医療最前線

日本イーライリリー、発達障害啓発週間に向けてAD/HDへの理解を深めるメディアセミナーを開催、AD/HDとして自分らしく生きるためのヒントを紹介

2017.03.07 19:45 更新

 日本イーライリリーは、発達障害啓発週間(4月2日~8日)に向けて、AD/HD(注意欠陥・多動性障害)についての理解を深め、その特性を活かした社会を実現することを目的として、3月7日にメディアセミナーを開催した。今回のセミナーでは、パークサイドこころの発達クリニック 理事長の原田剛志先生を招き、「AD/HDの理解と支援 ~『自分らしく生きるため』へのヒント~」と題した講演を行った他、AD/HDであるいづみカンパニーの執行泉代表取締役が、自身の体験を踏まえて、AD/HDの自己理解と自己受容の大切さについて語ってくれた。

 「AD/HDによく見られる症状としては、いつも遅刻する、時間配分がうまくいかない、新しい刺激で前のことを忘れる、同じ失敗をくり返す、家事や支払いなど当たり前のことが完遂できないなどが挙げられる」と、原田先生がAD/HDの主な症状について解説。「これらの症状は、誰にでも見られるものだが、AD/HDでは、それが度を超していたり、慢性的に続いたり、繰り返し起こるという特性がある。AD/HDの人は、この症状のために社会的信用性を失い、自信喪失と自己評価の低下により、慢性的なクヨクヨや後悔を抱えてしまう。これが、さらなるパフォーマンス低下を引き起こし、不安やうつなどの2次障害を併発するという負の連鎖に陥るリスクもある」と、AD/HDは社会的破綻につながる様々なリスクを抱えており、それだけに周囲のケアが重要なのだと訴えた。

 「一方で、AD/HDは、症状を自覚できないため、そもそも自分が何に困っているのかがわからず、困っていることの説明が苦手な人が多い。そこで、AD/HDの診療にあたっては、実際に困っていることに加えて、来院した経緯、過去の診断や治療歴、来院の目的、家族歴、物質使用歴やリストカット、身体診察、生活歴などの問診を経て、『その人全体』を深く理解したうえで、診断を行う必要がある」と、AD/HDの診断では、症状を診るだけではなく、「その人」を理解することが重要であると説く。「AD/HDの治療アプローチとしては、できなかったことをできるようにする『ハビリテーション』がメインとなる。そのため、まず治療目標を設定・共有し、これに対して、自己理解・自己受容へのガイドを示すと共に、周囲の環境調整を行う。そして、症状に合わせた薬物療法を行っていく」と、原田先生が実践している治療アプローチを紹介。「とくに、自己理解・自己受容へのガイドでは、本人が自分の特性を話すことを勧めている。このことを通じて、失敗してきた過去を見直し、今の自分を受容することで、周囲の正しい理解も得られるようになると考えている」と、ためらわずに自身の特性について話すことで、自分らしく生きることができるようになると述べていた。

 続いて、原田先生のもとでAD/HDの治療を受けている、いづみカンパニーの執行泉代表取締役が、自身の体験を語ってくれた。「子どもの頃は、落ち着きがなく、授業にも集中できず、先生からよく注意を受けていた。大人になってからも、まわりが当たり前にできることができなかったり、提出期限が守れなかったり、うっかりミスが多かったりと、仕事や家庭で様々なトラブルを起こし、周囲からの理解も得られず、毎日がヘトヘトだった」と、人生の長い時間をAD/HDの症状に悩まされて続けてきたと振り返る。「そうした中で、原田先生に出会い、ようやくAD/HDであるとの診断を受けることができた。AD/HDがすべてのトラブルの原因であるとわかったことで、目の前が明るくなり、前向きな気持ちが生まれてきた」と、AD/HDを自己理解・自己受容したことで人生を大きく変えることができたと話していた。「AD/HDは、その特性を個性として理解してもらうことで、障害者としてではなく、個性を活かして自分らしく生きることができると思う。AD/HDの症状に悩んでいる人は、自分の特性を知るためにも、ぜひ診断を受けてほしい」と、AD/HDの多くの人が自身の特性を理解し、その特性を活かして社会で活躍することを願っていた。

日本イーライリリー=https://www.lilly.co.jp/


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