医療最前線

日本イーライリリー、インスリン治療を50年以上継続している糖尿病患者を表彰する「第11回リリー インスリン50年賞」を開催

2013.11.06 21:14 更新

 日本イーライリリーは、インスリン治療を50年以上継続している糖尿病患者に敬意を払い表彰する第11回「リリー インスリン50年賞」の表彰式を11月5日に開催した。第11回となる今年は、男性4名、女性11名の合計15名の糖尿病患者が受賞。そのうちの9名が表彰式に参加し、50年以上にわたる治療の道のりを振り返りながら、家族や主治医などへの感謝を述べるとともに、糖尿病治療に取り組む他の患者の希望の存在として、表彰状と記念メダルを受け取った。

 表彰式を前に、Lilly Diabetesのエンリケ・コンテルノ シニアバイスプレジデント兼プレジデントが挨拶した。「糖尿病の管理を50年間行ってきた人を表彰することを目的に『リリー インスリン50年賞』を開催。今回で11回目を迎える。血糖値管理をしっかり行い、健康を維持していることが、他の患者に管理の重要性を訴えることにつながると考えている」と、50年間継続して血糖値をコントロールしてきた人を表彰することが、現在血糖値コントロールに励む糖尿病患者に勇気を与えることになると説明する。「血糖値コントロールの継続は、患者の努力の他に、主治医の的確な指導があってのものだと確信している」と、糖尿病患者を支える主治医の存在も欠かすことができないと強調していた。

 「当社はインスリンを導入して90年になる。この長い歴史と伝統がある当社は、さらなる革新を実現するべく、新しい薬の開発などに取り組んでいる」と、患者の治療負担を少しでも軽減するために日夜努力しているという。「健康で素晴らしい患者が存在するということは、会社にとっても患者にとっても大きな希望になるものと考えている」と、患者が生き生きと生活できる環境や社会づくりに同社もしっかり貢献していきたいと話していた。

 続いて、男性4名、女性11名の合計15名の糖尿病患者の受賞者が発表された。50年前に、糖尿病であると宣告されてから、インスリン治療に長年取り組んできた受賞者のほとんどが、「家族の支えがあったから、生きることができた」と強調。家族や周りのサポートが糖尿病患者に大きな勇気を与えることを改めて知らしめてくれた。一方、受賞者とともに登壇した主治医のほとんどが「手のかからない、いつも元気な患者」と評価。血糖コントロールがきちんとできた糖尿病患者は、身も心も元気いっぱいになれるのだということを教えてくれた。

 表彰状とメダルの授与を終えて、挨拶のため壇上に上がった、日本糖尿病学会 理事で、東京慈恵会医科大学名誉教授の田嶼尚子先生は、「インスリン治療を始めてから50年間糖尿病とともに歩んできた受賞者に敬意を表する」と祝辞を述べると、「糖尿病治療は、主治医とどうやっていくかをお互いが考えながら行うことが重要」と、治療計画を患者と主治医で相談しながら行うことが大切であると説く。「これを裏付けるように受賞者は、主治医と良好な関係を構築していた」と、糖尿病治療で最も重要な部分がしっかりできていたことが50年間に及ぶインスリン治療が継続できた所以であると強調する。「米国に留学した際に、糖尿病にコントロールされるのではなく、病気ではない人と同等の生活を営むことを目指してほしいと、小児の患者に説明していた医師を見て深い感銘を受けた。受賞者の50年にわたるインスリン治療に取り組むエピソードを聞いていると、留学で学んだことが走馬灯のように思い出された」と、糖尿病患者としてではなく、普通の人と変わらぬ生活を育んできたことが50年のインスリン治療を可能にしたのだと話していた。

 次に、日本糖尿病協会 理事で、東京女子医科大学 糖尿病センター センター長の内潟安子先生も祝辞を述べた。「自分で独自に先生と工夫しながら治療に励んできた患者を目の当たりにして感銘を受けている」と、並々ならぬ努力をしてきたことがわかるが故に、感動もひとしおの様子。「50年前の治療は、現在とは比べものにならないくらい、患者にとって負担の大きいものだった。それだけに50年間治療を続けてきた意義は大きい」と、決して整った環境ではなかった時代でも、治療と真摯に向き合ってきた受賞者に敬意を表していた。「受賞者が表彰状を受け取る姿を見て、医師の立場から、この日を患者に迎えてもらうにはどうすればよいか、ということを常に考える必要があると思った」と、内潟先生にとっても「リリー インスリン50年賞」は得るものが大きかったという。「インスリンと共に生きていくという気持ちがあれば、道は開けていくものだと改めて実感できた」と、インスリン治療に臨む決意を高くもって取り組むことができれば、普通の人と変わらない生活ができることを教えられたと話していた。

 最後に、日本イーライリリー 執行役員 糖尿病・成長ホルモン事業本部 綱場一成事業本部長が、同社の糖尿病に対する取り組みについて紹介した。「当社は1921年に発見されたインスリンを1923年に製品化し、今年で販売90年を迎える。90年間経過した現在でも、インスリンは糖尿病治療において最も効果のある治療薬とされている」と、インスリンについて長い歴史を有していると説明する。「当社は今後も革新的な製品を展開し、患者や先生の一翼を担っていきたいと考えている」と、糖尿病領域で患者、医師の双方にとってベストパートナーであり続けたいとのこと。「そのために、患者一人ひとりに最適な治療の選択肢を提供していくことが当社の使命であると自負している」と、「リリー インスリン50年賞」の受賞者をもっと増やしていくために、今後も邁進していくことを誓った。

 「リリー インスリン50年賞」は、インスリン治療を50年以上継続している糖尿病患者の長年の努力を称えることを目的に、1974年に米国で始まった。イーライリリーでは、受賞した患者がインスリン治療を継続するすべての糖尿病患者に勇気と希望を与え、治療に前向きに取り組む上での目標となることを願っているという。これまでに、米国を中心に1500名以上の患者が受賞しており、日本でも2003年の表彰開始以来、第11回を迎えた今年度で66名の患者が受賞した。

日本イーライリリー=https://www.lilly.co.jp/


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