医療最前線

サノフィ、糖尿病患者と医療従事者との間でインスリン治療に対する認識にギャップがあることを発表

2016.08.03 21:16 更新

 サノフィは、糖尿病患者と医療従事者との治療認識の違いに関するセミナーを8月2日に開催した。同セミナーでは、インスリン治療の課題を顕在化するため、昨年、糖尿病患者のインスリン治療と日常生活に着目した「インスリン治療と日常生活の調和」(インスリン-ライフ・バランス)調査を発表、今回、医療従事者側の着眼点を加えた2回目の調査結果を発表した。また、調査を監修した横浜市立大学大学院 医学研究科 分子内分泌・糖尿病内科学 教授の寺内康夫先生から、よりよい糖尿病治療につなげるため、糖尿病患者と医療従事者が持つ治療認識と、そのギャップについて解説した。


 「国民の4人に1人が糖尿病かその予備軍とされ、平均HbA1cは7.0%であるものの、いまだに血糖コントロールの不良例は多い」と、寺内先生は、糖尿病でありながら、血糖コントロールが上手くできない患者が多いのだと指摘する。「現在、血糖正常化を目指す際の目標は6.0未満となっている。しかし、治療目標は年齢、罹病期間、臓器障害、低血糖の危険性、サポート体制などを考慮して個別に設定する必要がある」と、高齢者などの目標設定は目標下限値などを設定し、より安全な治療を行うようにしていると説明する。

 「糖尿病の治療において、欧米では基礎インスリンは2剤併用療法として位置付けられている」と、メトホルミンと基礎インスリンの併用療法は早期の段階から行われるケースも多いという。「2型糖尿病のインスリン治療は、基礎インスリンをベースとした治療法が推奨されている」と、段階的に治療法をステップアップさせながら行うのが基本になっていると教えてくれた。「ただし、基礎インスリンによる積極的な血糖コントロールを目指すと、低血糖のリスクをともなう」と、血糖コントロールと低血糖のバランスを見極めることが重要になると説く。「低血糖になると心血管イベントのリスクが高まり、QOLは低下する」と、HbA1cが改善されても生活レベルは悪化したままという患者も少なくないのだと力説していた。

 


 「インスリン-ライフ・バランス調査では、基礎インスリン製剤使用中の糖尿病患者に対し、低血糖に注目して、その発症実態を定量・定性的に調査し、インスリン療法による低血糖の状況とその日常生活への影響などについて調査した。その結果、血糖値を起こした場合、必ずしも医師に話さないとする回答は43.9%に達し、低血糖を予防するために20.3%が自己判断でインスリン投与量を減少したことがある人がいることもわかった」と、自己判断で低血糖の対処を行い、インスリン補充ができないケースがあることが示唆された。「そして今年行った、医療従事者の認識に関する調査では、70%以上の患者が合併症に不安を感じており、90%以上の患者がさらなる血糖改善を求めていることも明らかになった」という。「血糖値を良くしたいと患者では思っているものの、医師が考える血糖値を改善したい患者の割合は73.3%程度とギャップがあることがわかった」と、医師が思う以上に患者の血糖値改善意欲は高いことが明らかとなった。

 


 「また、過去3ヵ月で低血糖を経験した患者は約40%で、約半数の患者が低血糖に不安を抱えている。そして、患者は新しい薬や治療法の情報を欲していることもわかった」とのこと。「血糖管理については、管理できているという患者は54.4%にとどまった一方で、医師が考える管理できていると自己認識をもつ患者は68.6%となった」と、医師が考える以上に患者は自身の血糖管理状況を厳しく評価していた。「さらに、患者は医師が思っている以上に、糖尿病の自己管理意識が高い」という結果も得られた。この調査結果を受けて、寺内先生は、「患者の負担を軽減し、さらなる血糖改善が期待できる治療選択を行っていく必要がある。そして、診療時に患者の思い・考えを抽出・把握し、コミュニケーションギャップを解消する必要がある」と、提言していた。

サノフィ=http://www.sanofi.co.jp/


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