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らでぃっしゅぼーや、消費者の経済的負担低減を図るべく配送料無料対象枠を拡大、5000円以上の購入で配送料が無料に

2017.08.25 19:48 更新

 らでぃっしゅぼーやは、ネット通販の利用者増加による宅配業界全体の慢性的な人材不足から、宅配業各社が値上げを実施する中、あえて“逆”の戦略となる「配送料無料対象枠の拡大」を10月2日から開始する。8月25日に行われた戦略発表会では、配送料無料対象枠をあえて拡大する背景や、導入によるメリットなど、様々な角度から導き出した勝算について説明した。

 「高齢者人口は、2020年には全体の約3割に達し、以降も高齢化は加速する。経済産業省の報告書によると、買い物に困難を感じている60歳以上の人は17.1%に達し、前回調査から0.5ポイント上昇した。この背景には、地方都市のみの問題ではなく、高齢化の進行・地元スーパーの撤退などから、郊外型都市部でも社会課題化していることが挙げられる」と、らでぃっしゅぼーやの国枝俊成社長が、現在直面する消費課題について説明する。「一方、総務省の調査によると、インターネットを利用する60歳以上世帯のネットショッピング支出は他世代に比べて高い傾向にある」と、60代はネット通販に積極的なのだと指摘する。「インターネット利用者の裾野拡大にともない、EC市場規模も拡大。宅配便取扱個数も年々急増している」と、昨年には宅配便取扱個数が40億個を突破したと紹介する。「宅配便取扱個数の急増がトリガーとなり、配送料値上げやサービスクオリティ低下が発生。消費者への経済負担や宅配業者への不信感が増大している」と、宅配業界をとりまく環境は厳しさを増していると訴える。「そこで、当社では新たな戦略を打ち出し、消費者への経済的負担の軽減や、クオリティアップを施策を打ち出すことにした」と、消費者の不安を払拭する新たなサービスを打ち出すのだと語気を高めた。

 そして、らでぃっしゅぼーや 取締役執行役員の野沢千晶営業本部長が具体的な今後の戦略などについて説明した。「当社では、定期お届け品として、季節の旬野菜を7~12品詰め合わせたセット『ぱれっと』と、当社の商品を単品購入できる『カタログ注文品』を展開している。これまでは、『ぱれっと』のみの購入者に対して配送料が無料であったものを、『ぱれっと』のみの購入者で購入金額が5000円以下の場合は配送料金が発生する内容に改定する。一方、『ぱれっと』と『カタログ注文品』の両方を購入していた顧客と『カタログ注文品』の購入者は、これまで8000円以上購入しなければ配送料が無料にならなかったが、今回、5000円以上の購入で配送料を無料にすることにした」と、一部配送料が発生してしまうケースもあるが、基本的には配送料の対象枠を拡大するのだと説明する。

 「顧客の購入金額のボリュームゾーンは3000円~4000円となっている。今回、5000円以上の購入で配送料が無料となることで、1人当たりの単価アップが図れると試算した」と、同社による配送料の負担増は、顧客単価のアップで相殺できると目論む。「また、3年以上利用している顧客に対しては、直近3ヵ月で3回以上の購入があれば、『ぱれっと』購入者および『ぱれっと』と『カタログ注文品』購入者の配送料を無料にする」と、同社のサービスを長く利用しているユーザーに対しても、特別配送料を導入するとのこと。「配送料体系の変更によって、配送料無料対象者は+20%になると見込んでいる」と、多くのユーザーにメリットを感じてもらえるサービスなのだと強調していた。

 「サービスクオリティに対する消費者の不信感増大については、自社配送サービスクオリティ強化に向けたクルーマイスター制度を導入することで対応する」と、昨年9月から導入を開始した、消費者に商品を届けるクルー(配送スタッフ)の育成強化を図ることで不信感の払拭に努めるのだと意気込む。「当社のクルーに対しては、『らでぃくるの会』と呼ばれる8社の配送代理店によって組織される非営利の任意団体を設けている。この配送代理店同士が連携し、クルーの応対品質向上に向けた教育研修や交流、表彰などを実施している。クルーマイスター制度の開始にあたっては、『らでぃくるの会』の存在が大きく寄与している」と、配送代理店の団体があるからこそ、一貫したクルーの育成が可能になるのだと訴える。「宅配サービスのコンシェルジュを目指し、ブロンズ、シルバー、ゴールドに分けて、クルーのスキル強化に努めていく」と、クルー自身もモチベーションアップにつながる制度になっていると説明していた。

 「新たなサービスの導入をきっかけに、『ぱれっと』の商品ラインアップを拡充する」と、健康維持やライフスタイルの変化に関するユーザーからの要望に対応した商品を展開するのだと紹介する。「30代の若い家族層や50代後半以上の高年齢層向けの商品として、少量の野菜をバランスよく摂取できる5~6品の『らくらくぱれっと』を展開する。40~60代の健康維持意識の高い層に対しては、野菜をバラエティ豊かに多く摂取できる14~16品の『しきさいぱれっと』を展開する。さらに、糖質コントロールに関心を持つ層に向けて、糖質が高い野菜を制限し、管理栄養士による糖質コントロールができるレシピ付き6~8品の『リガト ベジ ボックス』を展開する」と、よりターゲット層を明確にした商品を展開することで、消費者の囲い込みや新たな取り込みを図るのだと力説する。「平均世帯人員は減少傾向にあり、少量サイズや使い切りサイズの食品が選択される状況にある。『らくらくぱれっと』は、こうした社会環境にマッチした商品であると考えている」と、少量の野菜でバランス良く摂取でき、使い切りサイズで無理なく継続できることから、世帯人員が少ない消費者からの引き合いに期待を寄せていた。

 再び登壇した国枝社長は、「オーガニック食品への期待は大きく、この市場のパイオニアとして、市場の発展に寄与していきたいと思っている」と、自然派食品流通の先駆者として、市場拡大の先陣を切る必要があるとのだと訴える。「日本は、欧米諸国に比べてオーガニック食品市場は小さく、500億円程度でしかない。しかし、人口規模から1兆円市場にまで引き上げる余地はあると考えている」と、自然派食品流通市場の伸びしろは大きいのだと指摘する。「そのためには、オーガニック認証食品の流通を拡大させることが必要と思われる。また、GAPと呼ばれる農業において、食品安全、環境保全、労働安全などの持続可能性を確保するための生産工程管理の取り組みを積極的に推進していく必要がある。当社の農産品のうち4割がGAP取得となっている」と、オーガニック食品普及の旗振り役として、今後も業界の課題に一石を投じるサービスや商品の展開を図りたい考えを示した。

らでぃっしゅぼーや=http://www.radishbo-ya.co.jp



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