医療最前線

旭化成ファーマ、骨粗しょう症診療に関するメディアフォーラムを開催、骨密度と骨質に応じたテーラーメイドの薬物治療で骨折リスクを低減

2017.02.17 18:32 更新

 旭化成ファーマは、骨粗しょう症診療に関するメディアフォーラムを2月15日に開催した。今回のフォーラムでは、骨粗しょう症治療の第一人者である東京慈恵会医科大学 整形外科学講座 准教授の斎藤充先生を講師に迎え、「いつから始める?いつまで続ける?骨粗しょう症治療 ~骨粗しょう症治療は生命予後を改善する~」と題し、骨粗しょう症の病態と治療について、骨質の重要性と共に健康寿命・生命予後との関連も交えて講演してもらった。

 「高齢者にとって、骨粗しょう症による骨折は生命予後に関わる重大な疾患となる。骨粗しょう症性骨折を起こすと生命予後が非常に悪くなり、75歳以上の高齢者では、脊椎骨折の5年生存率は70%、大腿骨近位部骨折では50%まで低下する」と、斎藤先生は、骨粗しょう症は健康寿命を左右する重要な疾患であると指摘する。「骨は新陳代謝が活発で、常に修繕機能が働き、作りかえ工事が行われている。通常、骨を削る破骨細胞と骨を作る骨芽細胞の働きは同レベルだが、骨粗しょう症では破骨細胞の働きが元気すぎるため、過剰に骨を削りとり、骨密度を低下させてしまう」と、骨粗しょう症の病態についてわかりやすく教えてくれた。

 「骨密度の低下には、女性ホルモンの減少が深く関わっている。女性ホルモンは、45~55歳の閉経を機に急激に減少する他、閉経前でも、精神的ストレスや過度のダイエットなどによる月経不順によって減少することがある。また、乳がん治療などで性ホルモン抑制療法を受けている人も、骨密度が急速に減少してしまう」と、女性ホルモンの減少が骨粗しょう症を誘発するのだという。「現在、日本では多くの骨粗しょう症治療薬を選択できるが、その中でも破骨細胞の働きを抑制するビスホスホネート製剤を使うことで、骨密度を改善することができる。骨にはレガシーエフェクトがないため、何歳であっても治療介入1年で、50%以上の骨折防止効果が期待できる」と、骨粗しょう症性骨折は、薬物治療によって防止することができると述べていた。

 「一方で、骨密度が高くても骨折を起こす人もいる。このケースでは、骨に含まれるコラーゲンが骨折リスクに関わってくる。コラーゲンは、骨や靱帯・腱の強度を規定する骨質因子であり、コラーゲンが老化すると骨質が劣化する。ビルの構造に例えると、カルシウムはコンクリート、コラーゲンは鉄筋の役割を担っており、どちらが欠けてもビルは倒壊しやすくなる」と、骨密度だけでなく骨質も骨粗しょう症性骨折の大きな要因になっていると指摘。「コラーゲンを老化させる要因として考えられているのが生活習慣病だ。生活習慣病では、活性酸素が増加し、骨コラーゲンを錆びつかせ、老化を加速させてしまう」と、生活習慣病は骨質を劣化させ、骨粗しょう症性骨折のリスク因子になるのだと説明していた。

 「骨密度と骨質の状態から、骨粗しょう症は、『低骨密度型』『骨質劣化型』『低骨密度+骨質劣化型』の3タイプに分けることができる。そして、それぞれのタイプに合わせた薬物治療を行うことが、骨折リスクを下げることにつながると考えている」と、タイプに応じて治療薬を選択することが必要だと訴える。「『低骨密度型』には、ビスホスホネート製剤とデノスマブ製剤、『骨質劣化型』には、SERM製剤とVit.K2製剤、および活性型Vit.D3製剤、『低骨密度+骨質劣化型』には、ビスホスホネート製剤とデノスマブ製剤に加えて活性型Vit.D3製剤が推奨される。もし、1年以上投与しても新規骨折が発生した場合は、PTH製剤(テリパラチド)を投与する。治療開始時から、こうしたテーラーメイドの薬物治療を行うことで、骨折防止効果をさらに高められると期待している」と、治療薬のテーラーメイド化によって、骨粗しょう症性骨折のリスクを大幅に低減できる可能性があるとの考えを示した。

旭化成ファーマ=https://www.asahikasei-pharma.co.jp/



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