医療最前線

バイオベラティブ・ジャパン、血友病治療の進歩と今後の課題と題したセミナーを開催、凝固因子製剤による定期補充療法など治療の進歩を紹介

2017.06.28 21:27 更新

 バイオベラティブ・ジャパンは6月27日、血友病に関するセミナーを開催した。血友病は、血を固めるたんぱく質である血液凝固因子の欠乏、または機能低下によって止血異常をきたす疾患。近年、凝固因子製剤による定期補充療法など、治療の進歩によって血友病患者の寿命は延びてきており、現在、血友病患者の生活習慣病や悪性腫瘍の治療などが新たな課題となっている。同セミナーでは、日本最大規模の血友病センターである医療法人財団荻窪病院の血液凝固科部長の鈴木隆史先生が、血友病治療のこれまでの歩みと今後の課題について講演を行った。

 「血友病は先天的に血液を固める因子(凝固因子)である第VIII(8)あるいは第IX(9)因子の低下によって出血症状をきたす疾患であり、最新の国内調査では約6200人が登録されている」と、血友病がどんな病気であるかを解説する鈴木先生。「止血のために用いられてきた血液製剤によって薬害HIV、C型肝炎などの合併症はコントロール可能な状況になってきており、今後は症状としての関節出血とそれによる血友病性関節症の予防など、患者のQOLの向上に真剣に向き合っていく時代となってきている」と、血友病と聞くと薬害HIVやC型肝炎を連想する人も多いようだが、これらの合併症を患っている患者は少なくなっているという。

 「血友病の治療に関しては、血液製剤の定期補充によって因子活性を維持することで2~3回/週の注射が広く行われてきた。しかし近年、より持続効果の長い半減期延長(EHL)製剤が開発され血友病患者に大きな福音をもたらしている」と、これまでとは異なる治療によって患者のQOLも向上しているのだという。「EHL製剤によって、輸注回数を減らすことが可能で、高いトラフ(第VIII(8)あるいは第IX(9)因子活性)レベルの維持もできる。また個別化治療のさらなる進歩も期待できる」と、EHL製剤のメリットについて言及。「これからの血友病治療は、患者個人の希望の把握を行い、出血歴・易出血性・標的関節の把握。静脈注射の容易性の把握や製剤特性の把握と選択、活動時間内の必要凝固因子活性の決定、PKやモニター値を基にした投与量の調整によって、個別化の補充療法というテーラーメイド治療が可能となる。そして、最終的に出血のない暮らしの実現が目標になる」と、これからの血友病治療の目標についても語ってくれた。

 今回、バイオベラティブ・ジャパンでは、成人用疾患啓発資材を作成した。この内容について、バイオベラティブ・ジャパン マーケティング部の小野有以子氏が説明した。「6月27日に発刊する『Graphemophilia』は、荻窪病院 血液凝固科 部長の鈴木隆史先生に監修してもらい作成した。血友病を含む血液疾患に特化したバイオベラティブとして、今までにない切り口で、これまでとは違った疾患啓発ツールとして提供する」と、資材の概要について紹介。

 「グラフィックを多用し、クリエイティブでスタイリッシュな資材となった」と、見た目にもこだわったとのこと。「血液凝固・止血から、疾患・治療、インタビュー、遺伝、歴史まで、血友病に関する知識を網羅。読むことによる知識のインプットだけでなく、見る、考えることによる知識のインプットにもつながる資材となっている」と、患者に自身の疾患について改めて興味を持ち、学び直してもらうだけでなく、家族に、血友病についての理解を改めて深めてもらいたい考えを示した。

バイオベラティブ・ジャパン=https://www.bioverativ.co.jp



このページの先頭へ