医療最前線

東京電力エナジーパートナー、心身に悪影響を及ぼす「秋バテ」に要注意、高齢者が気を付けるべき「秋バテ」の予防法を精神医療専門医に聞く

2018.09.19 17:02 更新

 電気・ガスの販売に加えて、IoTによる見守りサービスを提供する東京電力エナジーパートナーは、今夏の猛暑において、とくに高齢者の熱中症患者が増加したことを受け、横浜相原病院・院長で、日本老年精神医学会専門医であり精神医療を専門としている吉田勝明先生に、「夏から秋へ移り変わる際に高齢者が気を付けるべきこと」について聞くとともに、心身に不調を発症する「秋バテ」を予防するポイントをアドバイスしてもらった。

 今年は5月中旬から各地で真夏日を観測し、夏に入ると各地で最高気温40℃前後を記録するなど、気象庁が「命に危険を及ぼすレベル」の暑さとして注意喚起を行うほどだった。そんな中、熱中症で救急搬送された人は全国で8万2014人と、昨年の同じ時期と比較し、倍近くになっていることが発表された(4月30日~8月19日、消防庁発表)。救急搬送後に熱中症が原因で死亡した人は144人に達し、例年以上にクーラーの使用や水分補給など、熱中症対策の重要性が強調された。こうした記録的な暑さは、体調にどのような影響を及ぼしたのだろうか。

 吉田先生は、医療現場で働く視点から、今夏の熱中症の特徴について、「急に重症化しやすい」ことを挙げ、「通常であれば、春から夏の時間の経過とともに徐々に気温に慣れ、暑さに順応していく。しかし、今年は5月頃から急に暑くなった。そのため、体調管理が追い付かず、熱中症になってしまった患者が多かったようだ。急な気温上昇の影響で、症状も急に変化しやすかったといえる」と分析する。

 猛暑が続いた時期には熱中症に対する危機意識から細心の注意を払っていても、例年9月以降も熱中症で救急搬送される人は多い。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではないが、一番のピークが過ぎると、つい「暑さ対策」を忘れがちになってしまうのではないだろうか。とくに、高齢者は温度に対する感覚が弱くなるため、室内でも熱中症にかかりやすいといわれており、残暑においても、引き続き水分を補給することを促したり、クーラーの利用を喚起したりする必要があるといえる。

 では、これからの季節に高齢者が気を付けたい症状としてはどのようなものがあるのだろうか。「残暑」の時期に陥りやすい症状について吉田先生は、「残暑から秋にかけては『秋バテ』に注意が必要だ。『秋バテ』とは、夏が過ぎても『夏バテ』のような症状(体調不良、食欲不振、だるさなど)を発症すること。『夏の疲れ』や『朝と夜の激しい気温差』などが主な原因とされ、猛暑を乗り切り『涼しくなってきたから大丈夫』という油断によってどっと体調を崩してしまうといったケースがある。さらに、『秋バテ』の怖いところは、規則正しい生活リズムが崩れたり、夏から秋の季節変化によって自律神経が乱れることにより『季節性のうつ症状』を発症してしまう恐れもある」と説明した。

 「秋バテ」は、身体だけでなく、精神的な不調である「季節性のうつ症状」を発症してしまう恐れがあるが、身体的な症状に比べ、こうした精神的な症状は予防をすることが難しいと感じる人も多いはず。そこで、吉田先生に、夏から秋へ移り変わる際に、高齢者が気を付けたい「秋バテ」を未然に防ぐ取り組みや考え方を紹介してもらった。

 「高齢者は、予備力が低いことに加え、加齢にともなう心身の衰えや病気などが影響する。また、配偶者や子、兄弟など近親者の病気や喪失などによって、孤独を抱え、閉じこもりがちになったり、不安に陥りやすい傾向があるため、『秋バテ』には注意が必要だ。夏は、陽の光も強く、気持ちも高まりやすい時期。一方で、秋は『祭りの後の静けさ』といった雰囲気もあり、夏とのギャップを感じやすいと思われる。また『食欲の秋』『読書の秋』など、周りが盛り上がるものの、自分だけが取り残されている感覚になったり、日が暮れるのが早くなり何となく物悲しい気持ちに陥りがち。そういった理由で、『秋バテ』が進行しやすい傾向にある」とのこと。「とくに今年は、夏の記録的猛暑によって身体的な負担が大きく、疲れがたまっている。そこに秋口の寒暖差によって、さらに体への負担がかかり、例年以上に『秋バテ』を発症しやすく、精神的にも負担がかかりやすいことが考えられるので注意してほしい」と、今年は「秋バテ」になりやすい状況になっていると指摘した。

 「高齢者の『秋バテ』を予防するには、定期的なコミュニケーションをとり、気にかけてあげることが大切。そして、コミュニケーションの中で『いつもと違う』と気付くことが重要だ。そうすることで、『何か』が起こる前に対策をとることができ、孤独感を軽減させることもできる。その第一歩は、普段の生活を通して、高齢者の『いつも』を知ることから始まる。『いつも』を知り、高齢者の生活状況やリズムから、様子がおかしいと気付くことが『秋バテ』の防止につながっていく」と、高齢者の「秋バテ」の予防ポイントを教えてくれた。

 また、吉田先生は、高齢者の「いつもと違う」を知る簡単チェック方法として、(1)毎日3食、規則正しく食事をとっているか、(2)夜中にもテレビがついていたり、洗濯をしているなど、夜間の活動が多くなっていないか、(3)一日中自宅に閉じこもっていないか--の3つの確認項目を紹介。「『秋バテ』になると、食欲不振に陥ることがある。栄養の取れる食事をきちんととっているか確認してほしい。また、『秋バテ』になると、不眠に陥り、昼夜逆転してしまうこともある。夜中の不自然な行動には要注意。さらに、『秋バテ』になると、仕事や趣味などのやる気がなくなる傾向がある。日頃出歩いている人が、閉じこもりがちになっていたら注意してほしい」とアドバイスしてくれた。

 東京電力エナジーパートナーでは、離れて暮らす家族を見守り、高齢者の「いつもと違う」をチェックできるサービスとして、「TEPCOスマートホーム 遠くても安心プラン」を提供している。同サービスは、家電の利用状況から、離れて住んでいる家族の暮らしぶりをスマートフォンで簡単に確認できるもの。例えば、離れて暮らす家族の地域で熱中症警戒レベルが上がっているときに、エアコンの使用がなければ、メールでアラートする機能を備えている。そのアラートを受けて、見守る家族に電話をすることでエアコン使用を促し、熱中症を予防するだけでなく、コミュニケーションのきっかけにもつながるという。

 また、電子レンジや炊飯器などのキッチン周りの家電の使用状況から食事をとっているかどうかを見守ったり、不自然な時間に家電が使用されていないかという確認をとることで、生活が乱れていないか把握することができる。このように家電の使用状況を見守ることで、「いつも」を知り、コミュニケーションをとることで高齢者の「秋バテ」の予防につなげることができるという。なお、サービス導入で設置する機器は、分電盤に取り付ける小さなエネルギーセンサーだけ。設置作業は、同社指定の施工会社が行うため安心とのこと。

 さらに、従来の見守りサービスは、「本人が自覚できない加齢による変化が見えない」、「暮らしぶりを知るための接点が少ない」など、「ちょっとした変化に気付きづらい」という課題があったが、同サービスでは、主要な家電それぞれの使用状況を確認することにより、この課題を解決している。見守る人は、契約者を含む最大5人まで登録でき、「どの家電」が「どれくらい使われたのか」をいつでもスマートフォンで確認できる。また、日・週ごとにまとめたレポートをメールで受信することもできる。家電の利用状況から、いつもと様子が違うと判断した時はメールで通知する。心配な時は、「訪問確認サービス」を利用することも可能となっている(年2回は無料)。

 吉田先生は、「遠くても安心プラン」の魅力について、「『遠くても安心プラン』は、高齢者の尊厳を守りながら『いつもと違う』に気づけるサービスだと考える。離れて生活していると、いつもの様子がわかりにくいため、ちょっとした変化に気づきにくく、高齢者の危険を未然に防ぐ機会を失ってしまう。また、何か起こった際にも、いつもの様子がわからないため、いざ病院にきても医師に状況を十分説明できないという患者も少なくない。日々の生活の様子を知れば、そこからコミュニケーションが生まれ、高齢者の孤独を解消し、精神的な健康にもつながってくる。また、親を見守る子どもにとっても、親の生活を知ることは『見守っている』という安心感や満足感へつながる。見守る側と見守られる側の双方にとって、理にかなったサービスだと考えている」と語ってくれた。

遠くても安心プラン=https://www.service.tepco.co.jp/s/Anshin_Tooku/


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