医療最前線

ウイルスやアレルゲンを水に分解する新技術「ハイドロ銀チタン」の可能性とは? DR.C医薬 代表の岡崎成実先生に聞く

2016.12.26 19:58 更新

 現代人の身の回りには、目に見えない様々な健康リスクが潜んでいる。例えば、最近全国的に猛威を振るっているノロウイルスによる食中毒や、これから本格的な流行を迎えるインフルエンザ。また、花粉症やハウスダストなどによるアレルギー性鼻炎も年々患者数が増加傾向にあるのが実状だ。こうした中、これらの症状を引き起こす原因となるウイルスや細菌、アレルゲン(抗原)を分解して水に変え、見えない健康リスクを大幅に低減する新技術「ハイドロ銀チタン」に注目が集まっている。そこで今回、この「ハイドロ銀チタン」の開発を手がけたDR.C医薬 代表の岡崎成実先生に、新技術の開発経緯や仕組み、今後の可能性などについて聞いた。

 「私は約20年前、旧ソ連のアフガニスタン侵攻の際に、パキスタンのペシャワールで医療視察を行ったのだが、非常に不衛生な環境で、火傷やケガをした多くの人々が感染症で苦しめられていた。また、抗生剤を使いたくても、高価で使うことができない現状も目の当たりにした。帰国後、もっと安価に感染症を防ぐことができないかと考え、新技術の研究開発に着手した」と、「ハイドロ銀チタン」の開発に踏み出すきっかけになったエピソードを語る岡崎先生。「新技術の開発にあたって、まず着目したのが光触媒だった」という。光触媒とは、光のエネルギーによって、物質を化学反応させて別のものに変える技術で、酸化チタンがその代表的なものだ。「研究を進めた結果、光触媒を活用することで、ウイルスや細菌を分解し水に変えられることがわかり、感染症予防にも効果が期待できると確信した」と、感染症対策から新技術の開発がスタートしたのだと話していた。

 しかし、ウイルスや細菌といった微細なタンパク質をターゲットにした場合、従来の光触媒ではいくつかの課題も浮かび上がってきた。光をエネルギーにした触媒は、反応が強すぎるため、ウイルスや細菌以外の必要な細菌まで分解してしまう。さらに、感染症予防で使う上で、光がない場所で効果が発揮されない点も大きな問題となっていた。「これらの課題を解消するために、光ではなく、銀による微弱なエネルギーを活用することを思いついた。そして、試行錯誤を重ねた結果、酸化チタンに微量の銀とハイドロキシアパタイトを複合することで、光がなくても、ウイルスや細菌のみを分解できるハイブリッド光触媒『ハイドロ銀チタン』が誕生した」と、光触媒と銀を融合させることで、光を必要としない革新的な触媒技術を生み出したのだと力を込める。

 このように当初は、感染症対策を目的に開発された「ハイドロ銀チタン」だが、ふとしたことから転機が訪れる。「感染症の予防に関して、外科医と共同で『ハイドロ銀チタン』の研究を行っていたところ、ある外科医が、自身の鼻の中にできる耐性菌にも効果があるのではないかと考え、『ハイドロ銀チタン』を付けたガーゼを鼻の中に詰めはじめた。すると、鼻の中の耐性菌がなくなり、花粉症の症状も軽減されてきたことがわかった。これをきっかけに、新たに花粉症やアレルギー性鼻炎の予防に関しても研究を広げていった」と、「ハイドロ銀チタン」は、細菌やウイルスだけでなく、花粉やハウスダスト、カビなどのアレルゲンを分解し、花粉症やアレルギー性鼻炎の治療・予防に活用できることも明らかになったという。

 では、「ハイドロ銀チタン」は、光がない中で、どのようにウイルスや細菌、花粉などのアレルゲンを分解し、水に変えていくのだろうか。岡崎先生は、「『ハイドロ銀チタン』を構成するハイドロキシアパタイト、酸化チタン、銀の3つの成分が、それぞれ重要な役目を担っている。まず、ハイドロキシアパタイトが、ウイルス、細菌、花粉、カビ、ハウスダストなどの微細なタンパク質を強力に吸着する。次に、酸化チタンが、これらのタンパク質を特殊セラミック反応によって水へと分解する。この時、銀が酸化チタンの電極となることで、光がなくても、分解を促進するエネルギーを得ることができる」と、「ハイドロ銀チタン」の作用メカニズムをわかりやすく解説してくれた。

 その後の研究・実験で、「ハイドロ銀チタン」が分解できる具体的な細菌・ウイルス・アレルゲンとして、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、白癬菌、花粉タンパク、レジオネラ菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌、肺炎かん菌、ダニ抗菌、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などが判明。これらが原因となって発症する、感染症や食中毒、水虫、アレルギー性鼻炎、花粉症、かぶれ、褥瘡、肺炎、乳腺炎、アトピー性皮膚炎、ぜんそくなど、幅広い疾患を軽減できる可能性が示された。また、ニオイ成分となる脂肪酸も分解できることから、介護や在宅医療での消臭対策にも活用できると期待されている。

 こうした中で、岡崎先生の「ハイドロ銀チタン」の研究フェーズは新たな段階に入っており、「医療現場での感染症対策の医療機器への応用研究を進める一方で、もっと人々の生活に役立つ技術として応用を広げるべく、ここ数年は花粉症やアレルギー性鼻炎の予防および治療への取り組みに力を注いでいる」という。「半年ほど前には、『ハイドロ銀チタンで未来をつくるプロジェクト』を立ち上げた。このプロジェクトは、人々の暮らしと未来を守るために『ハイドロ銀チタン』で作られた新たな物質を通じて医師と民間企業が結集し、共同で研究および製品開発を行っていくもの。すでに、各業界の大手メーカーが参画を表明しており、『ハイドロ銀チタン』を使った商品の開発を進めている」と、様々な業界を巻き込んだ一大プロジェクトが進行していることを明らかにした。

 「このプロジェクトを通じて、リビングやインテリア、寝具、ベビー用品、アパレル、日用品などのメーカーと業界をまたいだ企業連合を結成し、身の回りのさまざまな商品に『ハイドロ銀チタン』を普及させていきたい。現在は、『ハイドロ銀チタン』が入ったオリジナル商品としてタオル、マスク、ハンカチ、靴下などがネットショップや一部店頭で販売されているが、来年からは、布団、クッション、ソファ、帽子、カーテン、さらにはぬいぐるみなどまで、商品ラインアップを順次拡大していく予定だ」と、「ハイドロ銀チタン」を使った商品展開について言及。「身の回りのあらゆるものに『ハイドロ銀チタン』が普及すれば、花粉やアレルゲンが体内に入るリスクは大幅に低減できると自負している。また、子どもの頃から使うことで、花粉症やアレルギー性鼻炎の発症を予防することができる。このことは、増加の一途をたどるアレルギー患者数に歯止めをかけ、医療費の削減にもつながると考えている」と、「ハイドロ銀チタン」の普及は、花粉症やアレルギー性鼻炎の発症を予防すると同時に、医療費削減にも貢献できるのではないかとの将来展望を示した。

 「ハイドロ銀チタン」を使った商品が当たり前のように身の回りにあり、多くの人々が、花粉症やアレルギー性鼻炎の苦しみから解放される。そんな世の中が訪れるのも、そう遠い未来ではないのかもしれない。【PR】



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