医療最前線

文京学院大学、"肩こり"と"首こり"のメカニズムを筋肉の動きから解明、首こりは伸展系と回旋系に分けたセルフケアが有効

2019.03.20 18:16 更新

 文京学院大学は3月19日、「肩こりにもつながる“首こり”を筋肉の動きから解明」をテーマにしたセミナーを開催した。同セミナーでは、頭頸部・体幹・上肢に対する理学療法を専門分野とする文京学院大学 保健医療技術学部 理学療法学科 助教の上田泰久先生が登壇し、ゲームやスマホ、デスクワークなどによる姿勢の悪さを要因とする、現代人や子どもならではの“肩こり”や“首こり”が起こる原因となる筋肉の動きについて紹介した。

 「肩こりの有訴者は男女共に高く、とくに頸部(首)から肩甲骨内側(肩)にかけて自覚する人が多い」と、肩こりの発生部位について説明する上田先生。「首や肩の後ろ側がこる原因として、スマホやデスクワークによる姿勢が影響していると思われる」と、スマホやデスクワークといった現代人に欠かすことのできない生活習慣が、首や肩のこりの原因になっているのだと指摘する。「スマホを使用する際、首を前傾させていくのだが、この角度がきつくなるほど、頭頸部への負担が大きくなる」と、頭部の重心から荷重点や支点、力点がずれてしまうことで、頭頸部に大きな負荷がかかってしまうのだという。「また猫背の姿勢は、後頸部の筋を過剰に収縮させている」と、デスクワークの姿勢は猫背になりがちなため、肩や首の筋肉を収縮させてしまうのだと述べていた。

 では、肩や首のこりに関係する筋肉とはどれになるのだろうか。「深層の筋肉である頭半棘筋(とうはんきょくきん)および頭板状筋(とうばんじょうきん)と僧帽筋(そうぼうきん)が癒着することで発生する場合と、深層の筋肉である、小菱形筋(しょうりょうけいきん)と大菱形筋(だいりょうけいきん)、肩甲挙筋(けんこうきょきん)、棘上筋(きょくじょうきん)が僧帽筋と癒着して起こるケースが多い」と、深層の筋肉と上層部の筋肉は張り付いてしまうことで肩こりが発生してしまうのだという。「首こりに関係する筋肉は、後頭下筋群(右側4つ+左側4つの8つの筋肉)とされ、深層部の第二層および第三層の筋肉が癒着してしまうことに起因する」と、第二層と第三層の筋肉がくっついてしまうことでトラブルが発生するのだと教えてくれた。

 肩こりおよび首こりに関係する筋肉に対する指圧やマッサージは有効なのだろうか。「肩こりでは、個々の筋肉をそれぞれ収縮させて、筋の癒着の改善および筋ポンプによる血流改善を図ることが重要となる」と、上田先生は説く。「首こりでは、回旋や伸展の等尺性運動が後頸部の欠陥に影響を及ぼすことから、後頭下筋群を一つにまとめず、伸展系・回旋系に分けたセルフケアが有効となる」と、伸展系で大後頭直筋と小後頭直筋を、回旋系で主に下頭斜筋をケアすることが重要なのだと述べていた。

 そして、首のこりを解消させるセルフケアを紹介。「まず、回旋系の深層筋の反復収縮を行い、伸展系の深層筋の反復収縮を行う。そして、伸展系の表層筋の等尺性収縮から屈曲系の深層筋の等張性収縮といった流れでケアすると効果的だ」と、各筋肉ごとに適した動作で首こりを解消させてほしいと語っていた。この後、首こり改善運動を細かく解説。「回旋系の深層筋の反復収縮については、イヤイヤ運動と命名した。目を閉じて左右にゆっくり動かすことを20回繰り返してほしい。これによって深層筋の下頭斜筋を収縮させる」と、寝た状態で行ってほしいと話していた。「伸展系の深層筋の反復収縮では、うなずき運動と命名した。目を閉じて、軽く上を向くように動かす。これを20回行ってほしい。深層筋の大・小後頭直筋を収縮させる」と、仰向けがベストの体勢であると述べていた。「伸展系の表層筋の等尺性収縮は、枕押し運動を行ってほしい。目を閉じて、頭で3秒間くらい枕を押す。これを10回行ってほしい。これによって、表層筋の僧帽筋・頭半棘筋・頭板状筋を収縮させる」と、解説していた。「屈曲系の深層筋の等張性収縮では、アゴ引き運動を行ってほしい。目を閉じて、3秒間くらい顎を引く運動を10回繰り返してほしい。深層筋の椎前筋を収縮させる」と、頸部後方の筋のストレッチ・リラクゼーション効果も期待できると語っていた。【PR】

文京学院大学=https://www.u-bunkyo.ac.jp/


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