医療最前線

医師と団塊シニアの会、汗による皮膚トラブルをテーマにした勉強会を開催、皮膚科医の武藤美香先生が「あせも」と「汗かぶれ」の違いや対処法について解説

2018.05.24 16:30 更新

 特定非営利活動法人医師と団塊シニアの会は、「知っているようで知らない、汗による皮ふトラブル ~あせもだけじゃない!?汗かぶれって何?~」と題したメディア勉強会を、5月18日に開催した。今回の勉強会では、東京・多摩ガーデンクリニック院長で皮膚科医の武藤美香先生を招き、汗による皮膚トラブルをテーマに、「あせも」と「汗かぶれ」の症状の違いや、その対処法・予防法などについて紹介した。

 これから迎える梅雨や本格的な夏に向け、「あせも」や「汗かぶれ」など、汗による皮膚トラブルに悩む人が増えてくる。しかし、それらのトラブルがどのように発症するのか、実際にどんな症状が出るのか、正しく理解をしている人は少ないのが実状だ。まず、「あせも」について、武藤先生は、「『あせも』は、汗が皮膚の中にたまることで起こる症状で、皮膚科学用語では『汗疹(かんしん)』という。具体的には、急激な発汗や角層の配列の乱れ、汚れや皮脂などが誘因となり、汗腺の出口がふさがれる。すると、表皮内に汗がたまってしみ出し、炎症を起こす」と説明。「症状としては、汗腺の位置に点々と赤いプツプツやかゆみが起こるのが特徴となる」と、汗腺に点々と症状が出るのが「あせも」の特徴であると教えてくれた。

 「一方、『汗かぶれ』は、ふやけ・こすれ・乾燥などで角層のバリアが弱くなった肌に、自分の汗腺から出た汗が再びしみこむことで起こる症状とされている。表皮から真皮上層で炎症が起こり、かゆみや赤みが面状に広がるのが特徴となっている」と、点々と症状が出る「あせも」に対して、面で広く起こるのが「汗かぶれ」であり、皮膚科学用語でいう間擦性湿疹に近い状態であると説明。「『汗かぶれ』は、子どもから大人まで、年齢を問わず幅広く発症する。汗をかいてかゆくなると、『あせも』と考える人が大半だが、私が診察してきた経験からは、問診票に『あせも』と書かれていても、実際は赤いプツプツはなく、『汗かぶれ』の場合も多い」と、「あせも」ではなく「汗かぶれ」であるケースも多いと述べていた。

 では、汗による皮膚トラブルには、どのように対処すればよいのだろうか。「『あせも』や『汗かぶれ』が起こってしまった場合は、かゆくても掻きむしらないことが大切だ。叩いたり、つねったり、熱いシャワーを当てるのもNG。その時は、かゆみの神経が鈍くなるが、後で炎症が増してしまう可能性がある」と、かゆくても掻かないのが第一とのこと。「おすすめしているのは、かゆい部分を冷やすこと。薄手のハンカチなどでくるんだ保冷剤を使って患部を冷やすことで、炎症自体も少し軽減できる」と、冷やすことを推奨していた。「市販の薬を使って、かゆみを抑えるのも効果的。ただし、赤みやかゆみが強く掻き壊している場合は、早めに皮膚科を受診してほしい。放っておくと、『湿疹』や『とびひ』などに進展してしまうこともある」と、症状を悪化させないためにも適切な対処をしてほしいと話していた。

 「『あせも』や『汗かぶれ』を予防するポイントとしては、汗を長時間放置しないようにする、適度な保湿をする、外的刺激に注意することが挙げられる。汗をかかないようにすれば、皮膚トラブルを予防できると考える人もいるが、それは間違い。汗をかかないようにしていると、発汗機能が低下し、皮膚の乾燥が進み、皮膚バリア機能障害につながってしまう。さらに、皮膚バリア機能障害を起こすと、アレルギー体質になるリスクも高まる」と、汗による皮膚トラブルの予防法についても紹介。「『あせも』や『汗かぶれ』は、皮膚バリア機能障害の初期サインといえる。健康な皮膚を保つためには、汗をかいて、ぬるめの温度の湯船に浸かり、乾燥しないように適度な保湿を心がけてほしい。そして、これからの季節は、紫外線対策も忘れずに取り組んでほしい」と、アドバイスしてくれた。

医師と団塊シニアの会=http://dankai-senior.tokyo/

 


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