医療最前線

旭化成ファーマ、指が伸ばせなくなる手疾患「デュピュイトラン拘縮」に関するメディアフォーラムを開催、患者への負担が少ない注射療法の実際について説明

2017.07.28 20:20 更新

 旭化成ファーマは、指が伸ばせず日常生活に支障をきたす手疾患「デュピュイトラン拘縮」への理解を深めてもらうべく、7月27日にメディアフォーラムを開催した。今回のフォーラムでは、「デュピュイトラン拘縮」治療の第一人者で手外科専門医として数多くの手の病気を治療している名古屋大学大学院医学系研究科 手の外科学 教授の平田仁先生を招き、「デュピュイトラン拘縮」の病態や注射療法の実際について語ってもらった。

 「『デュピュイトラン拘縮』は、手のひらから指にかけてしこりができ、病気の進行にともなって、徐々に指が伸ばしにくくなる手の病気。原因ははっきりしておらず、手のひら内部にある腱膜と呼ばれる繊維組織が肥厚することで、手指の関節が曲がったまま伸ばせなくなる。痛みはないが、物をつかむなど手を使う作業が難しくなり、日常生活に支障が出てくる。北欧系の白人に多いことからバイキング病とも呼ばれている」と、平田先生は、「デュピュイトラン拘縮」とはどのような疾患なのかを解説。「日本の有病率は、男性では10人に1人、女性では100人に4人とされており、年齢が上がるほど増える傾向にある。とくに高齢者の場合は、手がうまく使えなくなると転倒のリスクが高まり、致命傷につながる危険性もある」と、中高年以降の男性を中心に発症する病気であり、高齢の患者には注意が必要であると訴えた。

 「近年まで、日本では『デュピュイトラン拘縮』の治療は手術をするしかなかった。しかし、この手術は難しく、患者への負担が大きいことに加え、回復して日常生活に戻るまでにかなりの時間がかかっていた。さらに、神経損傷などの合併症を起こしたり、術後に再発するリスクも抱えていた」と、手術による治療の問題点を指摘。「こうした中で、2015年に『デュピュイトラン拘縮』の治療薬として『ザイヤフレックス』(一般名:コラゲナーゼ(クロストリジウム ヒストリチクム))が承認された。この薬剤を使った注射療法では、しこり部分に薬液を注射し、24時間後に医師が指の伸展処置を行う。これによって、手術に比べて患者の負担を軽減し、曲がっている指を正常に戻すことが可能になった」と、低侵襲な注射療法の登場によって「デュピュイトラン拘縮」の治療は大きく進歩したのだと力説していた。「費用面について、手術群と注射群を比較したデータでは、患者が支払った1回分の入院費は、注射群のほうが約20%(1.9万円)低かった。このことから、注射治療は、低侵襲かつ1回の治療は低コストであり、早期社会復帰が可能であるといえる。しかし、多数指や複数関節罹患例では、複数回の治療が必要となるため、注射療法のほうが総コストが高くなる可能性もある」と、注射療法の費用面の課題にも言及してくれた。

 続いて、旭化成ファーマ 医薬営業本部XIAプロジェクトの立石典浩課長が、デュピュイトラン拘縮治療薬「ザイヤフレックス注射用」の製品概要について説明した。「『ザイヤフレックス』は、世界20ヵ国以上で販売されているデュピュイトラン拘縮治療薬で、日本では、当社が2011年3月に日本国内の開発・販売権を取得し、2015年7月3日に製造販売承認を取得した」と、同社が日本で唯一のデュピュイトラン拘縮治療薬を提供しているという。「通常、成人には、コラゲナーゼ(クロストリジウム ヒストリチクム)として、0.58mgを中手指関節または近位指節間関節の拘縮索に局所注射する。そして、原則として投与翌日の伸展処置により効果を発揮する。効果が不十分な場合は、投与した拘縮索に対する追加投与は1ヵ月間の間隔をあけ、最大3回までとする」と、薬剤の用法について紹介。「国内臨床試験による有効率は85.7%であった。一方で、安全性評価対象症例102例中100例(98.0%)に副作用が認められた。しかし、主な副作用は、注射部位疼痛や注射部位内出血、注射部位膨張、挫傷などで、いずれも軽微な症例であった」と、治療効果の高い薬剤であると強調していた。

旭化成ファーマ=https://www.asahikasei-pharma.co.jp


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