癌」に対する治療薬として、抗悪性腫瘍剤「サイラムザ」の承認を取得した。セミナーでは、肝細胞がん治療における「サイラムザ」のエビデンスを紹介すると共に、適正使用について正しく理解してもらうべく、工藤先生が講演を行った。

 「肝細胞がんにおいて、近年複数の分子標的薬剤が開発に成功。今年6月には『サイラムザ』が承認され、肝細胞がんの薬物治療は4剤使用可能となり、Multi MTA(Multi Molecular Targeted Agents)時代に突入した」と、肝細胞がんの治療選択肢が広がっているとのこと。「『サイラムザ』は、血清AFP値が400ng/mL以上の集団を対象に初めて臨床試験を実施し、有意に全生存期間を延長した」と、試験結果についてグラフなどを交えながら詳しく解説。「『サイラムザ』は点滴製剤であり、用量強度を保ちながら治療することが期待できる」と、副作用が出にくく安全性も高い治療薬なのだと指摘する。「今後の治療戦略としては、局所療法の時点から肝予備能を維持することが重要であり、分子標的薬剤の投与の機会を逃さないことが大切となる」と、分子標的薬剤を効果的に使用して、生存期間の延長を目指すことが重要になると説明した。

日本イーライリリー=https://www.lilly.co.jp/


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