健康食品・医薬品

大竹栄養専門学校と日清医療食品、迫りくる少子高齢化に対応できる最新の食事提供サービス「クックチル方式」の特別授業を公開、少ない労働力でも病院や介護施設等で安心・安全な食事の提供方法を学ぶ

2019.11.18 11:00 更新

 病院・介護施設での食事提供サービスのリーディングカンパニーである日清医療食品は、大竹栄養専門学校 栄養士科の「応用栄養学習(常食とエネルギーコントロール食の展開)」と産学連携を実施し、少子高齢化対策として少ない労働力でも安心・安全で均一な食事サービスの最先端方式「クックチル方式」を体験できる特別授業を11月12日に実施した。授業では、日清医療食品の社員が特別講師を担当。これから迎える少子高齢化によって起こり得る様々な問題を提起した後、問題改善の一翼を担うと考えられるクックチル方式による食事提供を、大竹栄養専門学校の学生たちにレクチャーした。

 「当社は、1972年に創業し主に給食受託業務、在宅配食事業、医療用食品販売を事業としている」と、病院や介護施設に対して食事サービスを提供する企業なのだと、特別講師を務める日清医療食品 東京支店 管理部受託管理企画課の阿南道也係長が挨拶。「当社は飲食業界売上ランキングで第4位であり、病院給食および高齢者施設給食の受託市場においてシェアNo.1を獲得している」と説明。「当社は、医療・介護の現場で、食の側面からサポートをしている。食べられる方の楽しみは食事であることが多いことから、QOL(生活の質)の向上を考えた取り組みを行っている」と、食べる喜びは生きる喜びをモットーに365日分、3度の食を病院や介護施設で提供していると説明した。

 「例えば、噛む力が弱くなった人や歯がなくなってしまった人に対しては、食事を細かく刻む、またペースト状にすることを行ってきた。しかし、食事を刻む・ペースト状にすると見た目が損なわれ食欲がわかない、量が増え食べきれないなど、必要な栄養素が摂りづらいという課題がある。更に、細かく刻んだ食事は誤嚥する可能性が高く、誤嚥により誤嚥性肺炎を発症し最悪亡くなってしまうリスクがある」と訴える。

 「そこで、当社では2004年に目で見て何の食材かわかる“ムース食”をメーカーと協力のもと開発した」と、安全・安心で必要な栄養素もしっかり補給できるムース食で、食べる喜びを提供していると語る。「ムース食では対応出来ていなかった、噛む・飲み込む能力が衰え始めてきた人向けとして2016年に刻まない介護食『やわら御膳』を開発した。この“やわら御膳”は、食材の選び方や切り方・調理方法を工夫することで、高齢者の噛む力を活かした介護食となっている」と、見た目も常食のようにきれいだが、柔らかさは常食の約10分の1程度と高齢者でも安心して食べられるメニューなのだと教えてくれた。

 そして、授業の本題である“少子高齢化”によって起こり得る様々な問題について解説。「我が国は、若年世代の比率が減少し、高齢者の割合が増えていく状況にある。そして人口も2050年には1億人を下回ると予測されている」と、少ない若者で多くの高齢者を支える世の中が、すぐ目の前に押し寄せているのだと警鐘を鳴らす。「総務省によると、人手不足が顕在化しつつあり、すでに労働供給力は限界にきている」と、どの業態も働き手を確保することが困難な情勢に陥っていると説明する。「省力化を旨とした生産性向上を進めなければ、労働力不足が企業活動の悪影響になりかねない状況にある」と、人手をなるべく抑えながら生産性を高めていかなければ、企業も淘汰されていくと予想されている。「そこで当社では、全国5ヵ所にセントラルキッチンを導入。京都のヘルスケアフードファクトリー亀岡では1日10万食を作ることができる」と、大量多品種の食事を作ることができる工場を有している。「セントラルキッチンによる集中調理に移行することで、調理業務の一元化を図り、品質の恒久的維持に努めている」と、高齢化に向けて令和にあった食事提供を進めていると力説する。「また、献立の統一や調理工程を同一にすることで、安定した品質を確保すると共に、集中した品質管理を行うことによって、安全で衛生的な食事提供を行っている」と、品質の安定性も確保できると利点を述べる。「献立作成業務の集約による効率的な事務作業、調理作業の簡素化、時間の短縮によって省力化作業につなげている」と、オペレーションの効率化・省力化も実現しているのだと語る。

 「当社のセントラルキッチンでは、加熱調理後に急速冷却し、喫食に合わせて再加熱し提供するクックチル方式を採用。急速冷却した食品は真空パックし、病院や介護施設のサテライトキッチンに配送される」と、セントラルキッチンで行われる調理工程について解説。「受取先であるサテライトキッチンでは、和える・再加熱のみを行っている」と、サテライトキッチンで行う調理工程についても詳しく説明。

 「この商品“モバイルプラス”は医療版、福祉版の2種あり、食種は、常食、全粥食、減塩食、エネルギーコントロール食と福祉版のみやわら御膳がある。また、禁止食対応を行うなど多様な食事提供にも対応している」と、セントラルキッチンでは、個別に対応できる仕組みも構築されているのだと紹介していた。

 そして座学を終えた後、生徒たちによる調理実習がスタート。特別授業では、調理実習室を日清医療食品のサテライトキッチンと仮定し、クックチル方式で、常食を作るチームとエネルギーコントロール食を作るチームに分かれて行った。調理工程は、お湯を沸かし、主食の鰆のみりん焼きを15分間温める。この時のポイントとして、「タイムキーパー役を決めて、時間が来たら知らせる必要がある」と、役割を事前に決めておくことが大切だと、阿南係長がアドバイスしていた。

 盛り付けでは、「それぞれが選んだ食器に盛り付けてほしい」と、食器は自由に選んでほしいとのこと。生徒たちは阿南係長のアドバイスに耳を傾けながら、1チームそれぞれ5人前の食事を作る調理実習を行った。通常であれば、食材を切るなどの下処理と呼ばれる仕込みの工程が必要となるが、クックチル方式では、こうした工程の必要がないため、2時間ほどかかる調理が40分ほどでメニューが完成した。

 調理実習を終えて阿南係長は、「チームワークがとても素晴らしかった」と、役割分担がきちんとできていたと評価する。一方、フルーツの切り方については、「これが正解というものはないが、薄く切りすぎてしまうと、箸でつかみにくくなってしまう。ある程度の厚みが必要になる」と、高齢者や患者のことを考えて食材をカットすることの重要性もアドバイスした。

 さらに、大量の食事を手早く作る方法についても指南。「味噌汁は、お鍋に具と味噌汁を入れて調理していたが、具を均等にお椀に入れて、汁をかける方が時短につながり、より大量の食事を調理することができる」と、さらなる効率化に向けた一工夫についてもアドバイスしてくれた。衛生面については、「真空パックされた食材を取り出す際、袋を切るのだが、切り離してしまうチームも多くみられた。切り離してしまうと、切れ端が異物混入の原因になる恐れがある。袋は切り離してしまわずに、中の食材を取り出すようにしてほしい」と、細かい点に配慮することも、安心・安全にとって大切なのだと説明していた。

 調理実習を終えた生徒たちは、常食を作ったチームとエネルギーコントロール食を作ったチームで一部メニューを交換し、食べ比べも行った。食べ比べた生徒は、「味の違いはあまり感じられず、見た目はほとんど変わらない」と、どちらが常食で、どちらがエネルギーコントロール食なのか、言われないとわからないと話す。調理してみた感想については、「これまでもエネルギーコントロール食を調理したことはあったが、味や見た目について、イメージしていたものとは違うものが出来上がってしまっていた。しかし、クックチル方式であれば、味も均一で見た目も変わらないので、イメージ通りのメニューに仕上げることができると思った」と、クックチル方式の均一で素早く調理できる利点について関心を寄せていた。

 特別授業を企画した大竹栄養専門学校の小泉あゆみ先生も、「今回初めて常食とエネルギーコントロール食の違いを学ぶ調理実習を行ったのだが、生徒たちも楽しそうに味比べを行ってくれた」と、エネルギーコントロール食の調理実習を行うことはあっても、常食と比較するということはこれまで授業で取り上げたことはなかったという。「今後は、刻み食とムース食を比較した調理実習などができればと思っている」と、今後も少子高齢化のことを考えた食サービスの在り方を学ぶ授業に取り組んでいきたいと話していた。 【PR】

大竹栄養専門学校=https://www.ohtake-nutrition.ac.jp/
日清医療食品=https://www.nifs.co.jp/


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