医療最前線

マイクロブラッドサイエンス、ブロックチェーンを用いた次世代ヘルスケアプラットフォームを開発、微量血液検査システム「Lifee」の検査データを幅広く活用

2018.01.30 21:35 更新

 マイクロブラッドサイエンスは、微量血液検査システム「Lifee」で集積された血液検査データをより安全に管理すると同時に、蓄えられた検査データを様々な医療・健康関連サービスに幅広く活用するため、ブロックチェーンを用いた次世代ヘルスケアプラットフォームを開発することを決定した。また、同プラットフォームの構築にあたり、ICO(Initial Coin Offering)を実施し、国内外から広く開発資金を調達する。1月30日には、ICOに向けた事業説明会が行われ、次世代ヘルスケアプラットフォームの開発背景やシステム概要、今後の展開について説明した。

 「当社は、革新的な微量血液検査技術を開発し、昨年から微量血液検査システム『Lifee』を稼働させた。同システムは、医療現場だけにとどまらず、病気の早期発見や健康寿命の延伸など、健康管理の分野にも積極的に活用していくことを目指している」と、マイクロブラッドサイエンスの岩澤肇代表取締役が挨拶。「今回、『Lifee』に蓄積された血液検査データを、ブロックチェーンシステムに移行し、次世代のヘルスケアプラットフォームへと発展させる。これによって、世界の人々が血液検査サービスをいつでも安全かつ手軽に利用できるとともに、様々な医療・健康関連サービスが検査データを自由に活用し、情報発信することが可能になる」と、次世代ヘルスケアプラットフォームの開発に着手する狙いを述べた。「現在、医療費の増大にともなう健康管理体制の改革は待ったなしの状況となっている。そこで、一日も早く、次世代ヘルスケアプラットフォームを稼働させ、一人でも多くの積極的な健康人を作り出すべく、ICOを実施し、国内外から開発資金を調達していく」と、ICOの実施によって早期に次世代ヘルスケアプラットフォームを実現させたい考えを示した。

 続いて、プロジェクトリーダーを務めるマイクロブラッドサイエンスの島田舞取締役が、「Lifee」および次世代ヘルスケアプラットフォームの概要について説明した。「現在行われている血液検査の手順は、100年以上前から変わっていない。まず予約をとって、病院に行き、10~15mlの血液を採る。血液が検査部に送られ、結果が医師に通知される。そこでまた予約をとって病院に行き、ようやく検査結果を知ることができる」と、現在の血液検査が抱える問題点を指摘する。「この問題を解決するべく、当社では、微量血液検査システム『Lifee』を開発した。同システムでは、指先からわずか60mclの血液を採るだけで、血液検査を受けることができる。採血キットには、消毒布、指シール、ランセット、絆創膏、採取容器が含まれ、約1分で採血が可能。そして、採血してから2営業日以内に、『Lifeeアプリ』に検査結果が届き、自分自身で血液検査データを確認することができる」と、「Lifee」の仕組みについて教えてくれた。

 「また、『Lifee』は、血液検査の精度が非常に高いのも特徴だ。当社の研究チームが入念なリサーチを実施した結果、『Lifee』の検査結果の精度は、従来行われてきた腕から静脈血を採取する方法から得られる検査結果と、ほぼ同等の精度であることが証明された。この精度証明は日本語と英語で論文として発表されている」と、腕から採血する場合と変わらない検査データを得ることができると強調した。「さらに、この検査結果をより早く提供するために、家庭用炊飯器サイズの持ち運べる微量血液検査機『Lifeeホーム』の開発を進めている。すでに試作機が完成しており、これによって、2営業日も待つことなく、5分で検査結果を確認することが可能になる」と、その場で検査結果がわかる「Lifeeホーム」の開発状況についても言及していた。

 「そして今回、『Lifee』の次のステップとして、『Lifee』に蓄積された膨大な血液検査データを、様々な医療・健康関連サービスに活用拡大していくことを目指し、ブロックチェーンを用いた次世代ヘルスケアプラットフォームへと進化させる。例えば、ブロックチェーンデータ管理機能『Lifeeチェーン』では、検査結果データをブロックチェーンで安全に保存するとともに、匿名データとして全面公開が可能になる」と、次世代ヘルスケアプラットフォームでは、蓄積した検査結果データを国内外の医療・健康関連サービスに広く公開するという。「また、AI監視コメント機能『Lifee-Talk』では、AIに膨大な検査結果を分析させ、利用者に対して、一人ひとりにあった医療アドバイスを届けていく」と、検査結果データを活かした新たなサービスも提供するのだと話していた。「次世代ヘルスケアプラットフォームでは、5年後をめどに、年間1億件の微量採血検査を行い、この検査事業で約2016億円の売り上げを目指す」と、今後の事業展望を述べた。

 なお、同社では、次世代ヘルスケアプラットフォームの構築に向けてプロジェクトチームを結成。マイクロブラッドサイエンスの島田取締役をプロジェクトリーダーに、同社の岩澤代表取締役、圓蔵の和久津宏パートナー兼CEO、ミクロの島剛彦社長、トライ・ハードの木村哲郎代表取締役がチームメンバーとして参加。また、アドバイザーとして、慶應義塾大学 名誉教授 医師・医学博士の相川直樹先生、イオン銀行およびアイシン精機の原田恒和取締役、テコテックの釣崎宏代表取締役、MRTの馬場稔正社長が参画する。アドバイザーを務める相川先生は、「血液検査は、現在の医療に欠かせないものになっている。わずかな採血量で短時間に高精度の検査結果を得ることができる『Lifee』は、とくに新生児や重傷者の医療において、血液検査の負担を大幅に軽減できると期待している。さらに、次世代ヘルスケアプラットフォームの構築によって、血液検査データが世界的に活用できるようになることで、世界の健康管理および医療現場は急速に変わっていくと確信している」と、医療改革をけん引する役割を担っていくことに期待を寄せた。

マイクロブラッドサイエンス=http://www.microbs.jp/

 


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