医療最前線

Smartheart Japan、スマートフォンを介し心電図を伝送できる家庭用ポータブル心電計「smartheart」を発売

2014.01.29 20:53 更新

 Smartheart Japanは、スマートフォンを介して心電図を伝送できるポータブル心電計「smartheart(スマートハート)」を2月3日から発売する。1月29日には同品の発表会が行われ、病院で使用されている心電計と同じ12誘導によって精度の高い心電測定が可能な点や、測定したデータをスマートフォンやタブレットを介して医療機関に伝送することができる点などについて紹介した。

 「当社は『スマートハート』の技術を駆使して、心臓に不安を抱えている人の生活の質(QOL)を高めるためにビジネスを展開している」と、Smartheart Japanのケイダー・ヨアブ社長が挨拶。「当社の製品およびサービスのコンセプトは、命を救うことだけでなく、“ピース・オブ・マイン”を取り戻してもらうことでもある」と、人々の健康に寄与する会社を目指しているという。「今回、日本で当社の製品やサービスを紹介できることを非常にうれしく思っている」と、日本市場においても、これまでのモットーを継承しながらビジネスを展開していく考えを示した。

 海外における予防医療市場や「スマートハート」の展開について説明してくれたのが、SHL Telemedicine社のHead pf Global Development Yoav Rubinsteinシニア・バイス・プレジデントだ。「当社はイスラエルの企業で、創業から27年が経過した。個人向けの遠隔医療ソリューションを提供しており、高度な個人用の遠隔医療システムの開発やマーケティングのみならず、心臓血管およびそれに関連した疾患に焦点を当てて、医療コールセンターのサービスなども提供している」と、SHL Telemedicine社の事業領域について紹介。「当社のユーザーは80代後半の人が主となっているが、すべての世代に対してサポートを展開。2001年からはグローバル企業として、多くの国々でサービスを提供している」という。「日本市場においても同様のサービスを展開していく」と、SHL Telemedicine社のグローバル遠隔医療センターを通じて、カウンセリングやガイダンスサービスを行っていくと説明していた。「今後も当社は、心臓に不安を抱えている人、健康を管理したい人、生活習慣病を患っている人などをターゲットに想定し、生活者のQOL向上に寄与していきたい」と、生活者の健康をサポートする企業であり続けたいと抱負を語っていた。

 次に、心疾患および心電図測定について、「スマートハート」のアドバイザーを務める、順天堂大学 医学部 生理学第二講座 先任准教授 医学博士の家崎貴文先生が講演を行った。「日本人の約30%の人々が心血管系疾患で命を落としている。心血管系疾患は、動脈硬化によって心臓では狭心症や心筋梗塞が、脳では脳梗塞などを発症する」と、心血管系疾患について解説。「このうち心臓病の代表的な病気として挙げられるのが、虚血性心疾患で、狭心症と心筋梗塞がある。狭心症は、冠動脈が狭くなり、心筋への血液の供給が減少するため、心筋が酸素不足に陥る病気。心筋梗塞は、冠動脈が完全に詰まってしまう状態をいう」と、心臓病の代表的な疾患を紹介してくれた。

 「こうした疾患を早期に発見するのに用いられるのが心電図である。これは、心筋細胞が興奮して生じる活動電位を体表面に電極を当てて表される。心電図は12誘導あるもので、12個セットになったものをいう。これには、心臓の動きを様々な角度と位置で測定しているためで、しかも、それぞれ波形が異なっている」と、心電図とはどんなものになるのかをわかりやすく説明してくれた。「心臓病になってしまった場合は、心電図を見るのだが、変化のある誘導とそうでないものを見極めている」と、心電図の見方も教えてくれた。「心電図で、狭心症などが見つかった場合はステント治療を行い、血液を正常に流す必要がある」と、昔はただ寝ているしかなかった治療法が、カテーテルを使った手術などで、根治できるようになったと話していた。

 「『スマートハート』が活用できる疾患としては狭心症が挙げられる。動脈硬化や血管の攣縮(スパムズ)によって冠動脈が狭くなり、心筋への血液の供給が減少するために起こる病気だ。血管の攣縮は、夜間や早朝に起こりやすく、発作時以外の心電図は正常な場合がほとんどだ。発作時の心電図測定を『スマートハート』で行うということが考えられる」と、家崎先生は狭心症の発作時において「スマートハート」が活用できると話していた。「また、心拍動の乱れを不整脈というのだが、不整脈の診断には心電図が最大の武器となる。不整脈は、頻脈性不整脈(脈が速くなる)と徐脈性不整脈(脈が遅くなる)に分けられる。不整脈も発作時以外の心電図は正常であることが多い」と、発作時の心電図測定が有効な疾患が「スマートハート」の活用領域になると言及していた。

 「以上の点から、虚血性心疾患の診断には12誘導心電図検査が必須となる。症状が起こってからなるべく早く心電図を記録し、診断をつけることが重要だ。できるだけ早期に診断し、できるだけ早期に治療を受けることが予後の改善に役立つ。不整脈や狭心症の起こる時間はまちまちである。外来受診時の心電図は正常であることが多いため、発作時に12誘導心電図を記録することは、診断上重要である。精度の高い家庭用ポータブル心電計の存在は、非常に有意義であると考えられる」と、医師の立場からも「スマートハート」の存在は様々な可能性を感じさせるものであると話していた。

 そして、「スマートハート」ブランドおよび製品について、Smartheart Japan 製品担当の下村安奈氏が説明した。「日本の高齢化は急速に進んでいる。また、高血圧、糖尿病、肥満、喫煙などから心血管疾患のリスクが高まっている。これを裏付けるように、心疾患による死亡者数は年間約20万人で、がんに次ぐ多さとなっている」と、高齢化にともない心疾患による死亡者数も増えているとのこと。「心臓発作や心臓麻痺を発症した47%の患者は、結果的にその病気が原因で死亡している。また、発症した約10%の患者は、発症後1年以内に死亡している。死亡した人の半数近くが、中・壮年層と呼ばれる働き盛りの人」と、心血管疾患が死に直結しやすい病気であると語気を高める。

 「こうした中、心疾患患者や心臓に不安を抱える人々の悩みは、いつどこで発症するかわからないという不安であり、たとえ病院の検査を受けてもその時に異常があるとは限らない。さらに、病院での待ち時間を含め時間的な負担が大きいなどを理由に、専門医を受診していないケースがみられる」と、重い腰をあげられずにいる人も少なくないと指摘する。「そこで、いつでもどこでも手軽に、リアルタイムで心臓の状況をチェックでき、日々の不安を少なくできてQOLの維持が可能な、信頼できる家庭用心電図が悩みを払しょくしてくれる切り札になると思われる」と、「スマートハート」開発の経緯について解説。「『スマートハート』は、世界で最も小さい、病院仕様と同じ12誘導を有する精度の高い個人向けポータブル心電計。スマートフォンやタブレットが個人向けの精度の高い心電計に変わる。これによって、リアルタイムに不整脈、虚血、心筋梗塞といった症状の診断をサポートしてくれる」と、「スマートハート」の製品概要を説明してくれた。

 「『スマートハート』は手軽で使いやすく、約30秒で心電図の測定が可能だ。そのデータをかかりつけ医か、SHL Telemedicine社のグローバル遠隔医療センターにも伝送でき、タイムリーなアドバイスを受けることができる」と、カウンセリングなどのサービスが受けられる点も同品の魅力になっている。「厚生労働省はもちろんのこと、米国のFDA(アメリカ食品医薬品局:Food and Drug Administration)の承認、許認可を受け、CEマーク(すべてのEU加盟国の基準を満たすものに付けられるマーク)も取得済みだ」と、信頼性の高い製品でもあるという。「SHL Telemedicine社の遠隔医療センターは週7日24時間対応となっており、熟練した医療スタッフで運用されている」と、いつ何時でもフィードバックメッセージを受け取ることができると話していた。

 「イスラエルでの臨床研究によると、心臓発作を発症して最初の1年以内の死亡率において、『スマートハート』利用者は、そうでない一般的なイスラエル国民に比べて半分以下となっている」と、生存確率も2.2倍という数値を示しているとのこと。「『スマートハート』は人を守りたいという想いが、製品開発につながった。生活者のよりよい暮らしをサポートするべく、当社では『スマートハート』を通じて日々の安心を届けていきたい」と、人々の健康に寄与するのが「スマートハート」であると、下村氏は力説していた。

 最後に、Smartheart Japan 製品担当の三橋奈津子氏が、「スマートハート」の使用方法デモンストレーションを行った。「心電図の測定方法は、服を脱ぎ、ベルトを巻いて胸部に本体を設置、電源をオンする」とのこと。なお、性別ごとに3タイプ計6タイプ用意されているという。「その後、スマートフォンやタブレットのアプリを起動する。質問項目にチェックを入れ、リラックスした状態で測定が開始される」と、簡単な操作で心電図測定が可能であると説明していた。「測定後のデータ送信方法は、ハートがオレンジに変化したら測定完了。心電図データをスマートフォンで表示することができる。かかりつけ医にデータをメールで送信することも可能だ。さらに、履歴機能もあるため、過去のデータを閲覧することもできる」と、スマートフォンの画面を見せながら、「スマートハート」の使用方法について教えてくれた。

 


 「スマートハート」は、3年間で5万台の販売を目標に、2月3日から販売を開始。ディバイスとアプリのセットが基本で、フィードバックサービスが有料オプションとなる。販売方法はSmartheart JapanのWEBサイトによるダイレクト販売となっており、心疾患患者や心臓に不安を抱える人々に訴求していくとしている。

[小売価格]
ディバイス&アプリセット:10万円
フィードバックサービス(有料オプション):年間3万6000円
(すべて税別)
[発売日]2月3日(月)

Smartheart Japan=https://www.smartheart.co.jp/


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