医療最前線

日本乾癬患者連合会など、「世界乾癬デー」(10月29日)に向けたメディアイベントを開催、乾癬を告白した道端アンジェリカさんが患者への理解を訴える

2017.10.27 13:00 更新

 日本乾癬患者連合会、日本乾癬学会と製薬企業7社(協和発酵キリン、田辺三菱製薬、鳥居薬品、日本イーライリリー、ノバルティスファーマ、マルホ、ヤンセンファーマ)は、「世界乾癬デー」(10月29日)に向けたメディアイベントを10月25日に開催した。イベントでは、日本乾癬学会理事で東京慈恵会医科大学 皮膚科学講座 主任教授の中川秀己先生と、日本乾癬患者連合会の柴崎弘之会長、そして乾癬患者であることを公表したモデルの道端アンジェリカさんを招き、「乾癬患者の困り事と私たちがすべき事」をテーマにトークセッションを行い、乾癬患者へのさらなる理解を訴えた。

 「世界乾癬デー」は、乾癬や関節症性乾癬の患者のために毎年10月29日に開催される世界的なイベント。乾癬患者にひとりではないことを知ってもらい、この過酷な病気とその辛さに対する意識向上を図ること。医療制度、政府、医師、介護者、およびすべての乾癬治療担当者を通じて、患者が最適な治療へのアクセスを得られるようにすること。乾癬患者だけでなく、一般の人々にも情報を提供することにより、もっとオープン、そして乾癬の理解を高め、患者が自信をもって乾癬について話しやすい環境を整えること。そのために、世界中の患者が団結して、主要な政府政策立案者に意見を伝えるための機会を提供してくことを目的としている。

 今回、この「世界乾癬デー」に向けて、乾癬患者へのさらなる理解を深めてもらうべく、10月25日にメディアイベントを開催した。イベントではまず、日本乾癬学会理事で東京慈恵会医科大学 皮膚科学講座 主任教授の中川秀己先生が、乾癬とはどのような病気なのかを解説。「乾癬の症状にはいくつかあるが、約9割が『尋常性乾癬』であり、局面型の赤い発疹の上に、銀白色の隣接が付着し、ポロポロとフケのようにはがれ落ちていく。また、皮膚の症状に加えて、乾癬特有の関節炎をともなうケースもある。そして、重要なのは他人に感染する病気ではないということである」と、乾癬は皮膚の病気であるが、感染することは絶対にないと強調する。「原因ははっきりしていないが、発症しやすい体質があることは間違いない。遺伝的な要素に加えて、気候、ストレス、風邪、喫煙、食生活などの外的因子と糖尿病、脂質異常症、肥満などの内的因子が組み合わさって発症すると考えられている」と、乾癬は生活習慣病ともいえるのだと説明していた。

 「乾癬の治療方法としては、大きく分けて外用療法、内服療法、光線(紫外線)療法、生物学的製剤の4つがある。いずれも根治することはできないが、近年では、症状をゼロにする治療法も増えてきている。また、治療に頼るだけでなく、症状が出る原因を自分自身で把握し、それを避けた生活をおくることで、良い状態を維持することができる」と、乾癬の治療方法について言及。「乾癬の症状は人によって異なるため、患者それぞれのニーズに合わせて、症状とQOLの両方を改善するために一番良い治療法を選択していく」と、患者と医師とのコミュニケーションも重要であると述べていた。

 日本乾癬患者連合会の柴崎弘之会長は、「乾癬患者は、その病名から“感染しやすい”という誤ったイメージをもたれ、日常生活の中で様々な偏見を受けることがある。そこで、日本乾癬患者連合会では、全国で活動する20の患者会において、年に1回から2回のペースで学習会を開催し、相談員の先生による講演を通じて、乾癬に関する正しい知識や治療方法を伝えるようにしている。また、患者同士のコミュニケーションを通じて、自分に合った治療法を見つけてもらっている」と、乾癬患者への偏見をなくし、正しい知識を伝えるべく活動しているのだという。「乾癬患者のほとんどは、自分が特殊な病気であると考え、相談する相手も見つからず、一人で悩んでいる。そうした人が患者会に来て、話をすることで、病気に対する悩みが解消し、心が晴れやかになる人が多い」と、乾癬患者は心のケアも大切であると訴えた。

 そして、先日、自らが乾癬患者であることをSNSで告白したのが、モデルの道端アンジェリカさん。「私の肌が汚いとネットに書き込まれたことがくやしくて、気持ちが抑えられなくなり、乾癬患者であることを自ら告白した。告白した当初は、自分がどう見られるのか不安だったが、同じ患者の人から励ましのコメントも多く、精神的に楽になることができた」と、病気を告白した当時を振り返る。これを聞いた柴崎会長は、「道端さんが公表してくれたことで、とくに、女性の患者から勇気をもらえたという声が多く聞かれた。また、勉強会にもたくさんの人が参加してくれるようになり、とても感謝している」と、患者会にとっても喜ばしい出来事だったと笑顔を見せていた。中川先生も、「道端さんの公表をきっかけに、乾癬という病気の認知が一気に広がったと感じている。医師の立場としてもうれしかった」と、乾癬の認知拡大に大きく貢献してくれたと道端さんの告白を称えていた。

 「乾癬であることを告白する前は、症状を誰にも気づかれないようにするために苦労がたえなかった。ヘアメイクさんにも髪を触らせないような環境をつくったり、自分一人で衣装を着替えたり、仕事関連者だけでなく友人にも嘘をついて過ごしていた。告白した後は、もう嘘をつく必要もなくなり、まわりの人も気を使ってくれるようになった。精神的なストレスから解放されたことで、症状も良くなってきた」と、告白したことでストレスがなくなり、乾癬の症状も改善してきたという道端さん。最後に、「乾癬は、一人で悩まずに、まわりの人に相談することで気持ちがとても楽になる。治療していく中でも、まわりの人に支えてもらった方が力になると思う。自分だけで抱え込まずに、ポジティブに治療に取り組んでほしい」とメッセージを送ってくれた。

日本乾癬患者連合会=http://jpa1029.com/



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