医療最前線

花王など、毎日の炭酸入浴と30秒ストレッチング併用で歩行機能が向上することを確認

2013.11.22 18:47 更新

 花王 ヒューマンヘルスケア研究センター・パーソナルヘルスケア研究所は、日本赤十字北海道看護大学・山本憲志准教授と共同で、炭酸入浴と30秒ストレッチング(前屈運動)が歩行機能に及ぼす影響を調べた。その結果、炭酸入浴とストレッチングの継続は、さら湯入浴とストレッチングの継続に比べ、歩行機能を向上させること、また体幹や脚の筋肉の柔軟性も向上することが確認された。

 体幹や脚の筋肉の柔軟性は加齢や運動不足などによって、低下することが知られている。さらにこの体幹や脚の筋肉の柔軟性の低下は「歩く」などの日常生活に支障をきたすことが考えられている。今後、同研究の知見をもとに、これらの不調を予防・緩和するため、炭酸入浴を用いた健康習慣を提案していく考え。

 同研究では、健常な60代から70代の高齢の男女24名(炭酸入浴+ストレッチング群8名、さら湯入浴+ストレッチング群9名、炭酸入浴群7名)を対象として、4週間の入浴試験を実施した。

 まず、毎日の炭酸入浴と30秒ストレッチング(前屈運動 10秒×3回)による、歩行機能に及ぼす影響を検証した。歩行機能は、シート式圧力センサーを用いて、歩行の時間的パラメータである両脚支持期(歩行時において両足が地面についている時間。バランスが悪く、スムーズな足の運びができなくなるとこの時間が長くなる)と歩行速度に関して測定を行なった。その結果、両脚支持期ではストレッチング実施群において、0週から4週目の変化として両脚支持期が有意に短くなり、スムーズな足の運びになることが示唆された。一方、歩行速度では、炭酸入浴群において4週目で速度が増加する傾向が確認された。以上から、毎日の炭酸入浴とストレッチングの併用によって、歩行機能が向上することを検証した。

 毎日の炭酸入浴と30秒ストレッチングによる、からだの筋肉の柔軟性(長座体前屈(膝を伸ばして床に座り、背中が床と垂直になる初期状態から指先を前に押し出す動きにおいて、初期状態から背中の最大の移動距離を測定した)と学術的にも一般的な方法である足関節可動域(関節可動域は図5に示すような足関節の背屈と底屈の角度(足首の曲げやすさ)を測定した。0週の角度をゼロとして4週目の角度の変化量を調べた)で測定)に及ぼす影響を検証した。

 長座体前屈は、ストレッチング実施群において4週目で有意に伸張することが確認された。長座体前屈の伸張は、体幹および脚筋肉の柔軟性の向上を示唆しており、バランスがよくなり、歩行時の足の運びがスムーズになることで両脚支持期が短くなる結果が得られたと考えられる。また、足関節の背屈と底屈角度については、炭酸入浴とストレッチングの併用した群は0週と4週の比較で足関節の両方の角度が有意に増加した。足関可動域の増加によって、足首が曲げやすくなり歩行時の踏込み・蹴りだしが改善し、図3に示す歩行速度の増加につながったと考えられる。

 なお、同結果を含む研究成果は、第52回日本生気象学会(11月1、2日・米子市)において発表している。今後、からだの柔軟性の基礎的な研究や炭酸入浴とストレッチングとの関係について、より詳細な研究を進めて行く予定だ。

花王=http://www.kao.com/jp/
日本赤十字北海道看護大学=http://www.rchokkaido-cn.ac.jp/


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