医療最前線

佐藤製薬とエーザイ、爪水虫に関するメディアセミナーを開催、白癬菌の感染拡大・再発を防ぐために経口薬による完全治癒を

2019.04.22 20:27 更新

 佐藤製薬とエーザイは、爪水虫に関するメディアセミナー「感染拡大・再発を防ぐカギは完全治癒 ~爪水虫(白癬)の完全治癒に向けて~ 」を4月19日に開催した。今回のセミナーでは、気温と湿度が上がり、白癬菌の活動性が高くなるシーズンを前に、多くの爪水虫患者と向き合っている埼玉医科大学皮膚科 教授の常深祐一郎先生を招き、爪水虫の実状や治療の課題について解説してもらった。

 「爪水虫は、カビの一種である白癬菌が爪に感染して起こる感染症となっている。白癬菌は、皮膚の角質や爪、毛にあるケラチンというタンパク質が大好物で、まず足裏の角質層に感染して足水虫を発症する。そして、足水虫を放っておくと、白癬菌が爪の先端や側縁から爪の下に侵入して増殖し、爪水虫を引き起こす」と、常堀先生は、爪水虫とはどのような病気なのかを説明。「日本では、足水虫の患者数は5人に1人、爪水虫は10人に1人と推定されており、今や水虫は国民病ともいえる状況だ。とくに、爪水虫は増加傾向にあり、治療しないままでいると、他人にも感染を広げてしまうリスクがある」と、爪水虫の患者数は増加しつつあると述べていた。

 「爪水虫を発症すると、爪の表面が濁ったり、筋ができたりする。進行すると爪が分厚くなって自分では切れなくなり、歩くと痛みをともなう。また、背部の湿疹や臀部の皮疹など、他の感染症の侵入門戸にもなってしまう。しかし、爪水虫は、見た目だけでは正確な診断ができないため、皮膚科による検査が必要になる。検査では、爪の濁った部分を削って顕微鏡で観察し、白癬菌の感染を確認する」と、爪水虫が疑われる場合は、必ず皮膚科を受診してほしいとのこと。「治療にあたっては、薬剤で白癬菌を完全除菌することが基本となる。そして、いったん爪水虫になった爪は、治療によって健康な爪にするのではなく、爪の根本から健康な爪に生え変わらせる必要がある。健康な爪に生え変わるまでには、6ヵ月から1年以上かかり、見た目できれいになっていても、白癬菌が除菌されていないと、ほとんどのケースで再発してしまう」と、白癬菌を完全除菌する前に治療をやめてしまうと再燃・再発を起こし、再び感染を広げる恐れがあると指摘した。

 「爪水虫の治療薬としては、爪表面から薬剤を浸透させて効果を発揮する外用薬と、口から服用して血流から爪の病変部に到達させる経口薬の2つの選択肢がある。日本では1997年に経口薬が発売され、2014年から外用薬が発売された。外用薬は、塗るだけで手軽に治療できるというイメージがあるが、経口薬に比べて投与期間が長いため、完全治癒に至るまで治療が続かないという課題を抱えていた」と、外用薬による治療では完全治癒できないケースが多かったという。「そうした中で、昨年新たな経口薬としてホスラブコナゾールが発売された。ホスラブコナゾールは、1日1回100mgを12週間連続投与する経口薬で、短期間での完全治癒が可能になった」と、短期間の投与で爪水虫が治療できる新たな経口薬に期待を寄せていた。

 「現在、日本・英国・カナダにおける爪水虫の治療ガイドラインでは、経口薬が治療法の第一選択になっており、外用薬は、経口薬が使用できない症例や、外用薬でも治癒が期待できる病型・重症度に応じて選択されるようになった。爪水虫の感染拡大・再発を防ぐためにも、経口薬による治療を行い、完全治癒を目指してほしい」と、経口薬を使った治療を完全治癒までしっかり続けてほしいと訴えた。

佐藤製薬=https://www.sato-seiyaku.co.jp/
エーザイ=https://www.eisai.co.jp/


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