医療最前線

グラクソ・スミスクライン、COPD(慢性閉塞性肺疾患)に関するメディアセミナーを開催、COPD患者に対する地域における多面的な包括ケアの取り組みを紹介

2018.11.19 18:45 更新

 グラクソ・スミスクラインは、11月21日の「世界COPDデー」に向けて、COPD(慢性閉塞性肺疾患)に関するメディアセミナーを11月15日に開催した。今回のセミナーでは、神奈川県川崎市幸区で、地域におけるCOPDの取り組みを実践している、いきいきクリニック院長の武知由佳子先生が登壇し、COPDの課題と地域における多面的な包括ケアの意義について講演した。

 「タバコの煙には、アンモニアやホルムアルデヒド、カドミウム、トルエン、フェノール、ベンゼン、シアン化水素、一酸化炭素、ダイオキシンなど、4000種類以上の化学物質および60種類以上の発がん性物質が含まれており、“毒の缶詰”ともいえる。このタバコの煙を主とする有害物質を、長期に吸入曝露することによって生じる肺の炎症性疾患がCOPDである」と、COPDはタバコの煙によって引き起こされるのだと強調する武知先生。「COPDでは、末梢気道病変と気腫性病変が複合的に関与して気流閉塞が起こる。そして、呼吸機能を徐々に低下させ続け、進行すると呼吸不全を起こし、死に至る。COPDは、世界的に死亡率が増加し続けており、日本では2016年に男性死亡原因の第8位となっている。この順位は、今後さらに上がっていくと予想される」と、COPDの死亡率は増加傾向にあると説明した。

 「COPDは、健康的な日常を阻害し、患者のQOLを低下させるとともに、労働生産性を低下させるため、社会経済的にも影響を及ぼしている。今後、高齢化が進み、COPD患者の増加が予測される日本では、COPDへの医療費が増大することも懸念される」と、COPDは社会的・経済的な負荷も高く、早期発見・早期治療につなげる取り組みが重要になると指摘する。「しかし、COPDの認知度はまだまだ低く、適切なケアまでたどり着けない患者も少なくないのが実状だ。原因がわからないまま息苦しさに襲われると、呼吸が乱れ、自分の呼吸で動的肺過膨張を起こし、呼吸困難感がさらに高まる。救急車で救急外来を受診するものの、急性期を過ぎると即退院となる。この繰り返しで、COPDと診断されないまま病院依存になってしまうこともある」とのこと。「また、息切れが起こると動きたくなくなり、しだいに下肢の筋肉が衰えていく。すると、さらに動かなくなり、食欲もなくなって、体力・筋力が低下。息切れが悪化していくという悪循環に陥る危険性もある」と、COPDに対する適切なケアが求められていると訴える。

 「当院では、COPDの患者に対して、多面的な包括的呼吸ケア・リハビリテーションを実践している。具体的には、包括的呼吸リハビリテーションとして、口すぼめ呼吸や腹式呼吸、毎日の散歩や体操などの運動を継続することで、体力・筋力のアップを図り、息切れの改善につなげていく。これは入院して行うのではなく、日常生活の中で行うことが大切であり、そのために当院の在宅チームが患者に寄り添い、地域とともに伴走しながらケア・リハビリテーションに取り組んでいる」と、武知先生が実践している地域における多面的な包括ケアについて紹介。「一方で、筋肉が弱ってしまったCOPD患者には、運動療法を行うと全身性炎症を増悪させるリスクがある。そのため、抗炎症薬や抗炎症作用のある栄養剤、非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)との併用により、全身性炎症を増悪させないアプローチをとっている」と、COPDは全身性炎症へのケアも重要であるとの見解を述べた。「薬物治療としては、気管支拡張薬の吸入治療を行うと、呼吸機能の改善に大きな効果が見込まれる。とくに、ムスカリン受容体拮抗薬『LAMA』とB2受容体刺激薬『LABA』の合剤による吸入治療を行うことで、長時間作動性に期待できるといわれている」と、薬物治療のポイントについても教えてくれた。

 「当院の多面的包括的呼吸ケア・リハビリテーションでは、これからも禁煙外来を通じてCOPDにならないよう繰り返し禁煙を訴えかけ、COPDの早期診断と適切な治療介入に取り組んでいく。そして、COPD患者に対しては、地域とともに、急性増悪を起こさないよう在宅ケアを行い、急性増悪が起きた時には早期発見・早期介入でリハビリテーションをサポートしていく」と、今後もCOPDの予防対策から患者のケア・リハビリテーションまで生涯にわたって伴走していくと話していた。

グラクソ・スミスクライン=https://jp.gsk.com/


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