医療最前線

冬の浴室でのヒートショック症状に要注意、お風呂の前後に飲むミネラル入り麦茶がヒートショックの予防策に

2017.12.14 17:06 更新

 12月も半ばになり、季節はいよいよ冬本番。ウェザーニュースによると、12月は寒波の襲来で、全国的に平年よりも気温が低く、北日本や日本海側では大雪となる恐れと予測している。寒くなると注意したいのが、温度差によって起こる肉体的ショック症状「ヒートショック」。ヒートショックにより心筋梗塞、不整脈、脳梗塞、脳梗塞が起きて突然死してしまうケースは後を絶たないのが実状だ。とくに、ヒートショックを起こしやすいタイミングとしてあげられるのはお風呂に入るときの、脱衣所で冷えた身体で熱いお風呂に入る瞬間といわれている。そこで今回、お風呂の専門医である東京都市大学人間科学部教授の早坂信哉先生に、ヒートショックを起こさない健康的なお風呂の入り方をアドバイスしてもらった。

 消費者庁の調べによると、近年、家庭の浴槽での溺死者数は増加傾向で、平成27年に4804人となり、平成16年の2870人と比較すると11年間で約1.7倍となっている。また、入浴時の事故死は12月~2月が全体の5割を占めており、その原因の多くがヒートショックといわれている。では、健康に良い一方で、事故につながる危険な側面を持ち合わせるお風呂において、安全な入浴タイムを過ごすにはどのようにしたらよいのだろうか。

 早坂先生は、「40℃程度のぬるめの温度は副交感神経が刺激され、心身ともにリラックスさせる効果があり、血圧が下がるなど効果的。逆に、42℃を超える温度に浸かると交感神経の働きが活発になり、興奮状態となることで血圧が上昇、また、血液の粘度が上がり血栓ができやすくなるなどのヒートショックを起こしてしまう危険性もある」と、お風呂の温度は40℃程度に調節することを推奨。「お風呂に浸かることで得られる温熱効果によって、血液の流れが良くなり、新陳代謝が活発になることで  老廃物が排出されるなど、健康には効果的。しかし、40℃の水温で10分以上の入浴は体温が上がりすぎ、冬でも浴室熱中症になる危険があるので注意してほしい」と、40℃での入浴時間は10分が目安である教えてくれた。

 「全身浴のほうが体が温まり、血流が良くなるので、冷えの改善に効果的。また、湯の量が多く深ければ、その分水圧が強くなることから、全身浴は下半身により大きい水圧がかかるため、足のむくみの解消などにも大きな効果がある」と、冬は半身浴より全身浴のほうがよいとのこと。「ただし、心臓や肺に疾患がある人には、水圧がかからず体温が上がりすぎない半身浴をおすすめする」と補足していた。

 そして、お風呂の前後には、ミネラル入りの水分補給をすることも大切であると早坂先生。「お風呂に入ると汗をかき、500mlくらいの水分を失うといわれている。そこでお風呂に入る前後で、500~600mlほどの水分を摂ることが大切。また、発汗により失われるミネラル分を補給するため、ミネラルの含まれた飲み物を選んでほしい」とのこと。ミネラル入りのドリンクとしては、麦茶やスポーツドリンクなどがあるが、その中でも早坂先生がとくにおすすめしているのが麦茶。「入浴は就寝前であることが多いため、カフェインを含まない麦茶は、就寝前の飲料としても適している。スポーツドリンクなどのイオン飲料にもミネラルが含まれており、吸収も早いことから入浴の前後に適しているが、糖分を含んでいるため、ダイエットを意識する女性や、生活習慣病を気にしている男性は糖分の摂取を避けたがる傾向がある。そうした人にも無糖でカロリーゼロの麦茶はおすすめといえる」と、“お風呂の前後に麦茶”がいい理由を解説してくれた。

 さらに、赤穂化成とノザキクリニックが実施した共同研究では、ミネラル入り麦茶を飲むと、血圧が低くなる「血圧低下作用」の傾向や、血液通過時間が短縮する「血液さらさら効果」の傾向が認められたことが発表されているという。脱衣場とお風呂の温度差が大きいことにより、入浴時の急激な血圧の変化が原因で心臓などの血管に負担がかかり、心筋梗塞や脳梗塞などを招くヒートショック。ミネラル入り麦茶の持つ「血圧低下作用」と「血液さらさら効果」は、ヒートショック対策に効果的であると考えられる。ヒートショックが気になる人は、お風呂の前後にミネラル入り麦茶を飲むことを習慣にしてみては。


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